川口外務大臣とパウエル国務長官の会談
(概要)
平成14年9月18日
川口外務大臣は、ワシントン時間17日16時30分から約20分間パウエル国務長官と会談した。
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【同席者】 |
米 側: |
ケリー次官補、ラフルール次官補代理及びモーラー日本部長 |
日本側: |
加藤駐米大使、藤崎北米局長、藪中アジア太平洋局審議官、宮島北米第一課長 |
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【会談概要】
1.北朝鮮
川口大臣より、日朝首脳会談での拉致の話、核、ミサイル等についてやりとりを説明し、平壌での総理による記者会見の内容を説明し、核疑惑等安全保障上の問題は引き続き国交正常化交渉の中でやっていく、対話の進展を期待している、経済協力については国交正常化の後であるとの趣旨の説明を行った。また、日米韓の連携が引き続き重要であると述べた。これに対しパウエル長官は、非常に注意深く頷きながら聞きつつ、小泉総理の訪朝に対して支持と歓迎の意を表明し、また、拉致の話については、「残念だ(so sorry)。家族にくれぐれもお悔やみを(condolence)を伝えて欲しい」と述べた。右以外、パウエル長官からは特段のコメントはなかった。
2.イラク
(1) |
川口大臣より、ライス補佐官にも伝えたが、今回のイラクの動きは第一歩だと受けとめているが、実際に査察がどのように実施されていくようになるのかを見極めなければならない、また、ブッシュ大統領が国連演説で述べたが、これから国連決議がどのようになっていくのかということもみなければならないと述べた。
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(2) |
これに対しパウエル長官より、ニューヨークでも実はイラクの安保理決議について議論をしてきた、確かにイラク外相からの書簡は出ているが、まさに今イラクに対して働きかけをしっかりしなければならないと述べた。
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(3) |
川口大臣より、自分もイラク外相と話したが、(先方は)なかなか説得はされなかったとの話をした後、最後に、イラクに対して今一層の圧力をかけ、働きかけを続けていかなければならないとの点につき意見が一致した。 |
3.中東和平
(パウエル長官が同17日午前中出席していたニューヨークでの四者協議との関連で)川口大臣より、中東和平の今後の道筋についてのロードマップのようなものを発表すると聞いているがどうかと質したところ、パウエル長官より、まだ正式に公表したわけではなく、今まさに作業を行っているところであると述べた。川口大臣より、日本もパレスチナの国造りのために米国とも協力しつつ努力したいと述べ、パウエル長官より、今回ニューヨークで発表された声明の中に、パレスチナ改革のためのタスクフォースの努力を歓迎するとの表現が盛り込まれている旨の紹介があった。
4.日米安保
川口大臣より、沖縄県民の負担軽減、事件事故の防止を図ることが重要であり、使用期限問題について、日米双方の立場はあるが、引き続き普天間飛行場の移設返還を含むSACOの着実な実施に向け協力したいと述べた。これに対し、パウエル長官より、その通りであり、普天間飛行場の移設返還を含めたSACO最終報告の着実な実施に向け協力したいとの発言があった。
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