G8外相会合の際の日露外相会談 結果概要
平成16年5月15日
14日現地時間午後4時40分過ぎより約30分間、ワシントンにおいて川口外務大臣とラヴロフ外務大臣の間で、ラヴロフ外務大臣の就任後初の日露外相会談が行われたところ、概要以下のとおり。(ロシア側からはキスリャク外務次官、クズネツォフ外務省政策企画局長他、日本側からは西田外務省総政局長、高島外務報道官、小松欧州局長、松田欧ロ長他が同席。)
1.今後の外交日程
会談の結果、川口大臣が6月23日から25日までロシアを訪問することで合意した。また、今年6月のシーアイランドG8サミット及び11月のチリAPECの際に日露首脳会談を行うことを再確認した。
2.領土問題
(1) |
川口大臣より、先般4月中旬の森前総理とプーチン大統領の会談において、プーチン大統領より、領土問題は日露関係にとっての障害であり、障害は取り除かなければならないとの発言があったことを指摘した上で、日本側はこの発言に大変勇気づけられている、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するということがこれまで日露間において何度も共通の認識として確認されてきており、ラヴロフ大臣と自分(川口大臣)もこれを土台として今後しっかりと交渉したい旨述べた。
|
(2) |
これに対しラヴロフ大臣より、領土問題を解決して平和条約を締結するということは日露両国の国益に合致している、日露間の「行動計画」の実施を通じて、領土問題についても進展させていく必要がある、6月に川口大臣がモスクワを訪問されたときにじっくりと話し合いたい旨述べた。
|
3.北朝鮮
川口大臣より、小泉総理の5月22日の平壌訪問につき、日朝平壌宣言の履行の再確認等の目的を説明の上、拉致問題を含む日朝間の諸問題、核問題をはじめとする安全保障上の諸問題を包括的に解決した上で、北東アジア地域の平和と安定に資する形で日朝国交正常化を実現するとの基本方針について丁寧に説明したのに対し、ラヴロフ大臣より、総理訪朝についての説明を評価する、特に拉致問題の解決が進展することを期待する、拉致問題は人権問題であり、また政治問題である、拉致問題の解決が北朝鮮の核問題解決にも肯定的な影響を与えることを期待する、拉致問題の解決に向けてロシアとしても北朝鮮に対して働きかけていきたい旨述べた。
4.その他
(1) |
国連改革
ラヴロフ大臣より、本件に対するロシアの立場は日本側も良くご承知のことと思うが、日本は安保理の有力かつ当然の候補者である旨の発言があった。
|
(2) |
イラク
イラク問題についても、G8外相会合でのやりとりを踏まえ、簡単に言及があった。
|
|