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日中外相会談概要

平成13年7月24日

 7月24日、ASEAN+3外相会議等に出席のため、ヴィエトナムを訪問中の田中外務大臣は、日本時間13時30分から14時20分までの約50分間(予定では30分間)、唐家セン外交部長との間で外相会談を行った(中国側:王毅外交部副部長他、日本側:槇田アジア大洋州局長他同席)。
 時間節約の観点から会談は日本語で行われ、内容的には、靖国神社参拝問題が相当部分を占め、中国海洋調査船・海軍艦艇、セーフガード暫定措置、ODAにつき短いやりとりがあった。
 本件会談の概要は以下のとおり。(冒頭、唐部長より、97年に逝去した故孫平化中日友好協会会長の遺族から託されたとして、田中大臣が93年に衆議院議員に初当選した際に孫氏が揮毫した祝いの書が贈呈された。)

1.日中関係全般

 唐部長より、新世紀における中国の対日政策の中核を占める考え方は、先般江沢民主席より与党3党幹事長に対して表明したとおり、日中両国人民の友好の伝統は今後とも世代を通じて引き継がれなければならない、中国と日本は近隣諸国であり、加えてアジアの大国でもあるので、今後は「歴史を鑑として、未来に向かう」及び「高きに登って、遠くを望む」との精神の下、アジアの美しい未来に向かって手を携えて協力していくべきである、というものである旨述べた。
 その上で、唐部長より、小泉内閣成立以来、日中双方は一貫して密接な意思疎通と接触を保ってきている、日本は実際の行動をもって当面現実に存在する諸問題を妥当に扱ってほしい、さもなくば二国間関係が正常な発展の軌道に戻るのは難しくなる旨述べた。さらに、唐部長より、来年は国交正常化30周年であり、双方ともこれを祝うために良い環境と雰囲気を造り出していくことが必要であるとの発言があった。

2.靖国神社参拝問題

(1) 以上1.に引き続き、唐部長より、当面中国側として心配しているのは、総理の靖国公式参拝の問題である、この問題は教科書問題と一脈通じるところがあり、仮に小泉総理が8月15日に参拝すれば、中国の民衆から強い反応が出ることになる、これまで日中関係が発展してきた国交正常化以来の友好の基盤が崩れることを心配している旨述べた。また、唐部長よりは、総理の靖国参拝は被害者である中国側から見ればA級戦犯に頭を下げているように見える旨の発言があった。

(2) これに対し、田中大臣より、中国側の考えはよく分かった、8月15日まではまだ時間あるので、中国側の考えについては、帰国後私(大臣)から総理に伝える旨述べた。また、大臣個人の考えとして、将来的には戦没者を慰霊する国立墓地を設けるべきである旨を付け加えた。

(3) さらに、唐部長より、この問題は非常に重要なものであり、日本が今後大局的な観点に立って、日本のために何が国益なのか、如何に国際協調していくのか、如何に中国や韓国と仲良くしていくのか等国際的な側面について注意していただくよう期待する旨の発言があった。

3.中国海洋調査船・海軍艦艇

(1) 田中大臣より、海洋調査船については、双方で努力して事前通報の枠組みができているが、最近、この枠組みに合致しない中国の調査船の動きが見られる、また、最近中国の海軍艦艇が日本の近海において活動することも見られたが、これは国民感情からいって敏感な問題なので中国側として自制してほしい旨述べた。

(2) これに対し、唐部長より、これらの問題が日本において非常に敏感な反応を起こすことはよく分かる、事前通報の枠組みは中国側としても重要視しており、引き続き堅持したい旨の発言があった。

4.セーフガード暫定措置関連

 田中大臣より、日中間で生じている貿易上の問題については、双方が冷静かつ建設的な話し合いを行っていくことが重要であり、中国の関係省庁によく伝えるとともに、外交部としても側面支援してほしい旨発言した。

5.ODA

 田中大臣より、現在、日本は深刻な不況に悩んでおり、小泉政権は構造改革に取り組んでいる、このような状況の中で、日本のODA政策を今後全般的に見直していき、新たなプライオリティをつけていくことが必要であると思う、この際中国を特別視することはできず、日本側の事情については理解願いたい旨述べた。




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