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紛争の予防及び解決に関するG8外相特別会合
(概要と評価)

平成11年12月17日

1. 概要

 12月16日及び17日、ベルリンにて標記会合が開催された。本会合は、本年6月9日、10日にドイツのケルンで開催されたG8外相会合において、その開催が決定されたものであり、紛争の予防・解決に向けた国際社会の取組につき、G8としての基本方針や具体的な行動のあり方が議論された。なお、17日午前の会合の大半はチェチェン問題に関する議論に費やされた。

2. 評価

(1)河野大臣からは紛争予防の重要性を強調し、更に紛争の未然防止には目に見えない地道な努力を積み重ねていくことが重要であることを指摘した。また紛争の各プロセスを通じた分野横断的な取組、いわゆる「包括的アプローチ」が必要である旨指摘した上で、明年の九州・沖縄サミットに向け、議長国として本件分野に積極的に取り組んでいく旨発言した。

(2)紛争予防の取組については、各国政府が責任を持って取り組んでいくとともに、国連をはじめとする国際機関を中心とした取組が進められるべきであり、その意味でも国連改革が喫緊課題であるとの認識が共有された。また河野大臣より指摘したとおり、統合的かつ包括的なアプローチが執られるべきとの点でも一致を見た。

(3)そのための具体的な政策については、(イ)国連、地域機関やフォーラム、NGO等に焦点を当てて国際社会の紛争予防の能力を強化すること、また(ロ)小火器、テロ、紛争の資金源たるダイヤモンドの不正取引、紛争における児童、文民警察等についての取組を含むアプローチを執るべきとの点で一致し、今後の執り得るべき方策についての方向性を見いだした。

(4)紛争予防の取組については、明年7月の宮崎での外相会合でもその進捗状況がレビューされることとなり、政務局長のガイダンスの下に事務レベルの会合を設置することを含め、G8として積極的に貢献していくこととされた。

(5)なお、一般的な紛争予防に関する議論の他、中東和平やコソヴォ問題等についても議論が行われた。

3. チェチェン情勢

(1)チェチェン情勢については、16日の夕食会にイワノフ露外相より現状等についての説明があり、また17日10:00前より11:30過ぎにわたり、大幅に予定時間をオーバーして議論が行われた。

(2)17日朝食会では、冒頭ヴォッレベクOSCE議長より同人のチェチェン訪問に関する詳細な報告があった。続いて露より、本件にかかる同国の立場についての説明があり、各国との間で真剣な議論が行われた。

(3)G8の結束を重視して、あまり激しいやりとりはなかったが、早期の政治的解決に向けて、ロシアに対して他のG8諸国からいくつかの注文が出された。今後、ロシアがこれにいかに対応するか注目される。



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