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川口外務大臣


川口大臣のエジプト、チュニジア訪問
(概要と評価)


平成15年10月29日


  1. 今次訪問の概要
     川口外務大臣は、25日から29日までエジプト及びチュニジアを訪問し、両国政府要人と会談を行った。また両国において、我が国との経済・文化協力案件の署名を行った。

  2. 会談を行った要人
    (1) エジプト
      ●ムバラク大統領(27日午前)
      ●オベイド首相(27日午前)
      ●マーヘル外相(26日午前)
      ●ガリ対外貿易相(27日正午)
      ●アブルナガ外務担当国務相(27日午後)
      ●ムーサ・アラブ連盟事務総長(26日正午)
    (2) チュニジア
      ●ベン・アリ大統領(28日午前)
      ●ガンヌーシ首相(29日午前)
      ●ベン・ヤヒア外相(28日午前)


  3. 会談におけるポイント
    (1) イラク問題
      川口大臣より、イラク復興国際会議の結果を踏まえ、我が国のイラクに対する資金援助、人道・復興支援を目的とする自衛隊の派遣等についての方針を説明し、両国より理解を得た。また、イラクを破綻国家にするわけにはいかず、テロ事件に屈せず支援を進める考えを表明するとともに、治安の回復が急務であり、そのためにも民政安定のために国際社会がイラク復興に向けて努力を結集する必要があること、イラクの隣国であるアラブ諸国の支持・協力を呼びかけた。
      両国からは、現状でイラク支援に協力するイラク問題に関する国連の役割の強化とイラク国民による早期の政権樹立の重要性、及びそこに至る道筋の明確化の必要性につき強調されると共に、現状でイラク復興支援に協力する際のセンシティビティの問題の説明があった。
      また、両国より、日本とエジプトとの対イラク合同医療支援を評価し、イラク復興のための三角協力の推進と拡大に多大の関心が示され、大臣もその重要性を確認した。
    (2) 中東和平問題
      大臣は両国との間で、中東和平を危機的状況から脱却させるためには、イスラエル・パレスチナ双方の真剣・大胆な努力と米国を始めとする国際社会の積極的関与が重要であるとの認識で意見の一致を見た。問題の根幹は「治安」問題ではなく「占領」問題であるとの指摘がなされた。
      また大臣より、我が国のパレスチナの改革や人造りのための支援、双方の信頼醸成のための努力を説明し、両国から高い評価を得た。両国とも、我が国との意見交換、三角協力を通じた人造り面での協力に積極的姿勢を示した。
    (3) 文化・知的対話
      大臣よりエジプトに対し、「日本・アラブ対話フォーラム」第1回東京会合の成功に触れ、第2回アレキサンドリア会合に対する期待が表明された。また大臣より、「文化交流・対話ミッション」の提言を待って、文化交流・知的対話を一層促進したい旨述べ、両国もその必要性に賛同した。
      またチュニジアに対しては、大臣より、女性交流を含め、交流分野の拡大を提唱し、チュニジア側もこれを歓迎した。
    (4) 二国間関係の強化
      大臣よりエジプトに対し、特に本年5月の小泉総理訪問以降、両国関係が更に緊密化され、総額2億ドルの経済協力案件も順調に進展していることは喜ばしい旨述べ、エジプト側より日本の協力に対する高い評価と感謝が表明された。またチュニジアに対しては、シニア・ボランティアの派遣を含め、引き続き人造りに積極的に協力していく旨述べた。
      大臣より両国に対し、TICAD IIIのフォローアップ及び三角協力の推進の重要性につき述べ、両国より日本のイニシアチブに対する評価と三角協力への期待が表明された。
      なお、エジプトでは風力発電計画に対する円借款供与、チュニジアでは障害者連盟に対する機材提供に関する文化無償供与についてのE/N署名がそれぞれ行われた。
  4. 今次訪問の評価
    (1) 全般
       今次訪問は、本年4月から5月にかけて行われた川口大臣の中東訪問(ヨルダン、イスラエル、パレスチナ自治区、シリア)、5月の小泉総理の中東訪問(エジプト、サウジアラビア)、に続く我が国ハイレベルの中東訪問であり、我が国の対中東外交重視の姿勢を強く打ち出すことが出来た。エジプトへは4年ぶりの、チュニジアへは初の我が国外相の訪問であり、両国は最大限の歓迎。
    (2) イラク問題、中東和平問題
       アラブ諸国を代表する政治的影響力を有するエジプト、北アフリカにあって穏健的立場をとるチュニジアとの間で、中東和平問題、イラク問題等につき、一層の意見交換及び協力強化の重要性で意見の一致を見た。イラク問題における我が国の基本的方針に対し、両国より好意的理解を得ることが出来た。また、アラブ諸国が直面する二大問題につき両国とも首脳との間で忌憚のない意見交換ができたことは有意義。また、両国とも日本の政治的役割への強い期待、三角協力を通じた具体的協力推進に強い意欲を示していた。
    (3) 文化・知的対話
       相互理解は異なる文化に対する尊敬と理解を基本とするものであり、エジプトとの間で、5月の総理の中東訪問の際に表明した「アラブ・イスラム諸国との対話」を継続させていく重要性について合意した。チュニジアとの間でも、女性交流・地方交流を始めとする幅広い交流の推進を図ることで一致。
    (4) 二国間関係の強化
       エジプト及びチュニジアより、我が国の経済協力に対する高い評価と我が国との経済交流拡大への期待が表明された。また、TICAD IIIのフォローアップを含め、政治・経済・文化等の幅広い分野におけるハイレベルの対話が行われたことで、我が国と両国との二国間関係に新たな推進力が与えられた。
                                  


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