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ASEAN拡大外相会議(PMC;7月28日及び29日、於:KL)
(概要と取りあえずの評価)

 7月28日及び29日、クアラ・ルンプールにおいてASEAN拡大外相会議が開催されたところ、右概要及び取りあえずの評価以下の通り。

要旨

  1. PMCそのものではとりあげられなかったものの、ARF、諸々のバイ会談等では、カンボディア問題が大きなテーマとなり、プレスの関心も極めて高かった。この結果カンボディア問題の平和的解決に向けたASEANの調停努力に引き続き期待するということで域外国を含めて合意されたことは一つの成果。

  2. カンボディアの加盟は実現しなかったものの、ラオス、ミャンマーが新規加盟を果たし、ASEANが新たな段階を迎えたという意味で、歴史的な意義を持つ会合となったが、他方、カンボディア問題への対処を含め、ASEANの今後の役割と限界を強く認識させる会合であった。

  3. また、ASEANの域内協力の動きに対しては、域外国からも強い関心が示された。

  4. 日・ASEANの今後の関係強化については、1月の橋本総理のASEAN訪問を受け、今後12月の日・ASEAN首脳会議に向けて、日・ASEAN間で更に作業を進めることで議論が一致した。

  5. PMC(特にASEAN+10会合)では、議論が拡散したり、多様なメンバーの間での意見の集約が困難となっていく惧れがあり、これに対する今後の対応を検討する必要がある。

1.総論

 ASEANがラオス、ミャンマーを新規加盟国として迎え入れると同時に、カンボディアでの武力衝突(7月5日)及びASEANによる調停努力を始めとする国際社会の対応が揺れ動く中で行われるというタイミングで開催されたことは、創立30周年を迎えるASEANにとり、またASEANと域外国との関係にとり、大きな節目であった。
 今次一連の会合に対するプレスの関心も極めて高く、新規加盟国を迎えた今後のASEANのあり方につき、カンボディア問題への対応を一つのテスト・ケースとして捉える論調が多かった。会議の場で、ASEANの今後の役割につき突っ込んだ意見交換がなされたわけではないが、拡大されたASEANが地域・国際問題に役割を果たすことを期待するとの意見が多く、またASEANと対話国とのバイの会談でもASEANとの関係強化を一層進めたいとの意欲が示された模様である。

2.カンボディア、ミャンマー問題の議論(7月30日現在)

(1)カンボディア問題
 ARF議長声明において、「カ」情勢への懸念、「カ」がASEANの努力を歓迎したことに留意し右努力を支持する旨が盛り込まれたことを受け、PMCにおいてはそれ以上突っ込んだ議論は行われなかったものの、合同記者会見やこの機会に行われた二国間会談等の場を通じ、事態の平和的解決に向けたASEANの調停努力に引き続き期待するということで域外国を含め合意があったことは重要な成果であった。

(2)ミャンマー問題
 カンボディア問題の陰に隠れた感があったが、ASEANに加盟したとの現実を踏まえ、域外国から、ASEAN加盟を歓迎しつつ更なる民主化や人権尊重などの努力を引き続き求めるとの意見が多く見られた。

(3)我が国の今後の対応
 カンボディアについては、同国の政治的安定に向け、ASEANの調停努力を期待しつつ、「カ」の当事者に対する働きかけを引き続き行っていくこととしており、またミャンマーについては、ASEAN加盟を契機に民主化の進展、人権状況の改善について更なる努力を求めていくこととしている。
 ASEANが東南アジア地域全体を包含する協力体となることは、この地域の安定化に資すると期待され、基本的に歓迎するものであり、地域及び国際社会においてASEANが一層積極的な役割を果たしていくよう、我が国としてASEANの主要国に対して働きかけていくことも重要であろう。

3.人権問題

 人権問題に関し、会議の場では特に大きな議論とはならなかったが、記者会見の場でASEAN側から世界人権宣言及び国際人権規約を見直すことも必要であるとの言及があり、米、EUなどから人権の普遍性を強調しつつ批判的な意見が表明された。

4.経済

(1)ASEAN地域協力
 地域協力の進展に域外国の高い関心が示された。ASEAN自由貿易地域(AFTA)、ASEAN産業協力(AICO)、ASEAN投資地域(AIA)といったASEAN側の協力体制の進展に対し、域外国からは、域外国にも利益となるものとして進展していくことへの期待とともに、これらの協力体制が多角的自由貿易体制の補完・強化となるようにとの要望が表明された。

(2)東南アジア諸国の通貨問題
 本件も議論となり、ホスト国マレイシアのマハディール首相が対話国外相の表敬の際などに、ジョージ・ソロス氏の名を挙げつつ、その投機・通貨操作を強く批判した。いくつかのASEAN諸国からも、投機的な動きに共同して対抗していく必要があるとの発言があった。これに対し米国はPMCの場や合同記者会見において、一投機家によるものとの見方を退け、ASEAN経済の成功と資本市場の開放の結果引き起こされた問題であると強調するとともに、ASEAN経済の成長に対する期待を表明した。

5.日・ASEAN首脳会議

 12月に予定されている日・ASEAN首脳会議について、「ASEAN+1」会合の場で池田大臣より、1月の橋本総理のASEAN訪問の際に総理が提唱し各国首脳の賛同を得た3つのイニシアティブ(対話の強化、多角的文化協力、地球規模問題における協力)を中心に、サブスタンスの面での我が国の考えを説明した。
 また日程に関してASEAN側から、12月16日に日・ASEAN首脳会議を開催し、その前日である15日にASEAN及び日中韓首脳会議を開催する予定であるとの説明があった。

(参考)

1.「ASEAN+10」会合

(1)28日(月)午前、ASEAN及び10対話国が出席
(2)議題
ASEAN地域協力
国際政治問題(ARFの議題(地域安全保障)と重複しない中東情勢、欧州情勢)
国際経済問題(APEC、WTO、デンヴァー・サミット)
地球規模問題(麻薬、環境、テロ)

2.「ASEAN+1」会合

(1)29日(火)午前、ASEAN及び日本が出席
(2)議題
国連改革
日・ASEAN首脳会議

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