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序1.第2回ASEM外相会合は、1999年3月29日にベルリンにおいて、欧州連合理事会議長国でもあるドイツ連邦共和国外務大臣の議長の下、開催された。
2.外相は、1998年4月のロンドンでの第2回ASEM首脳会合において、ASEMが政治、経済、文化及びその他の分野でのアジア欧州間のパートナーシップ、対話及び協力を強化するという重要な役割を果たしていることを首脳が確認したことを想起した。
また、外相は、バンコク及びロンドンでの首脳会合で確立され、ロンドンで採択されたアジア欧州協力枠組みに記述されているASEMプロセスへ指針を与える諸原則を想起した.
3.外相は、ベルリンでのこの会合は継続、信頼、協力及びパートナーシップの精神によって特徴付けられ、この建設的かつ未来志向の精神は2000年及びそれ以降に向けてのASEMプロセスを導き続けるべきものであることを確認した。
4.世界及び地域情勢をレビューするにあたって、外相は、1997年のシンガポールでの第1回外相会合以来、アジア、欧州の双方において多くの変化があったことを認識した。外相は、これらの変化がASEMプロセス及びアジア欧州の関係強化に向けての相互の決意を強化し、両地域の人々や政府間のより大きな理解を築くものであることを強調した。外相は、また、そのパートナーシップが世界の平和、安定及び繁栄に対して重要な貫献をなすものであることを認識した.
5.外相は、高度に相互依存関係にある世界において、新しい政治、金融、経済及び社会的挑戦の時に当たっては、実りある対話と地域間の協力が以前にも増して必要であり、アジア、欧州双方のみならず他の地域にとっても有益であることを強調した。外相は、アジアが経済回復及び安定を達成出来る能力を持つことへの欧州の継続的信頼を再確認した。外相は、アジア、欧州の強固で、永続するパートナーシップの基礎をなす多くの活動分野において、ASEMが既存の協力を強化していくことが必要であることに意見の一致を見た。
政治対話
6.外相は、バンコク及びロンドンにおいて首脳が定めた諸原則に則り、かつ1997年2月のシンガポールにおける第1回外相会合の議論に基づき、開かれ、調和のとれた、かつ包括的な政治対話を行った.外相は1996年バンコクにおいて首脳により定められ、バンコク議長声明の第5、第6及び第7バラグラフに反映された諸原則、及び1998年首脳により定められ、ロンドン議長声明の第9バラグラフに反映された諸原則を再確認しつつ、欧州及びアジア地域の情勢並びに相互の関心事項について共通の基盤を更に拡大した。
欧州及びアジアの情勢
7.外相は、より安全で安定した国際環境を探求するとの決意を再度強調した。地域的な問題が国際的な影響を持ちうる益々相互依存が深まる世界では、国際社会のメンバーは、このような問題に共同してかつ持続的な努力をもって対処することが求められている.この観点から、外相は、共通の関心を有する地域的及び国際的問題について議論した。
外相は、朝鮮半島及びジュネーヴでの四者会合における前向きな進展の兆しに留意した。外相は、全ての関係国が大量破壊兵器の拡散防止を含む共通の懸念を有する問題を解決するために、対話と接触を続けるよう期待する。外相は、当該地域における持続的平和を実現するために、朝鮮半島において平和的共存体制を構築しようとする努力を支持した。また、外相は、合意された枠組みの維持及びKEDOプロジェクトの実施の重要性を強調した。
