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APECブルネイ会合の際の日露首脳会談 平成12年11月15日
15日18時20分(現地時間)より約55分間、ブルネイにおけるAPEC首脳会議に際し、日露首脳会談が行われた。(当初予定の30分を大幅に超えて行われた。)
会談同席者は、日本側より安倍官房副長官及び加藤外務審議官、ロシア側よりプリホジコ大統領府副長官及びロシュコフ外務次官。1.会談の要点
(1)プーチン大統領の9月の訪日、今月初めの河野外務大臣の訪露の結果を踏まえて、平和条約問題について両首脳間で率直に話し合った結果、交渉において着実な一歩を画することができた。
(2)これを受け、両首脳は、今後、両国外務大臣及び専門家のレベルでの交渉を更に詰めていくことで一致した。
(3)また、両首脳は、この交渉の進捗を踏まえ、平和条約締結に向けた具体的進展が得られるのであれば、森総理のイルクーツク訪問を年内にも行うことで合意した。
2.やりとりの概要
(1)プーチン大統領より概要以下のとおり述べた。
APECの枠の中でお会いできて大変嬉しい。東京で会ってからまだ時間が経っていないが、日露両国の関係改善の動きが見える。この改善は一般的なものだけではなく、具体的協力、経済関係の活性化、かつては見られなかった国際分野での協力などからなる。また、この改善の道の中で新しいインパクトとなるのは、森総理のロシア訪問である。今年でなくても、来年でも、森総理をロシアへ招待したい。(2)これに対し、森総理より概要以下のとおり述べた。
- (イ)ロシアを訪問したい。総理に就任して7カ月だが、プーチン大統領とはサンクトペテルブルグ、沖縄、東京、ニューヨーク、そして今回と5回目の会談となる。共に費やした時間は27時間を超える。互いに信頼関係を深めていくことができたことは大変喜ばしい。是非次の機会に、9月の首脳会談より一歩前進した形でお目にかかることができればと思っている。
(ロ)東京でのプーチン大統領の考えはよく理解できた。日露関係は戦略的・地政学的提携、幅広い経済協力、平和条約締結という三つの課題の全てで着実に進展している。9月のプーチン大統領の訪日はこのプロセスの推進力となった。このプロセスを今後とも強力に推進していきたい。
(ハ)平和条約交渉については、四島の帰属問題を解決し、平和条約を締結すべく真剣に考えてきた。川奈提案は今でも最良の案だと考えている。9月の訪日の際、プーチン大統領が1956年の日ソ共同宣言の有効性を認めたことは一歩前進であり、先の外相会談のやりとりを踏まえ、年末まで更なる実質的前進を目指し最善を尽くしていきたい。両国が互いに歩み寄って最大限に努力することが重要である。
(3)続いてプーチン大統領より概要以下のとおり述べた。
自分は森総理及び総理の同僚の皆様から学ぶことが多かった。例えば、皆様が柔軟性を身につけているということである。川奈提案は実質的前進であると思う。日本側が色々なことを考慮しており、譲歩した案だと思う。しかし、日本側の譲歩は私たちの立場を十分に踏まえたものではないと思う。単なる形式論ではなく、両国関係が高度な水準に達してきた現在、自分としては日露双方に受け入れ可能な解決案を求めて鋭意交渉を継続していく用意がある。(4)森総理より、交渉を前進させるため外務大臣を年内にも訪露させる用意がある旨発言があり、これに対しプーチン大統領より、森総理の訪露の準備の一環としてこれを受け入れる用意がある旨の発言があった。
(5)森総理とプーチン大統領の間で、世論に日露関係がどこに向かって進んでいるのかはっきりと示さなければならないということで意見が一致した。
また、プーチン大統領より、自分たちは期待感を高め、後で絶望することになってはいけない旨の発言があった。
これに対し森総理より、自分とプーチン大統領、そして日露関係は、強い信頼関係がある、今まさに重要な時期であり、総合的な発展のために何が必要か考える必要がある、時間には限りがあり無駄にはできない、大局的見地にたって協力していかなければならない旨発言があった。(6)その後、若干の時間、二人だけのやり取りがあった。
この冒頭、森総理より、森総理のお父様のゆかりの地であるイルクーツクの写真を示した。プーチン大統領は、その写真を見た上で、是非これをもらえないかとの発言があり、これに対し森総理は、よろしければとその写真を差し上げた。
最後に森総理より、具体的な前進を図ることが出来るのであれば、自分も年内にも訪露を行う用意がある旨発言があった。これに対しプーチン大統領は、わかった、是非イルクーツクで歓迎したい、と発言し、次回はイルクーツクで日露首脳会談を行うことで合意した。
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