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森総理のG8各国訪問
(概要)平成12年5月10日
森総理は4月28日より5月6日にかけてG8各国を歴訪し、首脳会談を実施した。主要点は以下の通り。
4月29日 日露首脳会談(プーチン大統領) 5月1日 プローディ欧州委員長との首脳会談 5月2日 日伊首脳会談(アマート首相)、日仏首脳会談(シラク大統領、ジョスパン首相) 5月3日 日独首脳会談(シュレーダー首相)、日英首脳会談(ブレア首相) 5月4日 日加首脳会談(クレティエン首相) 5月5日 日米首脳会談(クリントン大統領) 1.日露首脳会談(4月29日)
(1)首脳間の信頼関係構築、今後の首脳間対話の推進
- (イ)両首脳は、首脳のみの会談、全体会合、午餐会、文化プログラムを含め合計約7時間を共に過ごし、両首脳間の信頼関係の構築に向けてスタート。
- (ロ)両首脳は、今後も首脳レベルの対話を緊密に継続することで一致し、特に、プーチン大統領の公式訪日を8月末に実現することで合意。
(2)九州・沖縄サミットに向けての日露協力
- (イ)総理より、九州・沖縄サミットの基本課題を説明。
- (ロ)総理より、サミットではロシアより改革努力の継続・推進につき説明を得、これに対するG8としての支持を改めて確認したいとの考えを表明。
- (ハ)プーチン大統領より、G8によるロシアの改革への支持は重要な意味を持つとし、また、ロシアとしては特に21世紀の国際秩序、テロ対策、ロシアの債務問題等に関する議論に関心を有している旨発言。
(3)21世紀に向けた日露関係のあり方
- (イ)両首脳は、21世紀の日露関係が持つ戦略的重要性に関して一致。
- (ロ)総理より、21世紀に向け、(A)日露間の戦略的・地政学的関係の推進、(B)幅広い経済協力、(C)平和条約の締結、という3つの大きな課題を同時に前進させていくことを提案。プーチン大統領もこれに基本的に同意し、日本との間で平和条約締結を含む全面的な関係進展を目指していくとの考えを表明。
- (ハ)平和条約については、その締結が日露関係において持つ重要性につき大局的観点から議論を行い、その結果、東京宣言、モスクワ宣言等一連の合意及び宣言を完全に遵守していくことを改めて確認。
- (ニ)なお、ロシア正教会のアレクシー2世総主教の5月の訪日につき、日露関係の進展を象徴するものとして双方より歓迎の意を表明。
2.西欧4ヶ国(伊・仏・独・英)及びEUとの首脳会談(5月1-3日)
(1)九州・沖縄サミット
- (イ)総理より、我が国が議長を務める九州・沖縄サミットにつき(i)最重要外交日程と考えており、成功のために最大限努力する、(ii)以下の3点をキーワードとして、前向きなメッセージを出したいと考えている旨説明した。
- (A)一層の繁栄:情報技術(IT)をサミットの中心的議題とする(IT革命促進の契機とすることを期し、IT教育も取り上げる一方で、途上国のデジタル・ディバイドにも取り組む)。また、深刻化する貧困を撲滅し途上国がグローバル化の恩恵を享受出来るよう、債務問題、感染症対策、人材育成を取り上げる。
- (B)心の安寧:途上国のみならずG8の人々の様々な不安に応えるため、犯罪、食品安全、高齢化、環境、麻薬等を取り上げる。
- (C)世界の安定:冷戦後も引き続き大きな課題となっている地域紛争や軍縮・不拡散等への取り組みにつき取り上げる。
- (ロ)各首脳は、総理の説明に対し賛意を表し、サミット成功に向けての緊密な協力を約束した。各首脳より特に言及された主要関心事項は次の通り。
EU IT、貿易と債務の関係、感染症(AIDS、結核、マラリア)。 伊 食品安全、高齢化、IT、地域紛争。 仏 IT革命(デジタル・ディバイド対策等)、最貧国支援(経協分野での日 仏協力)、感染症、食品安全、(原子力安全、地球温暖化問題、危険物の海上輸送の安全性) 。 独 IT、特にデジタル・ディバイド対策、最貧国の債務、紛争予防。 英 IT革命及びデジタル・ディバイド対策、途上国対策(特に最貧国)、感染症対策、麻薬関連犯罪対策、食品安全、核不拡散。 (2)ロシア