外相は、南アジアにおける核実験が同地域の安全保障に影響を与え、かつ核不拡散・軍縮に向けた努力に逆行した行為であったことに留意した。外相は、同地域の当時国が、二国間対話の再開、軍縮会議におけるカットオフ条約交渉への参加、包括的核実験禁止条約(CTBT)及びその他の国際的不拡散体制を遵守するとの意図及び輸出管理強化への政治的コミットメントといった前向きなステップをとっていることを歓迎した。外相は、当事国が武器化を控えることにより核軍備競争を防ぎ、かつ全ての国際的核不拡散の規範を遵守するよう期待を表明した。外相は、当事国の対話の再開が実質的に前進し、ひいては良好な隣国関係に繋がるよう期待した。
8.外相は、ユーロの導入が国際通貨システムにおいて一層の為替相場の安定を達成するための努力を強化する機会を提供したことに留意した。また、外相は、EU拡大プロセスが世界経済において欧州の外に開かれた役割を確認かつ強化し、かつ欧州の平和と繁栄を確保することに資するとのEUの確信に留意しつつ、その進展につき議論した。
9.外相は、昨年12月ハノイにて開催された第6回ASEAN首脳会議の結果を歓迎した。同会合は、ASEAN10の理想を達成し、ASEAN諸国のメンバー国間のみならず国際協力における団結及び協力を一層強化した。外相は、第2回ASEAN+3首脳会義の結果を、平和、安定及び繁栄に貢献するものとして歓迎した。また、外相はASEAN地域フォーラム(ARF)が地域の政治・安全保障問題に関する対話の重要なチャネルとして発展してきていること、及びASEMに参加しているASEANの対話国、すなわちEU、中国、日本及び韓国の多大な貢献に支えられASEANがその主要な推進力としての役割を果たしていることを歓迎した。また、外相は、信頼醸成措置の促進のためにこれまでに為された実質的作業を歓迎すると共に、ARFプロセスが引き続き前進することへの期待を表明した。この文脈において、外相は1998年7月マニラにて開催された第5回ARF閣僚会合及びASEAN拡大外相会議の結果に評価をもって留意すると共に、1999年7月のシンガポールにおけるARF及び拡大外相会義への期待を表明した。
地球規模問題
10.外相は、特に国連事務総長の包括的改革案(トラック2)に言及しつつ、効果的な国連機構改革を推進するための作業が進展していることを歓迎すると共に、国際の平和と安全、持続可能な開発及び持続的経済成長を維持及び促進する上で国連が果たしている卓越した役割を一層強化するために、引き続き改革を推進していくために協力し、国連を強化していくとの決意を再確認した。この点に関し、外相は、2000年における国連ミレニアム総会が21世紀の挑戦に対処するにあたり国連の役割を強化する契機となるであろうことに留意した。
11.外相は、軍備管理・軍縮及び不拡散の分野における最近の進展に留意した。外相は、核不拡散及び核軍縮に向けて更なるステップをとることの重要性を強調した。外相は、NPT第6条の下での核軍縮に関連する義務を含み、全ての締約国がNPTを完全に実施することの必要性を強調した。外相は、化学兵器禁止条約の普遍化に向けた進展及び包括的核実験禁止条約が多数の国により署名・批准されたことを歓迎した。外相は、大量破壊兵袈の軍備管理・軍縮及び不拡散に関する世界的なイニシアティヴを強化することの重要性、並びにASEMがこれらの分野において協力を深めるとの決意を強調した。外相は、とりわけ、生物兵器禁止条約との整合性を強化するための生物兵器禁止条約特別委員会における交渉、軍縮会議において合意された権限に基づくカットオフ条約に関する軍縮会議での交渉の早期妥結、並びに包括的核実験禁止条約の早期発効及び同条約に規定された目標に向けての進展への支持を再確認した。外相は、包括的核実験禁止条約の早期発効を促す重要な契機として同条約第14条の下での会議を開催することの重要性を強調した。外相は、核不拡散条約の再検討プロセスの成功のために共に作業を行っていく。
