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会談・訪問
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川口外務大臣
国連総会の際の日露外相会談
(概要)
平成14年9月16日
(於:ニューヨーク)
現地時間9月15日14時25分から15時10分まで45分間、川口外務大臣とイワノフ・ロシア連邦外相との間で日露外相会談が行われ、1.今後の政治対話等、2.平和条約交渉、3.北朝鮮、4.イラク情勢についてやりとりがなされたところ、概要以下のとおり。
1.今後の政治対話等
(1)
小泉総理の訪露を2003年1月に実施することで合意。
また、川口大臣より、総理訪露に向け、行動計画の作成作業の加速化が必要であり、大臣訪露の際に具体的かつ突っ込んだ意見交換をしたい旨発言。
(2)
10月の大臣訪露の際、9月14日にフリステンコ副首相との間で日露貿易経済政府間委員会を開催することで合意。
イワノフ外相より、大臣訪露を楽しみにしており、その際に二国間の諸問題及び国際問題について意見交換を行いたい旨発言。
(3)
その他以下の事項につきやりとりが行われた。
(イ)
京都議定書につき川口大臣より、ロシアの早期締結を希望する旨伝え、具体的な締結時期を尋ねた。これに対しイワノフ外相は、政治的決断は既になされており、国内手続きを進めている、具体的な締結時期は大臣訪露の際にも明らかにしたい旨応答。
(ロ)
川口大臣よりガモフ国境警備庁ユジノサハリンスク支部長夫人の退院につき言及したのに対し、イワノフ外相は日本側関係者への謝意を表明した。
2.平和条約交渉
(1)
川口大臣より、8月末のタウンミーティングで対露政策につき話したこと、その後根室を訪れ北方領土を視察し旧島民と話す機会を持ったことを紹介しつつ、イワノフ大臣と協力して日露平和条約を一日も早く締結し、日露関係を正常化したいとの決意を新たにした旨述べた。更に、日露関係の発展の可能性の大きさを指摘した。
(2)
これに対しイワノフ外相は、日露関係が発展する余地は十分ある、日露関係強化は日露のみならず、東アジアの安定にとり大きな意義がある旨発言。
(3)
更に川口大臣より、四島の旧島民から詳しく話を聞いた、訪露の際に平和条約問題につきじっくり話し合いたい旨述べたのに対し、イワノフ大臣は、この問題につききちんと大臣間で話をすることは重要である、あらゆる分野において日露間の発展の潜在的可能性が広がっている旨応答。
3.北朝鮮
(1)
イワノフ外相より、9月17日の小泉総理訪朝は大変大切な機会であり、成功をお祈りする、これが日朝関係改善に繋がることを期待する旨発言。
(2)
川口大臣より、小泉総理の決断へのプーチン大統領よりの強力な支持を多とする、日露間でも北朝鮮について頻繁に意見交換することが大事である旨発言。
(3)
イワノフ外相より、金総書記との政治対話確立が重要である、とした上で、金総書記については誤ったイメージがあるが、政策や情報によく通じているとの印象を受けた、金総書記は北朝鮮が現代国家となる重要性を認識している、市場経済化への動きについて政権内で全員が一致しているわけでないので、金総書記を応援することが大切である旨述べた。また、南北対話に加え、日朝、米朝間の対話進展の重要性を指摘した。
4.イラク情勢
(1)
川口大臣より、イラクは焦眉の国際問題である、9月14日イラク外相と会談し、査察受け入れ及び国連諸決議の遵守の必要性を申し入れたが、引き続き働きかけを続けたい、ロシアとしてもP5の一員として引き続き外交努力をお願いしたい旨発言。
(2)
これに対しイワノフ外相より、ロシアとしてもこの問題について関係国と話し合ってきている、イラクによる査察受け入れが重要であり、これをイラクに促していくことが軍事衝突を含めた国際的混乱を避けるために重要である旨発言。
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