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ASEAN拡大外相会議(ASEAN・PMC)に臨む我が国の姿勢

平成11年7月

 来るASEAN拡大外相会議(ASEAN・PMC;7月27日~28日於:シンガポール)の意義と我が国が右会議に臨む姿勢は以下の通り。

1.今次PMCの基本的認識

 ASEAN 10の実現と明るい兆しの見えるアジア経済という2つの現状を踏まえて、未来志向の明るいトーンを打ち出すべくASEAN諸国及び対話国と協力する。

(1)今次PMCはASEANがASEAN 10を実現して東南アジア全域を包含する地域機構となって初めてのPMC。これまでASEANが地域の平和と安定の実現に果たしてきた役割及び成果にブレッシングを与えると共に、21世紀に向けてASEANが地域の安定勢力として更に発展していくために、ASEAN 10と対話国10カ国・機関が対話と協力を一層推進していく決意を新たにする重要な機会。

(2)経済危機が強く影を落とした昨年のPMCと違い、危機が克服されつつある本年のPMCでは、アジア経済の再生に向けた前向きのメッセージを打ち出し、アジア経済の回復と安定的な発展のためにASEAN及び対話国が協力を推進していくよう呼びかける良い機会。

*ASEANの現状と課題

(1)ASEAN 10の実現
 ASEANは現在までに地域の安定の増進に貢献してきたが、4月のカンボディアの加盟により、設立以来の念願であるASEAN 10を実現。加盟国の拡大によって、政治体制や経済発展段階が違う国々を抱えることになったASEANにとって、結束力の維持と、「ASEANビジョン2020」や「ハノイ行動計画」等を通じた域内協力の推進が今後の課題。

(2)最悪期を脱したアジア経済危機
 経済危機発生後2年を経て、ASEAN諸国の経済には回復の兆しが見られるが、今後の安定的な発展のために経済危機の教訓を踏まえつつASEANが協力を推進していく必要あり。また、ASEAN諸国において貧困層等の社会的弱者問題は依然深刻であり、この問題への対策が必要。

2.我が国の臨む姿勢

(1)ASEAN+10外相会議

(ASEAN10カ国と対話国10カ国・機関との外相会議:10+10)
 (議題案: (A)地域情勢:経済危機、ハノイ行動計画、社会的弱者支援
(B)国際情勢:環境、国境を跨ぐ問題等)

(イ)ASEANが、互いの政治的な体制や価値観の相異を尊重しながら加盟国を拡大し、平和で安定した地域としての東南アジア(即ち、ASEAN 10)を実現したことに対して我が国が祝意と敬意を表明し、ASEAN 10実現の歴史的な意義を強調する。また、アジアの平和と安定のためにASEAN 10との対話を強化することを他の対話国、更には国際社会に呼びかける。

(ロ)経済分野では、我が国は「経済危機」の議題においてリード・オフ役として、通貨・経済危機の教訓を踏まえつつ、アジア経済再生に向けて「10+10」が協力を強化することを呼びかける。

(2)日・ASEAN外相会議(10+1)
 (議題案: (A)地域情勢についての意見交換
(B)ハノイ行動計画
(C)日・ASEAN協力)

(イ)21世紀のアジア・ビジョン実現のための日本の具体的な取組
 「人間の尊厳に立脚した平和と繁栄の世紀」(注)実現に向けて、3つの分野(「アジアの再生を図る」、「人間の安全保障を重視する」、「知的対話を推進する」)で我が国が行っている努力につき、昨年末ハノイで開催された日・ASEAN首脳会議で小渕総理が表明したイニシアティブのフォローアップと合わせて説明する。

(注)昨年12月のASEANとの首脳会議出席の際に行った政策演説にて小渕総理が21世紀のアジア・ビジョンとして提唱。

(ロ)21世紀のアジア・ビジョン実現のための日本とASEAN 10との共同的取組
 ASEAN 10の実現により新たな時代に入ったASEANとの協力関係を更なる段階に押し上げ、アジアの平和とアジアの再生のために日本とASEANが共に努力すべきことをアピールする。8月下旬から9月上旬にかけてASEAN諸国を含むアジア6カ国に派遣される「アジア経済再生ミッション」において、アジア再生のための議論を深め、その提言を小渕総理に提出して、11月末のマニラでのASEAN+日中韓首脳会議につないでいく方針。


(参考)

ASEAN拡大外相会議(ASEAN・PMC)について

1.位置づけと沿革

 PMCは、ASEANとASEANの対話国・機関との年1回の定期的な外相レベルの対話の場。78年6月に日・ASEAN外相会議として開催されて以降、逐次対話国・機関を増やし、現在10カ国・機関と共に開催。

2.PMCの構成

 ASEAN諸国10カ国と対話国10カ国・機関全てが一堂に会する全体会合(「ASEAN+10」会合)と各対話国とASEANとの個別会合(「ASEAN+1」会合;ASEANの中の対日調整国である)とが行われる。全体会合は、94年のARF創設以降、地域安全保障以外の政治問題や経済問題等を討議する場となっている。その他、本年のPMCでは昨年に続きASEAN+日中韓の夕食会も開催される。

3.参加国・機関

 ASEAN諸国(10カ国)、日(78年~)、米、豪、ニュージーランド、EU(79年~)、加(80年~)、韓(91年~)、インド、中、露(96年~)。


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