7 オタワ サミット
オタワ・サミットにおけるテロリズムに関する声明(仮訳)
1981年7月20日
- 7ヵ国元首及び首相は、テロリスト集団に資金及び武器を供給することを通じ、国際テロリズムに対し積極的な支援が与えられていること、また、テロリストに対し聖域と訓練の提供が行われていること、並びに航空機ハイジャック、人質行為及び外交・領事機関の職員及び公館に対する襲撃等の暴力行為やテロ行為が引き続き発生していることを深く懸念し、このような国際法に対する重大な侵犯と強力に戦う決意を再確認する。基本的人権を無視したテロ行為にすべての国が脅かされていることを強調しつつ、7ヵ国元首及び首相は、かかる行為を防止し、処罰する行動を国際社会において強化・拡充することを決意する。
- 7ヵ国元首及び首相は、国際民間航空の安全を脅かす最近のハイジャック事件を特段の懸念をもって注視している。7ヵ国元首及び首相は、1978年のボン声明に明記された諸原則を想起し、再確認するとともに、特定の国が国際法上の義務に従った解決を行わなかった数件のハイジャック事件があることに留意する。7ヵ国元首及び首相は、関係国政府に対し、その義務を早急に履行し、もって国際民間航空の安全に貢献するよう要請する。
- 7ヵ国元首及び首相は、本年3月のパキスタン国際航空の航空機ハイジャック事件において、事件発生中及びその後にハイジャック犯人を庇護したアフガニスタンのバブラック・カルマル政権の行動は、アフガニスタンが加盟国であるヘーグ条約上の国際的義務の明白な違反であったし、現在も違反しており、航空の安全に対する重大な脅威をなすものであると確信する。よって、7ヵ国元首及び首相は、アフガニスタンが直ちにその義務を履行する諸措置を講じない場合には、ボン声明の実施としてアフガニスタン向け及びアフガニスタン発の全ての航空機便の運航を停止することを提案する。更に、7ヵ国元首及び首相は、航空の安全に関心を有する全ての国に対し、アフガニスタンにその義務を遵守するよう説得するための適当な行動をとることを要請する。
- 7ヵ国元首及び首相は、外交官人質問題に関するヴェネチア声明を想起し、7ヵ国のいずれかの政府の外交・領事機関の公館又は、職員が襲撃された場合、引き続き協力することに同意する。7ヵ国元首及び首相は、かかる事件発生の際には、7ヵ国政府が直ちに適切な対応につき協議を行うことに合意する。更に、7ヵ国元首及び首相は、ヴェネチア声明において非難されているテロ行為の遂行を直接幇助し、かつ教唆するいかなる国に対しても即座に国際的な対応措置を執るべきことを決意する。テロリストの脅威及び活動に関する情報交換を行うこと、及びテロ行為に対処・反撃し、現行のテロ対策関連諸条約の一層効果的な実施を推進し、また右諸条約へのより広範な遵守を確保するための協力措置を探究することが合意された。
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