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川口外務大臣


川口外務大臣のパキスタン・インド訪問
(概要)

平成16年8月20日



1.滞在日程

8月11日(水) (イスラマバード着)
 フセイン首相表敬
 ムシャラフ大統領表敬
 カスーリ外務大臣と日パ外相会談/ワーキングランチ
 アジズ大蔵大臣との会談
 在留邦人との夕食会
12日(木) (イスラマバード発 デリー着)
 ナトワル・シン外相と日印外相会談/ワーキングディナー
13日(金)  ディクシット国家安全保障顧問との会談
 FICCI主催昼食会(Keynote Speech)
 アドヴァニ野党下院議員団長表敬
 マンモハン・シン首相表敬
 在留邦人との夕食会
(デリー出発)
14日(土) (東京着)



2.パキスタン

 今次訪問は、テロとの闘いなどにおいて不可欠の役割を果たしているパキスタンとの関係を強化する契機とすることを目的。両外相は、二国間関係強化、テロとの闘い、軍縮・不拡散問題等、幅広い分野につき率直な意見交換を行い、各分野で進展が見られた。主な成果は以下のとおり。

(1) 二国間関係
 今回の訪「パ」は川口大臣の初の公式訪問であり、日「パ」を実現できたこと自体、日「パ」友好関係にとり重要。
 5月の新聞投稿に続き、川口大臣自ら(イ)テロとの闘いで「パ」の役割にとって代わる国はない、(ロ)ムシャラフ大統領の「穏健で近代的なイスラム国家」建設に向けた「見識ある節度(enlightened moderation)」路線を支持する、とのメッセージを伝達。カスーリ外相から、わが国の支援等に対し感謝を表明(OEF-MIO参加の「パ」艦船への自衛隊による給油支援等)。
 次官級政務協議の開催、来年2月にカラチで開催予定の民間人交流対話への支持等に合意。安保協議、ハイレベル経済協議の継続も確認。川口大臣はカスーリ外相の訪日を招請(「パ」側は11月を希望)。

(2) 経済・経済協力
 対「パ」支援の具体策としての円借款再開検討を表明(98年の核実験以前の状態に回復)。カスーリ大臣より、謝意表明。カスーリ大臣より経済協力ミッションの派遣を要請し、川口大臣より前向きに検討する旨応答。

(3) 軍縮・不拡散
 川口大臣より軍縮・不拡散強化に関する我が国の立場を強く申し入れ、両外相は本件への対応の重要性につき一致し、カスーリ外相は核関連技術流出問題について我が国を含め国際社会と引き続き協力していく旨表明。軍縮・不拡散協議の開催も合意。

(4) 表敬等
(イ) ムシャラフ大統領表敬
 ムシャラフ大統領より、「見識ある節度(Enlightend Moderation)」につき詳しく説明し、日本の各種支援に大変感謝している旨発言。また、核関連技術流出問題については、引き続き対処していく旨、また関連情報につき日本側と共有していく旨言及。
 川口大臣から、軍縮・不拡散分野における努力を引き続き強化して欲しい旨応答。

(ロ) アジズ大蔵大臣との会談
 アジズ大蔵大臣より、日本の経済協力に対する謝意と、円借款再開へ向けた検討開始を歓迎する旨表明。

(5) 広報
 パキスタン国内での広報効果は絶大。各紙とも大きく報道。また、共同ぶら下がり、邦人との夕食会などを通じた円借款再開検討の広報は、日本のビジネス界にも両国政府の日「パ」経済関係強化の意気込みのシグナルとなった。


3.インド

 インドにおける5月の新政権発足後我が国の閣僚としては初めて、また川口大臣は外務大臣として昨年1月以来2度目の訪印となった。川口大臣は、会談の冒頭、日本は外交政策上、インドをアジア地域、さらには国際社会の平和と安定、繁栄に欠かせない主要大国の一つとして明確に位置付けていることを伝えるとともに、グローバル・パートナーシップを一段高いレベルに引き上げるべく共に協力していくことを提案し、ナトワル・シン外相の賛同を得た。主な成果は以下のとおり。

(1) 国連改革に向けた日印協力
 安保理常任理事国入りにつき相互支持。近く国連改革に関する局長級協議を開催することにも合意。

(2) 経済関係
 日印経済関係の抜本的強化のための共同研究グループ(JSG)を近い将来の日印首脳会合の際に合意出来るよう準備を開始することに合意。
 また、川口大臣は、インド商工会議所連盟(FICCI)において、対印投資の問題点、日印経済関係の強化の必要性等に焦点を当てた「Trading in Analog for Optical Fiber: The Future Direction of Japan-India Economic Relations」と題するスピーチを行い、好評を博した。

(3) 経済協力
 インド新政権の経済・開発政策及び我が国ODAに期待する重点分野につき説明を受け、引き続きインドとの経済協力を継続していく旨表明。シン外相よりは、デリー・メトロを例に挙げて我が国ODAがインドのインフラ整備に役立っており感謝している旨発言。

(4) 首脳レベル対話
 インド側より、小泉総理の訪印招請あり(我が方よりは、シン外相の訪日を招請中)。

(5) 幅広い対話
 国連改革に関する局長級協議、テロ対策作業部会、輸出管理に関する専門家協議の設置・開催に合意。インド側よりは、既存の対話の枠組み(貿易協議、外務次官級政務協議、エネルギー協議等)の継続要望があった。

(6) 軍縮・不拡散
 川口大臣よりは、改めて全ての国のNPT加入、CTBT署名・批准を希望するとの立場を表明するとともに、弾道ミサイルの開発・発射実験・配備の自制を求めた。シン外相よりは、差別的との理由でNPTに参加しないとの従来の立場の表明がある一方、カット・オフ条約については、前向きな発言あり。

(7) 地域情勢に関する対話
 シン外相より、日印両国はアジアの二大大国として全てのアジア諸国を含む幅広い協力関係につき議論していくことを提案。川口大臣よりは、東アジア・コミュニティーの形成につき、機能的協力を軸に進めるべきとの考えを提示。また、印「パ」間の対話の進展を歓迎。

(8) 表敬等
 13日午後、川口大臣は、マンモハン・シン首相を表敬し、両国の経済関係強化等につき意見交換。マンモハン・シン首相よりは、デリー・メトロの支援に感謝する発言あり。
 その他、川口大臣は、J.N.ディクシット国家安全保障顧問、アドヴァニ野党下院議員団長と会談を行った。

目次


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