外相は、対人地雷の無差別的使用によって引き起こされる苦痛及び犠牲に対処するため更なる努力を呼びかけた.外相は1999年3月1日、対人地雷の使用、貯蔵、生産、移譲の禁止及びその廃棄を規定した対人地雷禁止条約が発効したことに留意した。外相は、未だ同条約を署名していない国に対し、同条約に加盟する可能性を検討するよう奨励した。外相は、「犠牲者ゼロ」の目標に向けて、訓練、不発弾の除去及び犠牲者のリハビリを含む地雷除去の努力を引き続き支援することの必要性につき賛成した。
外相は、小火器に関して、規制が無く、過剰で、かつ不安定をもたらすような、その蓄積及び移転が、国内紛争と相侯って、国際社会に深刻な挑戦を突きつけている事実を強調した。この文脈において、外相は、小火器及び小型兵器の不安定な蓄積と拡散に対処するためのEU共同行動に留意すると共に、小火器問題に関する国連の様々な努力、とりわけ小火器政府専門家グループの貌行の活動を歓迎した。
12.外相は、国連憲章、世界人権宣言、1993年の世界人権会議におけるウィーン宣言及び1986年の発展の権利に関する宣言に対する確固たる決意を再確認した。外相は、良い統治及び法の支配を促進し、人権高等弁務官及び人権分野における国連諸機関の活動を支持するとの決意を再確認した。外相は、如何なる形態の人種差別や排外主義にも反対する旨表明すると共に、アジア欧州問の協力を通じて、平和、安定及び繁栄に貢献するための努力を強化することで意見の一致を見た。
13.外相は、以下のような地球規模の問題に関してASEMの対話を促進することの重要性を再度強調した。・薬物の不法取引への対処、とりわけ前駆物質の転用阻止及び合成薬物に対する行動を支援し奨励すること。
- 薬物の不法取引への対処、とりわけ前駆物質の転用阻止及び合成薬物に対する行動を支援し奨励すること。
- 資金洗浄、人の密輸及び移民の売買、国際テロリズム、著作権侵害を含む国際犯罪に対処すること。
- 女性と児童の売買、児童売春・ポルノを含む女性と児童に対するあらゆる形態の暴力と闘うこと。
- 人材開発、教育、雇用。
- 貧困撲滅、食糧供給、地域社会の健康改善、地球環境保全及び持続可能な開発の促進。
14.外相は、気候変動の影響による重大な挑戦を想起し、国連気候変動枠組条約(FCCC)の実施における重要な一歩として、京都議定書を歓迎した。更に、1998年11月の第4回締約国会議で採択されたブェノス・アイレス行動計画についても歓迎した。外相は、気候変動枠組条約及びここ数年内に発効した際の京都議定書の下でのコミットメントの実施において、継続的な進展を図ることにつき、ASEM各国が共通の重要な関心を有していることで意見の一致を見た。また、外相は、気候変動枠組条約の原則及び目的並びに同条約締約国会議の諸決定と合致する形で、定期的な意見交換及びそのための協力を強化していくことを決定した。ブエノス・アイレス会合で採択された、きれいな開発メカニズムのためのあり方と手続きに関するものを含む作業計画に関し、早期に進展が図られることを歓迎する。
外相は、ASEM各国間での更なる建設的な協力及び相互支援が、オゾン層保護に関するウィーン条約及びモントリオール議定書、生物多様性条約等の他の環境制度を強化するために必要であることに意見の一致を見た。
外相は、持続可能な開発を目指して、より効果的な社会的、環境的、及び経済的な成長のための政策及び慣行を構築する必要性を強調した.外相は、淡水、森林、気候変動、地域海及び海洋、砂漠化及び干魅防止のための土地管理を含め、環境問題の持続可能な管理のための手段に合意することが必要であることを強調した。
