- 我々7ヵ国の首脳及び欧州共同体の代表は、自由、民主主義、人権及び法の支配という普遍的原則に対するコミットメントを再確認する。我々が前回ミュンヘンで会合して以来、民主化と経済改革の過程は更に進展した。それにもかかわらず、不安定な事態や紛争が未だに生じており、その多くは過去の原因に根差すものである。我々は、パートナーシップの輪を広げ、より広範な分野にわたる国際協力を増進することにより、より安全で人間的な世界を創り出すために共に努力する決意である。
- 国際社会は、紛争の予防及び解決のための手段を改善することに積極的に取り組んでいる。国際の平和及び安全を維持するために死活的な重要性を有している国際連合は、変化する国際情勢に適応しつつ、一層強化されなければならない。したがって、我々は、国連の効率性を高めるために現在国連において行われている努力、特に、国連事務総長の「平和のための課題」の文脈における予防外交、平和創造、平和維持及び紛争後の平和構築のための制度面でのより効果的な対応能力を高める努力を支持する。
- 我々は、平和、民主主義及び安定の促進のための地域協力を強く支持する。我々は、アジア・太平洋地域の諸国が地域の安全保障対話の促進に、より活発な役割を果たしていることを歓迎する。欧州、アフリカ、南北アメリカにおける地域機関は重要な貢献を行っている。
- ウィーンでの世界人権会議において確認されたように、人権の保護はすべての国の義務である。難民及び避難民の増加、統制を欠いた移民流入の問題並びに小数民族の直面する困難は、国際社会の緊急の関心を必要とし、その根本的な原因を考慮に入れて対処されるべきものである。テロリズムは、特に国家により支援される場合、重大な危険をもたらすものであり、我々は、これに強硬に反対する。
- 協力のパートナーシップを促進する上で、旧社会主義諸国における改革は一層奨励されるべきである。我々は、民主的で、安定し、経済的にも強力な社会がこれらの国々に生まれることを期待する。我々は、エリツィン大統領及びロシア政府の下で行われている断固たる改革努力を強く支持する。また、我々は、ロシアが法と正義の原則に基づく外交を推進し、国際社会の中で建設的で責任ある役割を引き続き果たしていくことを期待する。さらに、我々は、ウクライナにおける改革過程を支持し、エリツィン大統領とクラフチュク大統領との最近の会談が両国関係の一層の改善の基礎となることを希望する。
- 大量破壊兵器及びミサイルの拡散の危険と闘うために協力をさらに強化する必要がある。特に、我々は、
- 北朝鮮に対し、核兵器不拡散条約(NPT)脱退の決定を直ちに撤回し、国際原子力機関(IAEA)保障措置協定及び「朝鮮半島の非核化に関する共同宣言」の実施を含む不拡散のための義務を完全に遵守することを求める。
- 旧ソビエト連邦の関係国に対し、現行の合意に従った核兵器の迅速、安全かつ確実な廃棄の確保を奨励し、その目的のために効果的な支援を行う。
- ウクライナに対し戦略兵器削減条約(START)を批准することを、ウクライナ及びカザフスタンに対し非核兵器国としてNPTに加入することを求める。
我々は、また、ミサイル関連技術輸出規制を含む不拡散体制を強化し、効果的な輸出管理を確立するための努力を継続する。我々は、NPTへの普遍的参加並びに1995年における同条約の無期限延長及び核兵器の削減という目的を改めて表明する。我々は、さらに、化学兵器禁止条約未署名国に対する同条約への署名及び生物兵器禁止条約未加入国に対する同条約ヘの加入を呼びかける。
通常兵器の分野においては、我々は、通常兵器移転の透明性を高め、その抑制を図るための重要な一歩として、国連軍備登録制度の実効性を確保するよう努める。
- 旧ユーゴスラビアでの急速に悪化している事態に直面し、我々は、ボスニア・ヘルツェゴビナの領土保全及びロンドン会議の諸原則に立脚した交渉による解決へのコミットメントを再確認する。我々は、ボスニアのイスラム教徒を犠牲にする形でのセルビア人及びクロアチア人が一方的に定める解決には同意し得ない。我々は、三当事者の合意が得られない限り、いかなる領土についての解決も受け入れない。もしセルビア人及びクロアチア人が武力による国境変更又は民族浄化を通じボスニアを解体することに固執するのであれば、両者は自らを国際社会の埒外に置くこととなり、いかなる経済支援及び商業的支援、特に復興援助を期待することは出来ない。一般市民保護のために、安全地域に関する国連安全保障理事会の諸決議が完全かつ即時に実施されなければならない。我々は、軍隊の派遣、国連保護隊(UNPROFOR)に対する防空面での支援、財政面及び後方支援面での貢献又は適切な外交措置により、国連事務総長が国連安全保障理事会決議第836号を実施することを支援することにコミットする。関連する安全保障理事会決議の諸条件が満たされるまで、制裁は維持されるべきである。より強い措置も排除されない。ボスニアヘの人道援助の流れは増大されなければならない。
我々は、コソボでの状況を深く憂慮し、セルビア政府に対し、欧州安全保障・協力会議(CSCE)長期ミッションをコソボ及びセルビア国内の他の場所より退去させるとの決定を撤回し、同ミッション参加者数を相当程度増加することに同意するよう呼びかける。
- 我々は、カンボディアにおいて成功裡に行われた選挙及び暫定国民政府発足の発表、そして、それに引き続き、パリ協定に従い制定される新憲法に基づき政府が樹立されることを歓迎する。我々は、カンボディアの復興と国内の和解に基づく永続的和平のため引き続き支援する。
- 我々は、中東において包括的かつ永続的な和平を達成するための努力を完全に支持し、イスラエルとアラブ諸国に対し信頼醸成のため更に方策を講ずるよう呼びかける。我々は、アラブ・ボイコットは終了すべきであることを改めて表明する。我々は、イスラエルに対して占領地に関する義務を尊重するよう呼びかける。我々は、レバノンにおける復興努力を支援する。
我々は、ハイチにおける正統な政府の復活を支持し、この面における国連及び米州機構(OAS)の努力を賞賛する。
我々は、イラク及びリビアに対して、すべての関連する国連安全保障理事会決議を完全に実施するよう引き続き圧力をかけていく決意である。イランの行動には懸念を覚える面もあり、我々は、同国政府に対して、平和と安定に向けた国際的な努力に建設的に参加し、この目的に反するような行為を止めるよう呼びかける。
我々は、南アフリカにおける人種差別のない民主主義へ向けての最近の進展を歓迎する。このような動きは同国の政治及び経済面での国際社会ヘの完全な再統合への道を開くものである。
- 相互依存の世界においては、パートナーシップが世界の平和と繁栄を構築するための鍵である。我々は、より安全で人間的な世界の形成に資するための新たな努力にコミットし、他の国々に対し、我々の努力に加わるよう求める。