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川口外務大臣


アジア協力対話(Asia Cooperation Dialogue:ACD)第1回会合
(概要と評価)


平成14年6月

1.概要

(1) 日 程: 6月18日夕~19日 (於:タイ・チャアム)

(2) 参加国: 日本、中国、韓国、ASEAN各国(ミャンマーを除く)、インド、パキスタン、バングラデシュ、バハレーン、カタルの計17カ国。日本より川口大臣が出席。

(3) 目的と成果

(イ) ACDは、タクシン・タイ首相の強いイニシアティブにより開催され、東アジアから中東までを含むアジア域内の外相クラスが集まり、アジア諸国の潜在力を引き出し、域内の競争力を強化することにより、アジアの発言力を強めていくとの観点から非公式にかつ自由に意見交換することを目的とするもの。

(ロ) 今次会合では、「如何に我々の力を結集するか」のテーマで議論を行い、アジアは対話を促進することで安定と繁栄を拡大できるとの考え方を共有し、具体的な協力分野として貧困削減、人材育成、デジタル・ディバイドの解消、科学技術、アジアの文化や観光の促進、中小企業育成、資源管理、エネルギー安全保障、運輸・通信、非伝統的安全保障問題、ビジネス及び学識者の役割、インフラ開発等の重要性を確認した。川口大臣よりは、人材育成、科学技術、国境を越える問題、国際場裏での協力、地球規模問題等の重要性を指摘したほか、アジアの小地域間の連携強化を図るため各小地域での協力の実態を精査する必要性を強調した。

(ハ) また、会合では、ACD自体のあり方に関し、参加問題は「包含性」の原則に基づくこと、より容易な問題から困難な問題へと段階的に進むこと、会合の非制度的・非公式な性格を維持すること等が確認された。更に、川口大臣の発言を受けて、ACDの中核的価値は、具体的協力プロジェクトの推進よりも、自由闊達に対話を行う側面にあることが確認された

(ニ) 今後は、引き続きタイがACDの調整国となり、今後12ヶ月間にどのような分野で協力が可能かについて関係国と非公式に協議を続けていくことなった。また、第二回会合は、2003年6月にタイ北部のチェンライ(注)で開催されることとなった。

注:その後の調整で第二回会合の開催地はチェンライからチェンマイに変更となった。


2.評価

(1) 今回のACD会合は、東アジアから中東までアジア域内の外相が集った初めての会合であり、アジアとはどこまでを含むのかとの問題は残るものの、参加国全てが、欧米とは異なる多様性を持つ地域としての「アジア」を意識する機会となったことは、過去に例を見ない試みであった。

(2) 今後は、協力し易い分野からプロジェクトを立ち上げるとの基本的考え方が確認されたものの、APEC、ASEAN+3、SAARC、GCC等、既存の枠組みとの関係で重複を避けつつ、如何に効果的な協力を進めることができるか、そしてこの広範な地域に「一つの集合体」としてのアイデンティティーを育てていけるかについては、正に今後の関係国の取り組みにかかっている。日本としては、川口大臣からも発言した通り、まず各小地域の枠組みでの協力についての実情の精査に積極的に参加していくことにより、このプロセスに貢献するとの立場。

(3) 他方、今次会合では、経済問題に比重が置かれながらも、日本以外にも地域情勢(アフガン、インド・パキスタン情勢、東チモール等)に言及する国があり、参加国が関心のある問題につき自由に議論したこと、そして会合の合間を縫って多くの二国間会談が行われたことは、議長声明の中で、ACDの中核的価値は自由闊達な対話を行う側面にあることが確認されたことと併せ、広いアジアの外相が出会う場が提供されたという意味で評価できる。因みに、川口大臣は、タクシン・タイ首相に表敬したほか、中国、インド、パキスタン他の閣僚と会談した。


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