外相は、生物多様性及び気候変動に関する条約に加え、アジェンダ21、砂漠化防止条約、森林原則声明の効果的フオロ-アップ及び実施が行われなければならないことに意見の一致を見た。
外相は、関連する環境技術、専門知識、及びサービスの移転、財政的資源についての開発途上国のためのコミットメントが、世界的な持続可能な開発を成功裡に達成するためには、主要な要素であり続けることを確認した。
15.外相は、自然災害及び環境面での緊急事態によって、脆弱な社会への脅威が続いていることを認識し、国際防災の10年(IDNDR)の枠組みの中で、災害削減のために協調した取り組みが必要であることを強調した。外相は、1998年9月7~11日にポツダムで開催された自然災害削減のための早期警戒体制に関するIDNDR国際会議、及び1999年2月にバンコクで開催されたIDNDR-ESCAPのアジア地域会合の成果を歓迎するとともに、IDNDRの目標を完全に実施するために、10年間の終了の行事として、1999年7月5~9日までの間にジュネーブに於いて開催される予定のプログラム・フォーラムにあたり、IDNDRの包括的なレビューを行うことを支持した。更に、外相は早期警戒を含めて、エルニーニョ影響の減少を抑えるために国際協力を改善することが重要であることを強調した。外相は、特に1998年7月以降EC・DIPECHO計画の下で実施されたプログラムを含め、東南アジアにおいて環境災害管理能力を強化する協力が進展していることを歓迎した。
金融及び経済問題での協力
16.外相は、ロンドンでのASEM首脳会合が、アジアの金融及び経済情勢を改善し、この世界的な関心事項に協力して取り組むことに高い重要度を置いたことを想起した。その後、国際社会からの支緩もあり、現在実施されているアジア諸国の安定化及び改革努力は実を結び始めている。外相は、これらの継続的な改革に基づいて、中期的には着実な成長の回復が見通されることから、いくつかの回復の兆しは既に明白であることに留意した。しかしながら、この危機の社会的影響は深刻なものがあり、影響を受けた国における雇用、所得及び生活水準は深刻な影響を受け、過去の貧困緩和の成功は危機にさらされ、また、最も影響を受けた国では社会的結束及び安定への潜在的影響もある。外相は、多国間及び二国間の協力プログラムを通じて既に提供された直接支援に加え、この危機のより幅広い結果への理解を深めるために協力すること、社会的保護及び社会的結束措置に関する経験を共有すること、アジアのダイナミックな将来への世界的な信頼を再生させることが重要であることを強調した。外相は、国際的なレベルで安定した経済成長を維持することが重要であることを強調した。外相は、G7諸国間のよりバランスのとれた成長を達成し、対外不均衡を削減し、新興市場諸国の回復を支壊することに貢献する内需主導の成長戦略へのG7諸国のコミットメントを歓迎した。この危機のマイナスの社会的影響を軽減し、金融の安定及び経済成長を回復するなかで、外相は、国際金融システムのアーキテクチャを強化し、金融セクターにおける協力、規制及び監督を強化し、金融・資本市場の透明性を改善する必要性を強調した。
国際金融アーキテクチャーの改革の作業について、外相は、先進及び新興市場諸国の双方が緊密に協力し参加することは、国際金融システムを強化するための努力が成功するために重要であることに留意した。この文脈の中で、外相は、1999年1月のフランクフルトでの第2回ASEM蔵相会合の前向きな成果を歓迎した。
17.外相は、ロンドンでの首脳会合以来、特に以下の点で右首脳会合で決定された危機関連の種々のイニシアティヴの実施について急速な進展が見られることを満足の意をもって留意した。
