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川口外務大臣


川口外務大臣のアフガニスタン訪問
(概要と評価)

平成14年5月2日


1.概要

(1) 川口外務大臣は、5月1~2日の日程でアフガニスタンを訪問した。

(2) 会談相手、視察先は以下の通り。
(イ)会談先
 ・アルサラ暫定行政機構副議長兼蔵相
 ・カルザイ暫定行政機構議長
 ・アブドッラ外相(会談に加え、共同記者会見、夕食会も行った。)
 ・マッコールISAF司令官
 ・ブラヒミ・アフガニスタン担当事務総長特別代表、
 ・シマサマル暫定行政機構副議長女性問題担当大臣
 ・ザ-ヒル・シャー元国王
(ロ)視察先
 ・アフシャール女学校
 ・草の根無償資金協力署名式
 ・NGOとの懇談会
 ・地雷除去現場


2.主要会談概要

1.カルザイ議長との会談
(1) 川口大臣より、カルザイ議長のこれまでの取り組みを評価しつつ、緊急ロヤジェルガに対する支援や教育分野での支援を説明するとともに、麻薬撲滅に断固たる態度を取る同議長への支持を表明した。復員兵を登録し、職業訓練等を通じ社会に適切な貢献を行うという「Register For Peace」プロジェクトの策定を考えており、後日事務レベルで詳細を協議したい旨述べた。
(2) カルザイ議長は、教育が非常に重要である旨、日本の協力を期待している旨述べた。また、25日の川口大臣の外国特派員協会におけるスピーチは現在注意深く読んでいるが素晴らしい内容である旨述べた。

2.アブドラ外相との会談
(1) 川口大臣より、緊急ロヤジェルガに対する支援、麻薬、復員や地雷分野への協力など日本の取り組みに言及しつつ、「アフガニスタンにおける平和の定着構想」を説明した。特に、「Register For Peace」プロジェクトの策定を考えている点につき強調した。また、アブドラ外相の周辺国との良好な関係構築へ向けた努力を評価する旨述べた。
(2) アブドラ外相は、川口大臣のスピーチは包括的で重要な内容である、従来よりの日本からの支援に感謝する、緊急ロヤジェルガに向けてアフガニスタンは全体として良い方向に進んでいる旨述べた。また、パキスタンやイラン等の近隣諸国は、過去の歴史から学びアフガニスタン安定のための行動を取ることが重要である旨述べた。
(3) 最後に、川口大臣より、アブドラ外相から提案されていた日本における外交官研修につき、2002年度より5名受け入れる旨表明したところ、アブドラ外相は感謝の意を表明した。

3.アルサラ蔵相
(1) 川口大臣は、緊急ロヤジェルガに対する支援、麻薬、「Register For Peace」、地雷分野への協力など日本の取り組みに言及しつつ、「アフガニスタンにおける平和の定着構想」を説明した。
(2) アルサラ蔵相は、「アフガニスタンにおける平和の定着構想」を評価すること、治安分野での支援表明を歓迎すること、コミュニティの再建は開発を進めていく上で極めて重要であること、経常予算に対する支援の重要性につき述べた。

4.ザーヒル・シャー元国王への拝謁
(1) ザーヒル・シャー元国王より、川口大臣の訪問を歓迎する、69年の天皇皇后両陛下(当時皇太子妃両殿下)のアフガニスタン訪問及び71年の自分の日本訪問を鮮明に覚えていると述べた。また日本よりの支援に感謝している旨述べた。
(2) 川口大臣より、同元国王の帰国はアフガニスタン再建に建設的な影響を与えるだろう、50年前に戦後復興を遂げた日本としてアフガニスタン国民への支援を今後とも行いたい、同元国王が招集する緊急ロヤジェルガの成功を祈っていると述べた。

5.シマサマル女性問題担当大臣との会談
(1) 川口大臣は、女性問題は非常に重要であり、日本としても、ジェンダー専門家の女性問題担当省への派遣、女性教師の研修受入等の支援を行う旨述べた。
(2) シマサマル副議長兼女性問題担当大臣は、日本からの援助に感謝する旨述べ、女性意識の向上のため刊行物を作ろうとしていることなどを述べつつ、女性問題担当省の現在の取り組みにつき紹介した。

6.ブラヒミアフガニスタン担当国連事務総長特別代表
(1) 川口大臣は、ボン合意の生みの親と言えるブラヒミ特使への支持・支援を確認するとともに、DDR(動員解除・武装解除・社会復帰)への取り組みを加速化させる必要があり、日本としては、平和にコミットする復員兵を登録し、職業訓練等を通じ社会に適切な貢献を行うという「Register For Peace」プロジェクトの策定を考えている旨述べた。
(2) ブラヒミ特使は、川口大臣のスピーチを大変気に入っている、DDRに関する日本のイニシアティブを歓迎する旨述べた。


3.評価

(1) 川口外務大臣の最初の外遊先としてアフガニスタンを選び、時期的にもアフガニスタンの政治的安定に重要な意味を持つ緊急ロヤジェルガ開催1ヶ月前に訪問の上、日本がアフガニスタンの和平と復興に引き続き大きな役割を果たしていくことを明確に伝達したことはアフガニスタン暫定政権に一様に高く評価された。

(2) また、ブラヒミ代表も各国の外務大臣として初めてカブールで一泊されたと述べており、女学校等の視察や多数の会談は日本が大臣の下、現場の声を踏まえ、アフガニスタン国民の主体的努力を支えていくとの姿勢を明確にしたものと思われる。日本の実施策として、4月25日に発表した政治プロセスへの協力、治安への協力、人道・復興への協力の3本柱からなる「アフガニスタンにおける平和の定着構想」は廣く知られるとともに高く評価されていた。特に人道・復興支援に加えて、緊急ロヤ・ジェルガを控え、政治プロセスと治安への協力を明確に打ち出したことは、アフガニスタンの安定を促していく上で意義が大きいと感じられた。この意味で今回新たに提案した「Register for Peace」構想の着実なフォローアップが重要である。

(3) 訪問中、アフガニスタンで活動している日本のNGOとの懇談会をもったことはNGO側にも高く評価された。これをきっかけに今後在アフガニスタン大使館が定期的にNGOとの連絡会を開催することとなっており、NGOとの連携が一層密接になることが期待される。


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