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過去の記録

第3回WTO閣僚会議
(概要と評価)

平成11年12月


1.概要

 今次閣僚会議は、WTOにおける初の本格的交渉として2000年からの新しいラウンドを立ち上げるべく、交渉の枠組みを定める閣僚宣言につき合意することを主たる目的として開催された。しかしながら、各国間で大きな立場の違いがあり、会議最終日(3日)、議長(バシェフスキー米通商代表)は、プロセスを凍結する旨述べ、今次会合はラウンド交渉を立ち上げることなく終了した。

2.主要論点の動向

 今次会議においては、本会議・全体会合(Committee of the Whole)の下、農業、市場アクセス、新分野、実施・ルールの4つの分科会とWTOシステムに関するフォーラムが設けられ、随時、同時並行的にそれぞれの分科会を中心に協議が進められた。また、農業等の困難な問題については、議長を座長とする主要国の会合(グリーン・ルーム会合)で集中的に協議された。争点となった分野の動向は以下のとおり。

(1)農業
 我が国 、EU等農業の多面的機能を重視する国々と、農産品輸出国(米、ケアンズ諸国等)の主張とのバランスに配慮した案文を策定すべく調整が図られたが、3日午後、協議は一旦中断され、その後再開されることはなかった。

(2)ダンピング防止措置(AD)
 交渉対象とすることに対し、米は反発。調整が図られたが、意見の収斂を見ることはなかった。

(3)投資ルール
 印、パキスタン等の途上国は交渉を示唆する表現は一切受け入れられないとして収斂を見ず。

(4)貿易と労働
 米はWTOへの一般国民の支持を継続させるためとして、本件についての作業部会の発足を主張。これに対し、途上国が強く反発。

3.今次会合の評価

(1)今次会合は、全てのプロセスを「凍結」する、という異例な形で終了することとなった。これには以下の理由が考えられる。

(イ)第一に、次期交渉のあり方については、各国の立場は大きく異なり、殆どの論点が調整の共通のベースすらない状況でシアトルでの閣僚レベルの折衝に委ねられることとなった。

(ロ)第二に、WTOは135のメンバー(うち4分の3が途上国)を抱え、効率性と透明性の二つの要請を満たすことが極めて難しくなっていた。

(2)今回の閣僚会議は、農業やADといった各国の国内事情と密接にからんだ困難な問題への取り組みが求められる一方で、途上国のWTOへの一層の関与にかかわる問題や、一般の人々の貿易自由化への様々な懸念にどのように応えるかといった新しい課題への対応を、WTOが迫られていることを改めて明確にしたといえる。

4.我が国の対応

(1)我が国は、今次閣僚会議に、外務、農水、通産の三閣僚が出席して、公式・非公式の会合に参加するとともに、多くの二国間の協議を行う等、閣僚会議の成功に向けて、最大限の努力を行った。

(2)今般このような結果となったことは残念であるが、我が国としては、WTOの下での多角的自由貿易体制を更に発展させるべく、引き続き新ラウンドの立ち上げに向けて必要な作業を継続していくことが重要と考えている。我が国としてもかかるプロセスに積極的に貢献していきたい。



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