- 金融セクターを再編し、貧困を緩和するための効果的な方法を見出すために技術協力及び助言を提供する世界銀行に設立されたASEM信託基金。この信託基金には既に4,000万ユーロを越えるコミットがあり、多くの個別活動が既に実施に移されている。
- 金融部門の高度の専門知識の確認を支援し、アジアの専門知識を活用する欧州金融技術ネットワーク(EFEX)の設立。
- 投資奨励のために当該地域の各国を訪問した多くのハイレベルのビジネス・ミッション。
- マクロ経済と金融問題(蔵相及び蔵相代理で行われており、最近では1999年2月15~16日フランクフルトでの蔵相会合)及び貿易と投資問題(経済閣僚及びその高級実務者で行われており、最近では1999年2月12~13日シンガポールでのSOMTI会合で行われ、1999年10月9~10日ベルリンでの経済閣僚会合に向けて準備が進められている)に関する実質的かつ建設的なASEM対話。
18.アジアにおける経済及び金融状況についてのロンドンの首脳会合での議論を想起し、外相は、全てのASEMパートナー間の緊密かつ増大する経済関係が、成長の回復及び維持のために重要な要因であることを強調した。外相は、保護主義圧力に抵抗し、更なる多角的自由化を模索しつつ現在の市場アクセスのレベルを最低限維持するという、ロンドンでの首脳会議で表明された共通の決意(貿易及び投資に関するプレッジ)が極めて重要であることを再度強調した。外相は、開かれた市場及び適用される国際ルールへの確固たる遵守に基づいた貿易及び投資の拡大がアジア地域の幅広い分野にわたる経済成長の早期回復に対しなされる重要な貢献を強調した。
外相は、ロンドン首脳会合で採択された貿易円滑化行動計画(TFAP)及び投資促進行動計画(IPAP)の実施に満足の意を表明し、貿易と投資のフローの相互関係を強調した。外相は、IPAPの下での現在行われている活動を評価し、特に、最も効果的な投資促進及び政策イニシアティヴの有効なサマリーに向けての作業を行っている投資専門家会合(IEG)の有益な作業を奨励した。TFAPについては、外相は、TFAPの優先分野について経済大臣会合前に最低一回の会合ないしセミナーを開催するということがSOM‘TI4において強調されたことを歓迎し、作業の進展が加速化されることの重要性を強調した。外相は、持続された経済開発及び金融安定化を実現するためにアジア諸国における現在進行中の経済改革の重要性を強調した。
19.外相は、WTO協定及び閣僚宣言の完全かつ誠実な実施へのコミットメントを再度確認した。外相は、また、交渉が規定されたタイムフレームで開始できるよう、マンデートを与えられた交渉並びに合意済み課題(BIA)及び他の分野の下のレヴユーが迅速に行われることを確保するために協力することに書見の一致を見た。外相は、BIAの下でマンデートとが与えられた分野及びWTOメンバーが提起するかもしれない他の分野を含む広範な交渉についてさらなる進展があることの重要性を強調した。これらの交渉は、すべてのWTO加盟国の関心のバランスを確保するために十分広範なものであるべきである。これは、将来の貿易交渉が開発途上国及び最貧国のための市場アクセスの機会を向上させるものである。外相は、第三回WTO閣僚会議において決定される交渉はあらゆる観点からできる限り早期に実施されるべきであると考える。外相は、1999年10月にドイツで開催される経済閣僚会合は、将来の貿易交渉に関連する広範な問題についてASEMパートナーの問で影響力のあるコンセンサスを形成する好機を提供することに留意した。外相は、高度に統合された世界経済では、全ての貿易国家がWTOのメンバーとなることが重要であることに留意し、ASEMパートナーがWTOに完全に参加することがWTOを強化すると強調した.
