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日パキスタン首脳会談
(概要)

平成12年8月21日


 21日、パキスタンを訪問中の森総理大臣は、約2時間15分に亘って(午前10時45分から12時10分までは少人数で、その後午後1時までは同席者の数を拡大した形で)ムシャラフ行政長官と会談を行ったところ、概要以下の通り。

1.二国間関係

(1)森総理より、「パ」における干魃災害に対する5億円相当の支援、約3.8億円相当の新生児破傷風予防接種拡大計画に対する無償資金協力、「パ」との貿易・投資拡大の重要性に鑑み、IT、繊維分野での研修、中小企業政策セミナーの実施、官民合同経済対話の設置等を行う予定であることが伝えられた。

(2)また森総理より、今後5年間で高校生を含む5000人の青少年を南西アジア諸国から招聘するとともに、このプログラムの中で、研究者や芸術家等を我が国に招聘する「森フェローシップ」を創設することが伝えられた。

(3)これに対しムシャラフ行政長官は、これらについて謝意を表するとともに、2002年に日「パ」外交関係樹立50周年を迎えるにあたり、天皇皇后両陛下をパキスタンにご招待したい旨伝えられた。

2.民主化問題

(1)森総理より、我が国は自由と民主主義を重視しており、「パ」が2002年10月までに総選挙の実施を表明していることを評価するとともに、「ム」行政長官に対し民主化に向けての意向を質した。

(2)これに対し、「ム」行政長官は、現在政府は経済再建、良い統治、行政機関の能率化、国の富を収奪する者の処罰、地方の関係の緊密化につき努力しているところであり、経済状況については巨額の累積債務を抱え大変ではあるが、良い方向に向かいつつあり、さらに今後は教育、貧困撲滅、法秩序の改善に努力していること等を紹介した。

(3)これに対し森総理は、「パ」のかかる着実な改革への努力及び経済改革の方向性を評価した。

3.パキスタンへの経済協力と核不拡散

(1)森総理より、日本は唯一の被爆国としての立場から、また国民感情もあり、「パに対する核不拡散問題への努力を求めている点への理解を求めた。

(2)これに対しムシャラフ行政長官は、まず日本の経済協力が「パ」の経済発展に寄与してきたことに対し謝意を述べるとともに、「パ」にとって日本は主要な貿易相手国でもある点を指摘した。またムシャラフ行政長官は、「パ」は「債務の罠」から抜け出すことが重要であるとして、IMF、リスケ等における日本の支援を要請し、森総理より側面的支援を約した。

(3)さらにムシャラフ行政長官は、核不拡散問題における日本側の懸念を理解するとともに、日本が「パ」に対し誠実にCTBT早期署名の要請を行っていること、また、それを行う資格を有していることを理解し、CTBT発効までモラトリアムを継続する旨述べた。またムシャラフ行政長官は、「パ」は、万一印が核実験を行った場合はこれに応じざるを得ないが、再び核実験を行う最初の国には決してならないことを保証するとともに、核不拡散に責任ある態度で臨む旨述べた。また、ムシャラフ行政長官は、「パ」がCTBTに署名することについて問題はないと考えているが、国内のコンセンサス形成のために、もう少し時間が必要であると述べるとともに、もし今署名すれば、国内が不安定化する点について理解を求めた。

(4)これに対し森総理は、重ねてCTBTの早期署名を促すとともに、「パ」がCTBT発効まで核実験モラトリアムを継続する等前向きな姿勢を確認したことを受け、円借款の継続案件であるコハット・トンネル建設計画について、「パ」の経済状況及び債務返済状況等を勘案しつつ、追加的資金需要への前向きな対応を検討する旨伝えた。

4.印「パ」関係とテロ問題

(1)森総理は、印「パ」関係について懸念を表明するとともに、早期に「ラホールの精神」に基づき対話が再開されることを希望する旨、また、如何なる理由によっても、また、如何なる場所であろうとも、無実の市民がテロ行為によって殺害されることは正当化されないとの立場を堅持し、あらゆる形態のテロ行為を断固として非難する、「パ」がテロ防止のために有効な措置をとるべき旨述べた。

(2)これに対しムシャラフ行政長官は、「パ」としても印との対話を求めているが、印が応じてこない旨、また、「パ」はテロの被害者であり、無実の市民に対する残虐行為を非難する旨述べるとともに、アフガニスタンに設けられたテロリストの聖域や基地を閉鎖するよう、「パ」としてもアフガニスタンと交渉していることを紹介した。さらにムシャラフ行政長官は、カシミールにおける虐殺行為について、「パ」はこれらの事件と関係を有していないことについて理解を求めた。



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