外務省 English リンクページ よくある質問集 検索 サイトマップ
外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
トップページ 会談・訪問 過去の記録
過去の記録

ASEAN拡大外相会議(ASEAN・PMC)
(概要と評価)

平成11年7月28日

 7月27日及び28日、シンガポールにおいてASEAN拡大外相会議が開催され、先般のカンボディアの加盟により実現したASEAN10と域外対話国10ヶ国との全体会合(10+10)及び日・ASEAN会合(10+1)他が行われたところ、概要及び評価以下の通り。

1.10+10会合

(1)10+10会合では、2年前に発生したアジア通貨・経済危機が最大のテーマとなる中で、アジア経済が回復の兆しを示しているとの認識で一致すると共に、こうした回復の兆しを慎重かつ現実的に見据えつつ必要な改革を進めるべきという前向きかつバランスのとれたメッセージが打ち出された。右は、我が方の事前の各国への働きかけ及び開会直後の高村大臣のリード・オフ・スピーチによるところ大。(高村大臣演説について、議長国シンガポールのタン外務次官は、明確なメッセージを持った良いステートメントであり、各国外相が真剣に耳を傾け、今次会合のトーン・セッティングとなるものとの評価した。)

(2)ASEAN側にとっては、ASEAN10を実現し、「多様性とハーモニー」の下で、その結束を国際社会に示そうとした会合であった。これに対し、欧米諸国も人権問題等の難しい問題を持ち出すことなく、ASEAN10+対話国10が協力を強化していく必要性を強調したことが特記される。

(3)高村大臣よりは、上記スピーチにおいて、ASEAN10実現の歴史的意義及びアジアの安定確保に持つ意味を強調し、ASEAN10を平和のパートナーとして位置づけることを提唱するとともに、我が国のアジア経済再生に向けての積極姿勢をアピールすることで日本の存在感を際立たせることとなった。特に、8月下旬から9月上旬にかけて派遣される「アジア経済再生ミッション」については、アジア再生に向けた我が国の努力に対する高い期待と歓迎の意が表明された。

(4)なお、中国の人民元レート維持の努力について、右政策継続への期待も込めて、数ヶ国より評価する発言があった点が印象的であった。

2.10+1会合

(1)我が国のアジア支援策に対するASEANの評価は、PMC直前に開催されたASEAN閣僚会議の共同声明に「感謝する」との文言が盛り込まれた通り、本会合においても改めて各国より高い評価と謝意が表明された。

(2)高村大臣よりは、今後の日・ASEAN協力において我が国が重視する点として、ハノイ行動計画への協力(特に社会的弱者対策、人材育成、ヘイズ対策を始めとする環境分野、メコン河流域開発といった分野を重視)、ASEAN内の経済格差是正のための協力を挙げ、ASEAN側の評価を得た。

(3)また、高村大臣より、平和のためのコミットメント及びモノ作りの重視と情報化社会到来への対応という2つのフロンティア・スピリットを打ち出し、ASEAN側の全面的賛同と支持を得た。今後、「ビジョン2020日・ASEAN協議会(賢人会議)」及び「アジア経済再生ミッション」を通じて具体化していく方針。

3.その他

(1)高村大臣は、27日の夕食会において、PMCの恒例行事である余興として、自作自演の少林寺拳法の寸劇を行い(事前練習も念入りに行った)、満場の拍手を受けた。

(2)報道振りでは「前ぶれ」記事・ニュースが連日報じられ、カバレッジが多かった。(特にNHK他)


BACK / 目次