20.外相は、両地域の民間ビジネスと金融セクター間の協力を更に強化することが強く望まれており、これらのセクターが影響を受けたアジア諸国において、経済的自信と成長の回復や両地域における生産的な投資活動の維持・拡大のために積極的な役割を果たすべきであることを確信した。外相は、貿易と投資の双方向のフローを刺激し、円滑化するための全ての透明性があり無差別的な措置及びイニシアティヴを歓迎した。特に、アジア欧州ビジネス・フォーラム(AEBF)がパリ、バンコク、ロンドンでの会合並びに今後の韓国、オーストリアでの会合を通じて、ビジネスとビジネスの交流及びASEM政府との対話へのモメンタムを与え、このプロセスへの貢献を行ってきたことを認識した。外相は、この点についての最近のSOMTIでの議論を歓迎し、ASEM組織がビジネスのコンタクトや提言を認識するために、具体的な関係、コンタクト・ポイント並びにメカニズムを設立するという決定を歓迎した。外相は、貿易と投資に関する障害を見出すために民間部門のより良い関与が必要であることを表明した。
21.外相は、中小企業の特別なニーズ及びそれをASEMプロセスに完全に反映させることが重要であることを認識した。この関係で、外相は、1998年5月にイタリアで開催されたアジア欧州中小企業会合の成果とともに、シンガポールが主導している中小企業のためにASEMコネクト電子リソース・ネットワークを設立するプロジェクト並びに適切な場所に中小企業センターを設立するというバンコクでのビジネス・フォーラムでの提案を歓迎した。
22.ロンドン首脳会合の結論に基づいて、外相は、持続可能な経済成長を促進するために、インフラ開発、エネルギー及び環境部門等、他の重要な経済分野における対話と協力を推進するために継続的な努力が重要であることを強調した。外相は、決定されたASEMの作業計画の中で、実施乃至予定されているそのような活動が幅広い分野に及ぶことを満足の意をもって留意した。
文化、教育、環境、科学技術分野での協力
23.外相は、文化及び他の分野でのアジア欧州協力は多面的であり続けるべきであり、人間のあらゆる努力の分野を包含すべきことを強調した。このASEMの人間的な側面は、文化、教育、環境、科学技術等の分野における両地域の共通の関心を反映させるべきである。
24.外相は、1999年1月21日~22日にハノイで開催された文化遺産の保護・振興に関する第1回専門家会合の成功を歓迎した。更に、外相は、会合で採択された行動計画を承認し、それが成功裡に実施されることを期待した。
25.経済成長と繁栄及び我々の天然資源と環境の保全の双方にとって、科学技術部門は重要な要素及び主たるエンジンと益々なっていることから、外相は、アジア欧州間の科学技術協力の強化のための更なる努力を呼びかけた。この関係で、外相は、中国で予定されている科学技術大臣会合及び既に行われているそのための準備作業を歓迎した。
26.外相は、1997年にシンガポールに設立されたアジア欧州財団(ASEF)の活動を評価した。外相は、人と人との交流、知的交流、文化のより深い理解及びより緊密な協力というASEFの活動の3つの分野について、興味深く留意し、ASEFの活動への全面的な支持を約束した。外相は、若手議員会合、PEARL(欧州アジア研究連携計画)の研究機関ネットワークと言った最近のASEFのイニシアティヴを歓迎した。
27.外相は、また、タイのアジア欧州環境技術センター(AEETC)の活動開始に向けての進展及び1999年3月29日のバンコクでのAEETCの正式な開所を満足の意をもって留意した。外相は、AEETCの活動への支持を再確認し、両地域の環境分野での協力へのAEETCの積極的な貢献を期待した。既に決定されたAEETCの活動の優先分野である大都市問題、環境問題への大衆の啓蒙、生物的手法を用いた環境回復並びに環境災害の予測・対策は、アジアと欧州が直面する共通の課題を十分に示すものである。
28.外相は、1998年5月にオーストリアで開催された第2回アジア欧州ヤング・リーダーズ・シンポジウムの成功を評価するとともに、1999年5月に韓国で開催される第3回シンポジウムを通じて、これらの貴重な交流が継続的に発展することを期待した。