総理より、4月29日に行われた日露首脳会談等を踏まえ、プーチン大統領は、問題点を良く把握し、行動的で、話が出来る人物であり、非常に鋭い面と優しい面の両面を持ち合わせているとの印象を受けたこと、ロシアの孤立化を避け、建設的なパートナーとする働きかけが重要であるとの考えを開陳。
各国首脳よりは、既に同大統領と会談しているブレア英首相を含め、総理の説明を謝しつつ、同感である旨表明があった。(3)その他
- (イ)総理より日本経済再生への所信を開陳したのに対し、各国首脳からは景気の回復を確信・待望する等の表明があった。
- (ロ)その他時間が許す限り、各国との二国間関係、日・EU首脳協議の開催等日欧関係(仏・EU)、アジア情勢・朝鮮半島情勢(伊)、国連改革(安保理改革を含む国連強化のための包括的改革の重要性)(伊・独)及びWTO新ラウンド立ち上げに向けた協力(EU・独)、文化、教育改革(仏)等についての議論を行った。
3.日加首脳会談(5月4日)・日米首脳会談(5月5日)
(1)九州・沖縄サミット(加・米共通)
総理より我が国の考え方(概要2.(1))を説明し、両首脳の賛同とサミット成功に向けての緊密な協力の約束を取り付けた。個別の関心事項として特に言及された事項は以下の通り。
加 貧困対策、感染症 米 IT(デジタル・ディバイドを含む)、感染症(エイズ、マラリア、結核等)、(地球温暖化問題) (2)ロシア(加・米共通)
総理の見方(概要2.(2))を説明したところ、両首脳はこれを謝しつつ、プーチン大統領は今後長く政権の座にあると思う(加)、来月訪露し同大統領と会談する予定(米)等コメント。
(3)日加首脳会談個別事項
- 日加関係:総理より、クレティエン首相自らが率いた昨年のチーム・カナダのフォローアップや日加経済人会議を通じて日加関係の緊密化に役立てたい旨発言。先方より加にとり日本市場は重要であり、今後日本にとって加が重要な市場となるようにしたい、日本は最近の経済困難にも拘わらず援助を削減していないことに敬意を表したい旨発言。
(4)日米首脳会談個別事項
- (A)日米安保関係:総理より、日米安保体制はアジア太平洋地域の平和と安定に必要不可欠でありその信頼性の一層の向上に努力していきたい、普天間飛行場の移設・返還に関する日本政府の立場は、沖縄の要望を重く受け止め、閣議決定し、閣僚レベルで米側に説明している通りであり、SACO最終報告及び日米安保共同宣言を踏まえ、引き続き緊密に協議していきたい旨発言。先方より、日米のパートナーシップが最も重要である、日本側の努力に感謝する、今ある問題そして今後の問題を解決していかなければならない旨応答。
- (B)日本経済等:総理より、日本経済の大胆な構造改革に取り組んでいく旨発言(NTT接続料については、サミットのITの文脈で、日米双方の努力により可及的速やかに解決したく、事務的に協議を進めたい旨発言)。先方より、日本の景気の鍵を握るのは構造改革であり、総理が言及された電気通信の問題への関心を歓迎する旨、日本の構造改革に関心を持っているのは日本の経済回復に資するためであり、日本の財政・金融政策を評価している旨発言。
- (C)WTO:先方より、今年中に新ラウンドを開始する可能性はあり、コンセンサスを得るべく努力したい旨、及び反ダンピング法を交渉対象とすることは、米国の莫大な貿易赤字のため困難である旨発言。総理より、幅広い関心に答える形での立ち上げに賛成であり、よく相談していきたい旨、及びダンピング問題については多くの国が関心を持っており、引き続き議論していく必要がある旨発言。
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