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日印首脳会談
(概要)平成12年8月23日
23日、午後6時15分より8時頃まで、森総理はヴァジパイ印首相と会談したところ、その概要以下の通り。1.二国間関係全般
森総理より、10年ぶりの訪印が実現し印側より歓待を受けたことに謝意を表明し、また今月上旬カシミール各地で起きた虐殺の犠牲者への哀悼を表した。「ヴァ」首相より、(イ)総理の訪印を歓迎する、友人が10年も離れていたのは好ましくないが、今次訪問により日印関係は親密さを増し新鮮さをもつことになる、(ロ)両国は互いに大きな可能性を含めた関係。これを一層強化し、二国間のみならず地域や国際社会で一緒に役割を果たしていきたい、(ハ)総理はバンガロールにも行かれたが、経済・情報技術分野でもともに役割を果たしていきたい、と述べた。これに対し総理より、21世紀に向けて印と広範な分野における多面的な協力関係を作っていきたく、この関係を「21世紀における日印グローバル・パートナーシップ」と称したいと述べ、「ヴァ」首相の賛同を得た。
2.核不拡散関係
(1)森総理より、核兵器の削減及び廃絶に向けて、印と共に取り組んでいくことを再確認し、CTBTを速やかに発効させるために印と協力していきたいと述べた。「ヴァ」首相より、印は防衛のために核実験を行ったが、これ以上核実験を行わないと自主的に決定したし、(核を)先制使用しないことを保証する。現在国内でCTBT署名に関し政党間で相談しており、近い将来には自分の考える方向に向かうことを期待している、印は平和を支持しているが、他国からも支援を得たい、また、もう核実験を行わないと表明した立場を変えることはないと述べた。右に対し総理より、大変建設的な表明に感銘した旨述べた。
(2)森総理よりカットオフ条約に関し、交渉の即時開始及び5年以内の妥結のために、 印と協力したい旨述べ、「ヴァ」首相は右に賛同し、一緒にやっていきたいと応じた。
(3)印側より、CTBT発効までの核実験モラトリアム等につき、前向きな姿勢が確認されたことを踏まえ、森総理より、円借款の継続案件二件(注)につき、当面の追加資金需要に対応する分の資金を供与することを表明し、「ヴァ」首相より謝意表明がなされた。
(注)「シマドリ石炭火力発電所建設計画」及び「デリー高速輸送システム建設計画」
3.国連安保理改革
森総理より、我が国としては、常任・非常任議席双方の拡大と、新常任理事国には先進国・途上国の双方が含まれるべきことの二点について、可能な限り多くの加盟国の賛同を得て、議論の進展を図る必要がある、日印間で安保理改革の早期実現のため協力していきたいと述べたのに対し、「ヴァ」首相より、50年間で国際情勢は変化し、また途上国の果たす役割が増しているとして、上記二点について共通の認識を示した上で、印としても改革努力に参画し、協力していきたいと述べた。
4.南アジア情勢
(1)森総理より、(イ)パキスタンを訪問し、できる限り早期のCTBT署名をはじめとする核不拡散の上の進展と共に、テロに対し有効な対策をとるよう強く働きかけ、また印との対話を再開するための環境づくりを求めた、(ロ)印政府の積極的な働きを評価しており、「ラホールの精神」に基づき早期に対話が再開されることが重要である、更に(ハ)カシミール問題は二国間の対話を通じて解決していく問題であるが、我が国も信頼醸成促進のため、できる範囲で協力していく旨述べた。右に対し「ヴァ」首相より、「パ」とは隣人として良い関係を持ちたいと思いラホールに行ったが、カルギル戦争が発生し、信頼感が失われたことにショックを受けた。しかし近い将来、「パ」と良い関係となることを期待している旨述べた。
(2)また森総理より、地域の安定と発展のためにSAARC(南アジア地域協力連合)の役割は重要であり、印「パ」間で難しい問題もあるが、SAARCの活動を支援していくため、「日・SAARC特別基金」の下での活動を拡充させたいと述べたのに対し、「ヴァ」首相より、地域協力は重要でありSAARC活動を前向きに進めていきたい旨応じた。
5.その他
(1)「ヴァ」首相より、国交樹立50周年を迎える2002年に両陛下の訪印招請が改めて表明され、我が方よりも右機会にあわせナラヤナン大統領の訪日招請を行った。森総理よりは、二国間対話を更に深めていくこと、特に10月に予定する貿易協議の成果に期待し、安全保障・防衛分野の対話を今年中に開催すべく調整していくこと、また日印21世紀賢人委員会を12月ないし来年1月に正式に立ち上げること等を提案した。更に、南西アジア地域と我が国との間の青少年交流の拡大(今後5年間で5000人)や、「森フェローシップ」を含む知的交流促進のための日・南西アジア交流プログラムを実施することを表明した。
(2)両国の経済交流、特にIT分野の交流に関し、有効期間三年間の数次査証を印IT技術者に発給することを含む「日印IT協力推進計画」(内容は既にIT演説にて発表済み)を改めて表明し、印側の歓迎を受けたほか、将来的にはIT部門で印と南南協力を行っていくことを提案し、「ヴァ」首相より賛同を得た。
(3)我が国が議長を務めたG8九州・沖縄サミットに関し、「ヴァ」首相より、我が方説明に対する謝意と、サミットの成功に対する祝意が寄せられた。
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