(イ) |
各国訪問
外相レベルでの中央アジア4カ国歴訪により、二国間関係の強化に大きく貢献した。全ての訪問国で大統領とも会談し、日本の新たな取り組みへの支持が首脳レベルで表明された。
◆技術協力協定(カザフスタン署名、キルギス実質合意)等の個別具体的成果も実現。
|
(ロ) |
政策スピーチ
(a)中央アジアに対する日本外交を強化するとのメッセージをこの地域の歴史を引きつつ発信し、この地域の安定と繁栄の実現に当たっての課題である地域内協力に力点を置いて各国の取り組みを慫慂(このための日本の姿勢を示すものとして、今後3年間で1000名以上の研修員受け入れを表明)。
(b)各国の民主化、市場経済化、制度改革の必要性に明示的に言及した。
|
(ハ) |
「中央アジア+日本」対話・外相会合
(a)日本の提唱による初の試みに対し、各国より歓迎と全面的支持(各国側より「歴史的」等の発言が相次いだ)。今次会合は、既存の地域的会合に日本が参加する形で実施したのではなく、日本が提唱し、各国の支持を得て全く新たな試みとして開催したことに特色。
(b)積極的中立を標榜し、多国間の枠組みへの参加に極めて消極的なトルクメニスタンについても、先ずはその関与を確保したことは一定の成果。
(c)4カ国外相は、異口同音に独立後今日に至るまで、日本が一貫して市場経済化・民主化による国造りを支援してきたことへの謝意を表明、ODAによる貢献に対する中央アジア側の高い評価と信頼が根底にあると感じられた。
(d)各国は日本のODAへの期待は表明しつつも、共同市場形成というビジョンを含めた地域内協力の必要性を自らの問題意識として強調。
(e)アフガニスタン支援については、日本が多大の取り組みを行ってきていることに対して高い評価を表明。会合を通じ、アフガニスタンの安定と復興を実現することを通じ、不安定要因を排除し、「南ルートを通じる海への出口」を確保することが中央アジア各国の念願であることが看取された。
|
(ホ) |
全般
1週間の訪問の中で、各国訪問、政策スピーチ、「中央アジア+日本」対話という三つの手段を通じ、日本の対中央アジア政策を改めて明確な形で規定し、従来の「シルクロード外交」(97年発表)を基礎としつつ、新たな次元を切り拓くとのメッセージを発信したことに対し、各国とも日本のイニシアティヴを歓迎し、各国の日本の役割への認識を高めたものと思われる。
|