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江主席より、いつから環境保全の概念が出てきたのか教えて欲しい旨述べたのを受け、川口大臣から以下のとおり述べた。
日本では70年代に環境保護について大きな方針転換を行った。高度成長の経験、その後の日本の考え方を各国とともに分かち合うことが重要。先のヨハネスブルグ・サミットでもこの点をグローバル・シェアリングという考え方で紹介している。米国は自然保護の観点から19世紀中頃より環境保護の考え方を示してきた。
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江沢民主席から以下のとおり述べた。
自分はクリントン米元大統領との間でこの話をし、京都議定書についても話している。自分としては、オゾン層を破壊したのは先進国であり、現在は国民の生活レベルの向上から環境の問題が強く意識されるようになり、中国はこれに対し賛成するが、他方、問題を起こした責任は先進国にあり、資金協力、技術協力については先進国に責任があると考えているがどうか。
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これに対し、川口大臣より以下のとおり述べた。
中国の京都議定書の締結を高く評価しているし、ヨハネスブルグの文書、気候変動枠組み条約の中にも「共通だが差異のある責任」という表現が出ており、今貴主席が述べられたことを意味している。まさに責任を有する先進国が資金援助や技術援助を行うべきとの考え方である。自分の考えからすると日本の円借款の大きな部分が環境分野に向けられているのもそのような背景からである。一方、温暖化ガスの排出という点で、中国は米国に次いで第2位である。中国がいろいろな課題を抱える中、人類の次の世代のために温暖化、排出ガス防止に大きな役割を果たすよう努力していただきたい。 |