(イ) |
川口大臣から以下のとおり述べた。
将来の日中関係にとって自分が心配していることと、なぜそれらの問題について心配しているかということについて述べたい。日中両国の経済関係が深まる中で新しい種類の問題が生じている。その一つが冷凍ほうれんそうであり、もう一つは海南省、福建省のサムライ債の問題である。なぜこれらの問題を心配しているかというと、それは日本の消費者が強い関心と関係をもっており、場合によっては被害者となるからである。このようなことによって日本国民の心の中にある中国に対する友好的な気持ちが傷ついていくことが心配である。 |
(ロ) |
銭其シン副総理から以下のとおり述べた。
サムライ債の問題については、中国としても適当な措置をとり、投資家が被害を受けないようにすべきである。野菜の問題については、最近、福建省に行き、関連の企業を訪問したが、多くの野菜は基準に達しているし、また、基準以上に目標を達成しているところもあり、現地の人々は大変不満をもっている。日本政府には本件を詳細に検討し、輸入を減らすための話題として農薬の問題をとりあげることがないようお願いしたい。もちろん中国の企業も今後とも努力すべき問題である。 |
(ハ) |
これに対し、川口大臣から以下のとおり述べた。
冷凍ほうれんそうについては、事務レベルで協議が進められており、必要な協議を続ければよいと考える。他方、申し上げたかったのは、日本の消費者が食の安全について非常に敏感である。これは自分がサントリーに勤務し、消費者問題を担当していたときの経験から申し上げたものであって、「安全だ」ということと「消費者が安心する」ということの間には距離があり、安全というのは頭で理解することであり、安心というのは心の問題であるから、このような点を中国側に理解してもらいたいと思って発言したのである。
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