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過去の記録

朱鎔基総理との会見
(概要)

平成12年8月30日


 30日、中国を訪問中の河野外務大臣は、本邦時間18:00~19:00まで約1時間、中南海紫光閣にて、朱鎔基総理と会見したところ、概要以下のとおり(当方:谷野駐中国大使、槇田アジア局長他、先方:唐家セン外交部長他同席)。なお、会見の基本的なトーンは、河野大臣より、日中間の相互信頼関係が大事であり、問題があればそれが小さいうちに芽をつみ取ることが大事である旨強調し、朱総理よりそのとおりである旨の反応が随所で行われたというものであった。

1.朱鎔基総理の訪日(含む海洋調査船問題、投資環境の整備等)

 朱総理より、10月の自分の訪日は、元々小渕前総理の招待だが、その後森総理からも何度も招待を受けており、嬉しくかつ期待している旨述べた。河野大臣より、貴総理の訪日を重視している、訪日時には21世紀の日中関係についてもお話しいただきたい、日本国内には、中国の経済の潜在力の大きさから、中国の将来に不安を感ずる人々もいる、このような人々の目からは、調査船や海軍艦艇の件は大きな不安に映る、今回の日中外相会談の結果、相互の事前通報の枠組みを作ることで一致できた旨述べた。
 朱総理より、日本から心配だと言われている行動については、敵意をもってやっていることではなく、国際法に合致した行動であり、日本でこのような反応があるとは思いもしなかった、しかし、適当な措置(注:意味するところは不明)をとっていくことが出来た、総じて言えば自分の方では悪意がないと思っていても相手から悪意と見なされることは起きうることであり、そのようなときには双方が連絡を取って相互理解を深めながら解決するべきと考える旨述べた。
 河野大臣から、21世紀の対中ODAのあり方について、更に国民の間での議論を深めるために国内で懇談会を作った旨紹介するとともに、投資環境の改善がないと、日本から中国へ積極的に投資をすることは難しい、貴総理の訪日の際には、投資環境の改善について具体的なことを話してほしい旨要請した。
 朱総理より、投資環境の面では安心してほしい、今後中国がWTOに入れば、投資環境は必ず改善しなければならないし、国内の法制度なども国際的なスタンダートを満たさなければならないので、改善されていくと思う旨述べた。さらに、自分(朱)の訪日目的は、政治的には、江沢民が訪日した際に合意された原則の下、相互理解と信頼を増進して堅固な日中関係を発展させることであり、経済的には、二国間の協力関係を強めることである、昨年の二国間貿易総額が660億ドルに達し、歴史的な記録となった、本年1ー6月の貿易額も昨年度比で30%増となり実に素晴らしい、これは日中の経済関係が相互補完的であり相互依存の関係にあることを示している、日本経済は日毎に健全な回復課程にあると思うが、日本経済が回復すれば、二国間の協調協力関係の基礎も更に拡大していくと思う旨述べた。

2.森田運輸大臣の訪中

 朱総理より、中国側が森田運輸大臣の訪中を拒否したとの日本の報道を聞いてびっくりした、このような誤解は厳に避けなければいけない、唐家セン外交部長に本当かと聞いたらば、「それは違う、単に日程上の問題がそういう風に受け取られた」とのことであった、誤解が日中関係に悪い影響を与えないようにしなければならない、貴大臣が帰国されたら、森田運輸大臣に中国としては訪中を遅らせるつもりはなかった旨伝えてほしいと述べた。(ここで、唐家セン外交部長に向かって、鉄道部長と連絡をとって、日本側と日程を再セットするようにと指示していた。

3.北京・上海高速鉄道

 朱総理より、訪日時には、今まで行ったところのないところに行きたいが、日程上の制約もあり全部行けるわけでもないようだ旨述べたところ、河野大臣より、時間を節約するために是非新幹線に乗っていただきたい旨述べた。
 これに対して、朱総理より、一部の新聞では、自分はリニアを応援していて日本との協力は考えていないとの報道があるが、これは全く正しくない、自分は科学を信じる人間なので、北京・上海高速鉄道のような大プロジェクトについては、急いで技術的決定をするべきではないとの立場である、確かに、ドイツを訪問した際には、上海実験線プロジェクトの調印式に出席したが、これは単に実験線であって、北京・上海高速鉄道もこれを使うことに決めたわけでは全くない、北京・上海高速鉄道については、今後、F/Sもしっかり行って、慎重に決めたい、また、今次訪日の際には、日本のリニアも是非見学したい、そして、日本の専門家の判断や説明を是非聞きたい旨述べた。

4.西部大開発

 朱総理から、本件は将来を開くものであるが、例えば、西部のガスを東部に送ること、大規模送電、南の水を北に運ぶこと、チベット鉄道など西部大開発に並ぶ大きなプロジェクトがたくさんあり、今後とも外国との協力の進展を希望する旨の発言があった。



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