(1) |
開発のオーナーシップの重要性が強調される中で、経済のファンダメンタルズ(マクロ経済、為替及び金融政策)にきちんと取り組むことの重要性が指摘された。
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(2) |
開発経験を振り返る中で、人材育成が開発の鍵となってきたこと、貿易と投資の連携が東アジアの経済発展の特色であること、開発という目標に向けて経済改革がエンジンとなり、その過程でODAとともに貿易と投資と金融を総合的に活用していくことの意義が改めて指摘された。
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(3) |
特に2001年の9月11日以降、平和と安定が経済開発の前提となっていることの認識が深まっていることが強調された。現在地域が直面する問題として、グローバリゼーションの負の側面への対応として貧困削減、社会的弱者への配慮が必要であり、この面でもODAが活用できることが指摘された。
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(4) |
地域的視野から見た開発課題への対応や、地域としての開発協力のあり方についても議論が及ぶ中で、様々に展開する地域協力のイニシアティブも取り上げられた。特に、地域最大の関心である域内格差の問題との関連で、ASEAN側の自主的取り組みとして展開する例として、ASEAN統合イニシアティブ(IAI)に対する支援への期待が表明され、IDEAはこうした地域協力を後押しするものとしての期待が寄せられている。東アジアにおける南南協力及び三角協力の重要性についても指摘された。
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(5) |
日本ODAに対しては今回、ASEAN、中国、韓国のいずれからも高い評価と多くの期待が寄せられ、ODAのレベルを少なくとも維持してほしい、という強い希望が述べられた。これに対しわが方からは、ASEANを中心とする東アジアの開発に対する日本のコミットメントを改めて確認し、日本としても構造改革に努めること、透明で、有効的かつ効率的なODAの活用を含めて、協力していきたい旨述べた。
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(6) |
市場アクセス改善(特にLDC産品)、研究開発支援、南北対話(中国:途上国が犠牲となってはならない)、インフラ開発国際基金構想(マレイシア)、地域・国際レベルの良い統治(マレイシア:IMF等国際金融機関の意思決定の透明性と途上国の参加)、財・サービスの共通の基準に向けての域内協力等にも言及。
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(7) |
川口議長総括:川口議長よる今次会合総括の発言概要以下の通り。
(a) |
開発における自助努力とパートナーシップの重要性。その要素として、人材育成や能力開発、貧困削減や社会的弱者への配慮、域外からの協力を得て開発資源を動員し(注:この関連で議長よりIT、WTOにも言及)、国際社会とパートナーシップの中で開発を推進していくべきとの観点を指摘した。
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(b) |
包括的開発アプローチの重要性。ODAと民間セクター(貿易・投資・NGO)との連携を進めるべきこと、また開発を実効的たらしめるための環境整備の要素として、グッド・ガバナンス、制度整備、インフラ整備、紛争予防、説明責任や透明性といった要素の重要性を指摘した。 |
(c) |
開発の補完性と相乗効果。東アジアに特徴的な南南協力や三角協力が地域協力を補完し促進してきたこと、こうした協力が域内格差是正に果たしてきた役割に言及した。 |
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