日・パキスタン外相会談の概要
平成16年6月22日
6月21日(月)18:30(日本時間)から約30分間、中国・青島におけるアジア協力対話(ACD)の機会に、川口外務大臣とカスーリ・パキスタン外相との外相会談を行った。同外相会談の概要以下のとおり。
1.二国間関係
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カスーリ外相より、日「パ」経済関係強化に対する高い関心が示され、日本の対「パ」貿易・投資拡大への期待が表明された。これに対し、川口大臣よりそのような期待に感謝する旨述べた上で、ビジネスには特に治安が重要であり、改善が望まれる旨発言。 |
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カスーリ外相より川口大臣の訪「パ」を要請。また、川口大臣からカスーリ外相に対し訪日招請を行った。 |
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川口大臣より、「パ」のASEAN地域フォーラム(ARF)参加を支持し、カスーリ外相より謝意が表された。
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2.テロとの闘い
カスーリ外相より、5月の「パ」主要紙に対する川口大臣寄稿記事(当課注:「パ」がテロとの闘い、不拡散、地域、国際社会の安定のために果たしている重要な役割を日本は認識し、その観点から同国の努力を日本として支援していくとの趣旨)について高い評価が示されるとともに、テロとの闘いを決意をもって進めていく旨発言。また、日本からの投資が多いカラチの治安維持に強い決意が示された。
3.核不拡散問題
川口大臣より、「パ」がこれまで取り組んでいる軍備管理・不拡散強化の措置について一定の評価を述べた上で、カーン博士の核関連技術流出問題に関する情報提供を含め、この分野における更なる取組が極めて重要である旨発言。これに対し、カスーリ外相より日本の関心は十分承知しており協力を約束する旨発言。
4.インド・パキスタン関係
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カスーリ外相より、同日行われた印「パ」外相会談につき、シン印外相とは有益な会談が出来たこと、特に印新政権が前政権にまして「パ」との関係改善を熱心に取り組んでいこうとしている印象を受けた旨発言。 |
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19-20日にデリーで実施された印「パ」間の核の信頼醸成措置に関する専門家協議に関して、カスーリ外相より、同協議の共同声明では全ての核保有国がワーキングレベルで集まることを求めるとの項目が重要である、また、核軍縮が差別的でなくユニバーサルな形で核廃絶に進むことが重要である旨発言。これに対し、川口大臣はCTBTやNPTへの加入も核軍縮の努力と同じ方向であり実現して欲しい旨要請した。 |
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