【仮訳】
パートナーシップと協力の更なる発展に関する
日本国外務大臣とカザフスタン共和国外務大臣との共同発表
トカーエフ・カザフスタン共和国外務大臣の招待により、日本国川口外務大臣は、2004年8月27日から29日までカザフスタンを公式に訪問する。
ナザルバーエフ・カザフスタン共和国大統領は、川口日本国外務大臣と会談する。伝統的に友好な雰囲気の中で行われた外相会談では、広範囲に亘る現下の国際的、地域的な政治問題及び二国間関係の現状と展望について議論が行われた。
- 双方は、ナザルバーエフ・カザフスタン大統領の訪日の際(1999年12月5日-8日)に発出された「日本国とカザフスタン共和国との友好、パートナーシップと協力に関する共同声明」に盛られている日・カザフスタン関係の基本原則の妥当性を再確認した。双方は、広範な地域的かつグローバルな問題における相互協力を更に強化する意図を表明した。
- 双方は、人間の安全保障と持続可能な発展を促進し、世界なかんずくアジアの平和と安全保障に対する新たな脅威に取り組むため、国連その他の両国が加盟する国際機関の枠組みにおいて、更に協力していくことを強調した。この文脈で、双方は、国連改革なかんずく常任理事国及び非常任理事国双方を対象とする国連安全保障理事会の改革が直ちに必要であることを強調した。カザフスタンは、日本の国連安保理常任理事国入りへの支持を改めて表明した。
- 双方は、アジアにおける効果的で普遍的な安全保障の枠組みの創設を意図したアジア信頼醸成措置(CICA)会議の開催に関するカザフスタンのイニシアティヴにつき話し合った。双方は、このフォーラムの精神の促進のために協力する意図を確認した。
双方は、アジアにおける地域安全保障及び人間の安全保障につき、国際テロの脅威、大量破壊兵器及びそれらの運搬手段の拡散、麻薬密輸その他の国境を越える諸問題への対策に特に焦点を当てて、一層緊密に協議する意図を表明した。
- 双方は、アジアにおける平和と安定の維持及び繁栄の確保のために共同して努力する意図を表明した。この文脈で、カザフスタン側は、中央アジア諸国と日本との対話を開始するとの日本のイニシアティヴが、2004年8月28日にアスタナにおいて開催されるカザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの外務大臣及びトルクメニスタン代表との合同会合において、川口日本国外務大臣によって実施に移されることになることについて強い支持を表明した。双方は、この対話の促進のために共同で取り組む意図を表明した。
- 双方は、政治、経済、科学・技術、文化、人道分野における一層の協力及び官民交流強化のためのコミットメントを確認した。
カザフスタンは、アルマティの共和国宮殿に対する日本政府による音響機材供与のための文化無償の供与の決定に対し謝意を表明した。
- 双方は、カザフスタン共和国の持続可能な発展及びその世界経済への統合の成功のための必要条件である同国のWTO早期加盟を促進する意図を表明した。
- カザフスタン側は、経済改革の実施及び重要な社会・経済インフラ・プロジェクトの実施に当たっての日本のODAによる支援に謝意を表明した。この文脈で、双方は、両国間の円滑で効率的な技術協力を実施するための包括的な法的枠組みを提供する技術協力協定が署名されたことを歓迎した。
- 双方は、一層の民主化及び市場経済の強化はカザフスタンの国造りにとって極めて重要な要素であることを再確認した。双方は、双方の努力が、直接投資を含む二国間経済関係の発展のために好ましい投資環境の整備にも寄与することを表明した。
- 双方は、協力可能な分野を洗い出すとの観点から、カザフスタン共和国の革新的産業開発戦略について意見交換を行った。
- 双方は、二国間協力のための法的基盤の拡大につき意見交換を行った。この文脈で、双方は、租税条約に関する問題につき引き続き話し合っていくとの意図を表明した。
2004年8月27日 アスタナ
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