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沖縄に関する特別行動委員会(SACO)中間報告(仮訳)


1996年4月15日

池田外務大臣
臼井防衛庁長官
ペリ-国防長官
モンデ-ル駐日大使



 沖縄に関する特別行動委員会(SACO)は、1995年11月に、日本国政府及び米国政府によって設置された。両国政府は、沖縄県民の負担を軽減し、それにより日米同盟関係を強化するために、SACOのプロセスに着手した。

 この共同の努力に着手するに当たり、SACOのプロセスの付託事項及び指針が日米両国政府により合意された。すなわち、日米双方は、日米安保条約及び関連取極の下におけるそれぞれの義務との両立を図りつつ、沖縄県における米軍の施設及び区域を整理、統合、縮小し、また、沖縄県における米軍の運用の方法を調整する方策について、SACOが日米安全保障協議委員会(SCC)に対し勧告を作成することに合意した。このようなSACOの作業は、1年で完了するものとされている。

 SACOは、日米合同委員会とともに作業しつつ、一連の集中的かつ綿密な協議を行ってきた。これらの協議の結果、SACO及び日米合同委員会は、これまでに騒音軽減のイニシアティヴ及び運用の方法の調整などの地位協定に関連する事項に対処するためのいくつかの具体的な措置を公表した。

 本日、SCCにおいて、池田大臣、臼井長官、ペリ-長官及びモンデ-ル大使は、これまでにSACOにおいて行われてきた協議に基づき、いくつかの重要なイニシアティヴに合意した。これらの措置は、実施されれば、在日米軍の能力及び即応態勢を十分に維持しつつ、沖縄県の地域社会に対する米軍の活動の影響を軽減することとなろう。沖縄県における米軍の施設及び区域の総面積は、約20パ-セント減少すると見積もられる。



 SCCは、これらの措置を遅滞なく、適時に実施することの重要性を強調し、SACOに対し、1996年11月までに、具体的な実施スケジュ-ルを付した計画を完成し、勧告するよう指示した。米軍の活動の沖縄に対する影響を最小限にするため、日本国政府及び米国政府は以下を実施するため協力する。

土地の返還

 -普天間飛行場を返還する。
 今後5~7年以内に、十分な代替施設が完成した後、普天間飛行場を返還する。施設の移設を通じて、同飛行場の極めて重要な軍事上の機能及び能力は維持される。このためには、沖縄県における他の米軍の施設及び区域におけるヘリポ-トの建設、嘉手納飛行場における追加的な施設の整備、KC-130航空機の岩国飛行場への移駐(騒音軽減イニシアテイブの実施を参照。)及び危機に際しての施設の緊急使用についての日米共同の研究が必要となる。
 -海への出入りを確保した上で北部訓練場の過半を返還する。
 -米軍による安波訓練場(陸上部分)の共同使用を解除する。
 -ギンバル訓練場を返還する。
施設は沖縄県における他の米軍の施設及び区域に移設する。
 -楚辺通信所を返還する。
 今後5年の問にキャンプ・ハンセン(中部訓練場)に新たな通信所が建設された後に楚辺通信所を返還する。
 -読谷補助飛行場を返還する。
  パラシュート降下訓練は、移転する。
 -キャンプ桑江の大部分を返還する。
 海軍病院及びキャンプ桑江内のその他の施設を沖縄県における他の米軍の施設及び区域に移設する。
 -瀬名波通信施設を返還する。
 瀬名波通信施設及びこれに関連する施設をトリイ通信所及び沖縄県における他の米軍の施設及び区域に移設し、土地の返還を可能にする。
 -牧港補給地区の一部分を返還する。
 国道58号に隣接する土地を返還する。
 -住宅地区の統合により土地を返還する。
 沖縄県における米軍住宅地区を統合するための共同計画を作成し、それによって、キャンプ桑江(レスタ-)及びキャンプ瑞慶覧(フォスタ-)を含む古い住宅地区の土地の相当な部分の返還を可能にする。
 -那覇港湾施設の返還を加速化する。
  浦添に新たな港湾施設を建設し、那覇港湾施設の返還を可能にする。


訓練及び運用の方法の調整

 -県道104号線越え実弾砲兵射撃訓練を取りやめる。但し、危機の際に必要な砲兵射撃は除く。155ミリ実弾砲兵射撃訓練は日本本土に移転する。
-パラシュ-ト降下訓練を伊江島に移転する。
-沖縄県の公道における行軍を取りやめる。


騒音軽減イニシアティヴの実施

 -日米合同委員会によって公表された嘉手納飛行場及び普天間飛行場における 航空機騒音規制措置に関する合意を実施する。
 -KC-130(ハ-キュリ-ズ)航空機を移駐し、その支援施設を移駐し、また、AV-8(ハリア-)航空機を移駐する。
  現在普天間飛行場に配備されているKC-130航空機を岩国飛行場に移駐し、その支援施設を岩国飛行場に移設するとともに、ほほ同数のハリア一航空機を米国へ移駐する。
 -嘉手納飛行場における海軍のP-3航空機の運用及び支援施設を海軍駐機場から主要滑走路の反対側へ移転し、MC-130航空機の運用を海軍駐機場から移転する。
 -嘉手納飛行場に新たな遮音壁を設置する。
 -普天間飛行場における夜間飛行訓練の運用を制限する。


地位協定の運用の改善

 -米軍航空機の事故についての情報を適時に提供するための新たな手続を確立する。
 -日米合同委員会の合意を一層公表することを追求する。
 -米軍の施設及び区域への立入りについてのガイドラインを再点検し、公表する。
 -米軍の公用車両の表示に関する措置についての合意を実施する。
 -任意自動車保険に関する教育計画を拡充する。
 -検疫に関する手続を再点検し、公表する。
 -キャンプ・ハンセンにおける使用済み弾薬類の除去についてのガイドラインを公表する。




 日米双方は、米軍のレクリエ-ション施設を含め、追加的な事項につき引き続き検討することに合意した。





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