29.外相は、貧困緩和、教育及び医療サービス、児童への性的搾取に対する闘いといった児童福祉分野へのASEM協力を拡大することについて強い決意を確認した。外相は、1998年10月にロンドンで開催されたASEM児童福祉専門家会合の成果を歓迎するとともに、右会合が定めた3つの重要分野である法執行機関間の接触、ASEMリソース・センターのウニプサイトの設立及びソーシャル・ワーカーの交流計画の可能性についてのフォローアップ活動を歓迎した。
30.外相は、1999年3月のコペンハーゲンでの国家と市場に関する会合の成果を歓迎した。同会合では、特に、相互依存関係の増大により特徴付けられる世界において、民間部門と公的部門の役割の変化がもたらす政治的、社会的及び経済的意味合いをより明確にしていくことが重要であることを強調した。
31.外相は、同様にロンドン首脳会合以降開催された他のASEM会合、セミナーの成果を歓迎した。それらには、1998年10月のハーグでの労働関係に関するセミナー、1999年3月のハノイでの伝統及び現代医療の融合に関するセミナーが含まれる。外相は、ASEM作業計画の中で実施乃至予定されている社会面及び文化面での幅広い活動に満足の意を表明した。
ASEMプロセスの将来の進路
32.外相は、ASEMプロセスを開放的で漸進的なものと保つ決意を再確認した。外相は、SOMに対し、ASEM3首脳会合の際に提出される新規参加に関するタイミング及びモダリティについての提言を準備するよう指示した。
33.外相は、ロンドン首脳会合で発足したアジア欧州ヴイジョン・グループのイル・サゴン議長の出席を歓迎し、21世紀に向けてASEMプロセスを導く中長期的ヴイジョンを打ち出した同グループの最終報告書に留意した。外相は、同グループが熟練度と迅速性をもってそのマンデートを遂行したことに謝意を表明し、2000年のソウルでの第3回ASEM首脳会合において同報告書を外相の見解ともに提出することを期待している。外相は、右首脳会合への準備の際には、この報告書にある結論、提言を検討する。
34.ロンドン首脳会合で採択されたアジア欧州協力枠組みがASEMプロセスの主要な目的、近い将来のアジア欧州協力の重要優先事項及び主要な分野並びにASEM活動の調整及び管理の枠組みメカニズムを設定していることを想起し、外相は、全体のASEMプロセスを導くためのこの枠組みの重要な価値を再確認した。この関係で、ASEMの活動が首脳によって設定されたガイドライン及び1998年10月のバンコクSOM会合で意見の一致を見た基準並びに協力枠組みの下での調整機能強化についてのタイ・ペーパーを満たすべきであることを確認した。外相は、ASEMの調整を強化するために、右ペーパーにある提言を検討するようSOMに要請した。外相は、アジア欧州協力枠組みで要請されている通り、ロンドン首脳会合での決定、その後の既存の活動の実施及び新規案件の準備に関する進展を考慮し、2年間の作業計画をレビューし、改訂した。外相は、実施中のASEM活動のモメンタムを維持することへの決意を再確認した。
35.1998年10月のバンコクでのSOM会合での議論を考慮し、外相は、以下のロンドン首脳会合で提案された新規案件を正式なASEM活動として承認すべきとのSOMの提案を承認した。
一文化遺産の振興及び保存に関するASEM専門家会合
一国家と市場に関する会合:経済的及び社会的発展の推進における公的部門と民間部門の役割
一企衆衛生のための伝統及び現代医療の融合についてのセミナー
一ASEM教育ハブ
一労働関係についてのセミナーロンドン首脳会合で留意されたその他の活動提案については、外相は、アジア欧州脇力枠組みに規定されている通り、更なる発展及びSOMによるレビューを慫慂した.
ASEM3及びそれ以降に向けて
36.外相は第3回ASEM首脳会合が2000年10月20~21日にソウルで開催されることを留意した。この会合が次のミレニアムに向けてのASEMのヴィジョンを打ち出す極めて重要であることを認識し、ASEMプロセスのモメンタムを碓持し、バンコク及びロンドンで確立された強固な基礎の上に築かれる実質的な成果を確保するために、外相は、ソウルでの首脳会合の準備に際して、緊密な協力を行うことで意見の一致を見た。外相は、第3回ASEM外相会合は2001年の前半に中国の北京で開催されることで意見の一致を見た。
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