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日中外相会談(概要)

平成11年7月26日

 ARF/ASEAN・PMCに出席するためシンガポールを訪問中の高村外務大臣は、26日午前8時(現地時間午前7時)より約1時間にわたって、朝食会形式での日中外相会談を行ったところ、概要次のとおり。両者はこれまでにも何度か会っており、本日の会談も友好的かつ愉快な感じで行われた。

1.小渕総理御訪中について

 大臣より、中国側の尽力により非常に良い訪問となり、日本側として感謝申し上げるとともに、喜んでいる旨述べた。これに対し、唐部長より、「小渕総理の御訪中は重要であり、大成功を収めた。双方の努力が実って、所期の目的を達せられたと考えている。報道も良好であり、(日本語で「良性反応であった。」と補足。)いろんな角度から成功であった」旨述べた。

2.朝鮮半島問題

 大臣より、北朝鮮のミサイルに対する懸念を今回のARFの議長声明にきちっと入れる必要があると考えており、表現はいろいろあると思うが、この点について唐部長の御協力を得たい旨発言。これに対し、唐部長より、「この問題については、これまでも何度かお話ししているとおり、中国の基本的な考え方は次の2点である。第一は、朝鮮半島の非核化を実現するため、中国は各方面の努力をするということ、第二点は、大量破壊兵器の拡散に反対であるということである。こうした観点から、今大臣が述べられた御懸念についても議長声明に盛り込むことについて中国は特に反対しない。ただ、今回韓国は参加しているが、北朝鮮は参加していないので、刺激的な表現は望ましくなく、どういう表現にするかについては相談したい」旨述べた。
 大臣より、昨年8月のテポドンの発射は日本の国民に大きな衝撃を与え、国民感情には厳しいものがある旨説明し、なんとか再発射を阻止するため努力したいと述べたのに対し、唐部長より、「日本国民が本件につき非常に敏感であることはよく承知している。他方、一つ留意すべきは、朝鮮半島情勢が一気に緊張しないようにすべきことである。この点については米国の国務長官にも申し上げた。中国としても現在のところ、諸般の情勢を見つつ、ペリー報告が出されるのを待っている」旨述べた。

3.米中関係

 大臣より、日本として米中が常に良好な関係であるよう強い希望を持っている旨述べ、そういう観点から昨日の米中外相会談の状況を教えて欲しい旨発言。
 これを受けて、唐部長の指示により廬樹民北米大洋州局長より以下のとおり説明。
 最近、日本を訪問したが、その時に外務省の方々から米中関係について聞かれ、関心の強さを実感した。第一の議題として、在ユーゴの中国大使館爆撃事件とそれに関連する米中関係について突っ込んだ意見交換が行われた。まず、唐部長より、中国の原則的立場を述べ、米国が中国の立場を真剣に考慮するよう求め、中国政府及び人民が納得できるような説明を求めること、そうすれば、両国の関係は改善されるであろう旨述べた。これに対し、オルブライト長官よりは、米国はこれまでも真剣に対応してきたし、これからもそうするという発言があり、双方は、米中関係を共に重視し、その点のため、努力をするという認識で一致した。
 第二の議題は台湾問題であり、唐部長より中国にとっても台湾問題の重要性を説明し、米中関係においても重要かつ敏感な問題は台湾問題である旨発言。「オ」長官より、米国は、米中の3つのコミュニケ(上海コミュニケ、正常化コミュニケ、82年武器供与コミュニケ)及び米国側がこれまで公にしてきた原則に基づき、台湾問題を処理する旨発言。一つの中国政策、三不政策についても「オ」長官から発言があった。これに対し、唐部長より、この米国側の態度表明を重視しており、米国は行動をもって言ったことを示すことが重要である旨発言した。
 唐部長より、米中外相会談の最後に、唐部長より今回の会談は有益かつ積極的であった旨の評価を述べたところ、オ長官も同感であると述べた旨紹介があった。

4.ARFについて

 唐部長より、今回のARFにおいては、何か特に重要なテーマはあるかと質したのに対し、大臣より、自分としては、予防外交が一つの重要なテーマであると考えている旨述べ、予防外交という言葉は当事者によってその期待するところが違うので、その概念について定義付けを行うとともに、一つ一つの現実的な具体的な問題について協議をするということが必要である旨述べた。これに対し、唐部長より、その点についてはそれほど認識に齟齬がないとの発言があり、具体的には、南さ問題について、フィリピンは性急に予防外交を推進すべきと言っているが、ASEAN諸国の中でも、早急に推進すべきと言っている国は多くないとの発言があった。

5.海の問題

 大臣より、前回北京での日中外相会談でも取り上げた問題として、日中間の海の問題、つまり、漁業問題と海洋調査船等の海洋法に関わる問題について中国側としても日本側の主張を理解していただき、きちんと対応して欲しい旨述べた。これに対し、唐部長は、主に漁業の問題について答え、早く次の公式協議をやるべきである。自分も陳農業部長(ママ)と話をしており、一国も早く決着すべきである旨発言。また、水産関係当局間においては協議の場だけではなく、もっと幅広く交流して、お互いの事情を理解すべきである旨発言があった。



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