| I.概要 |
| 1. |
8月20日より30日までメキシコ、チリ、ブラジル、ペルー、コスタリカの5カ国を訪問。各国で首脳会談、日系人・在留邦人と懇談。コスタリカでは、中米7ケ国首脳等とワーキング・ランチ。 |
| 2. |
今次訪間は、メキシコが海部総理以来7年ぶり、チリが岸総理以来37年ぶり、プラジル及びペルーが鈴木総理以来14年ぶり、コスタリカは日本の総理として史上初。 |
| 3. |
各国政府とも総理を心より歓待。現地新聞・テレビもトップ・ニュースとして連日大きく報道。 |
| 4. |
出発前夜、メキシコで誘拐中の邦人が無事解放。総理より大統領に同国政府の協力に感謝、進出企業の一層の安全確保につき要請。
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| II.意義と評価 |
| 1. | 中南米が21世紀の地球社会の発展にとって鍵を握る地域のひとつであるとの認識から、「日本と中南米との新時代のパートナーシップの構築」を目指し訪問。中南米が90年代に入り、民主化、経済改革、経済統合により蘇生した姿を目の当たりにし、中南米の重要性を再確認。 |
| 2. |
中南米各国首脳より、日本に対する強い期待感、アジア太平洋諸国との関係緊密化について強い希望を表明。総理の訪問は我が国の中南米への関心を具現化するものとして、各国で高く評価。 |
| 3. |
中南米と密接な利害を有する米国との協力関係においても、日本が中南米の発展に積極的に貢献していくことは重要であり、その意味でも今次総理訪問は有意義。
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| III.訪問の成果 |
| 1. | 中南米諸国との有効協力関係の増進 |
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| (1) |
明年の天皇皇后両陛下のブラジル御訪問、アルゼンティンお立ち寄りにつき正式にブラジル側に伝え、先方は歓迎の意を表明。メキシコ、ペルーからも両陛下の御訪問につき招請があった。 |
| (2) |
チリ(97年)は修好100周年、メキシコ(97年)とペルー(99年)は移住100周年を各々祝賀し、関係の緊密化に合意(100周年に合わせ、各大方領の訪日を招請、先方より皇族の御訪問につき要請があった)。 |
| (3) |
地域経済統合に関し、日・メルコスール高級事務レベル協議第1回会合を10月初に開催することで合意。各国とも「開かれた統合」を目指すことを確認。 |
| (4) |
「日本・中南米友情計画」(今後5年間で250名訪日招待)、中南米若手行政官訪日招待(明年度50名)を表明。 |
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| 2. |
国際政治経済分野での協力の強化。 |
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| (1) |
我が国と中南米諸国が協力して他の途上国の発展を支援する「南南協力」の推進について合意。 |
| (2) |
国連改革やWTOなどについての政策対話の深化にも合意。ブラジル自動車政策に関し、WTO整合性の確保に向け協議継続で一致。 |
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| 3. |
地球規模問題の解決に向けての協力の拡大。 |
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| (1) |
- 環境:
- 今回の訪問中にメキシコ、ブラジル、ペルーで円借款6案件(計1130億円)の交換公文を署名。
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| (2) |
- 食料:
- ブラジルのセラード農業開発に対する協力の拡充のため、今年度中に調査団を派遣することを表明。
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| (3) |
- 福祉:
- リヨン・サミットで提唱した「世界福祉イニシアティブ」を紹介。いずれの首脳からも積極的な賛同があった。
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| 4. |
アジアと中南米との交流の促進。 |
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| (1) |
「中南米シンポジウム―アジアと中南米との関係強化を求めて―」(明年、我が国で米州開銀・輸銀共催で開催)については、各国首脳が強い関心を表明。 |
| (2) |
APECについては、既にメンバー国であるメキシコ、チリと協力強化を約束。新規参加を強く希望しているペルーについては、我が国としてペルーの参加を支持すると明言した上で、凍結期間やメンバー拡大に反対する国の存在などを説明。 |
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| 5. | 日系社会への支援。 |
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| (1) |
日系社会は、我が国と中南米諸国の双方にとって貴重な財産。各地の日系人・在留邦人より熱烈な歓迎。 |
| (2) |
サンパウロ日系社会より強い要望のあった「日伯学院」建設や「文化センター」設置については、日本語や日本文化の継承にとって重要であり、前向きに対応を検討.〕日伯学院は、翌日の首脳会談においても紹介し、ブラジル側より好意的な反応を得た。
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| IV.今後の課題 |
| 1. |
我が国外交政策におげる中南米の位置づけをより明確化しつつ、今次総理訪問の成果.をフォローアップ。 |
| 2. |
中南米諸国の持つ重要性、強い対日期待感を踏まえ、より頻繁な首脳外交の実施を含めハイレベルの政策対話を一層強化。 |
| 3. |
日本国内における中南米に対する認識と理解の増進。 |