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川口外務大臣


川口外務大臣のフィリピン訪問(概要)

平成16年6月30日

  1. 川口外務大臣は、29日から30日にかけてフィリピンを訪問し、アロヨ大統領を表敬するとともに、30日にマニラにて行われたアロヨ大統領就任演説に参加した。なお、国際会議等への出席を除く我が国外務大臣のフィリピン訪問は13年振り。

  2. 29日午後、川口大臣はアロヨ大統領を表敬した。概要は以下の通り。

    (1)冒頭・二国間協力関係

     冒頭、大臣から、小泉総理大臣に代わり、また日本国民を代表して、大統領就任への祝意を述べ、アロヨ大統領が更にリーダーシップを発揮されて諸課題に取り組まれることを期待する旨発言。これに対しアロヨ大統領より、日本はフィリピンにとってODAの世界最大の供与国であり、投資・貿易においてもフィリピンにとって重要なパートナーである、その日本から川口外務大臣が来られたことに感謝している旨述べた。川口大臣は、フィリピン国内の治安問題、経済発展の問題等種々課題はあるが、日本としても厳しい財政事情の下ではあるが、できる限りフィリピンの取り組みを支援していくつもりである旨述べた。

    (2)経済連携協定

     アロヨ大統領より、日本との間で経済連携協定(EPA)をできるだけ早く締結したい旨の希望を表明、フィリピンは農業よりも人の移動に重点を置いて日本との経済連携協定を結びたいと考えているので、看護師・介護士等の人の移動における協力につき日本の看護協会等の皆さんの理解を得たい、高齢化が進む日本の社会の中でフィリピンの看護師、介護士の能力が活かされるような形で両国にとってプラスになるような協定が結ばれることを強く望んでいる旨発言した。これに対し、川口大臣より、日本国内にはまだまだ解決しなければならない問題があるが、アロヨ大統領と小泉総理大臣のリーダーシップをもって、この経済連携協定を締結すべく、日本政府としても、懸命に取り組んでいく所存である旨述べた。

    (3)テロ問題

     川口大臣より、東南アジアにおけるテロの脅威は依然深刻であり、APECやASEAN+3といった場を通じて国際社会が団結し対処していくことが必要である旨発言。アロヨ大統領よりは、フィリピンとしては、テロの脅威を減らすために近隣のマレーシア、インドネシアと協力しながら、取り組みを進めている、特に、アルカイダ、ジェマ・イスラミーヤ等の国境を越えたテロ組織の問題について如何に対処していくかが問題であり、小泉総理大臣もこの点については深い認識を持っておられるので、国際協力の下にこうした国境を越えたテロの問題と取り組んでいきたい旨述べた。これに対し川口大臣より、国境を超えたテロは地域だけではなくグローバルな問題であり、東南アジア地域での対テロの取り組みに対して日本としても引き続き支援を続けていくつもりである旨述べた。

    (4)東アジアにおける協力

     双方から、東アジアは極めて多様な地域ではあるが、その中で連携、共同体意識が広まることによって地域全体が一層ダイナミックに発展していくことが望ましい旨の発言がなされ、日本、フィリピンが地域の発展に向けても協力していくことで意見が一致した。 また、大臣から、日本経済は上向いてきており、このトレンドが続くことかつ、地域経済の発展にも貢献することが期待される旨述べ、アロヨ大統領よりは、日本が今後とも経済成長を維持し、特に技術の優位性から地域の牽引力になって欲しい旨発言があった。

  3. 30日午前、川口大臣はマニラのキリノ・グランドスタンドにて行われた大統領就任演説に出席した。演説においてアロヨ大統領は、雇用創出、教育制度拡充、地方の開発、スービック、クラーク両米軍基地跡地のアジア域内物流拠点としての開発、財政赤字削減と財政均衡等、自らの任期中に取り組み後世に残す「10の遺産」を発表した。この後アロヨ大統領はセブ島に移動し、同地にて正午より就任宣誓が行われた。


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