<目次>
1.テーマは「グローバル化」
2.サミットの焦点は大きくいって4つ
3.経済政策協調
4.国連改革
5.地球規模の問題
6.政治面の議論
7.その他
1.テーマは「グローバル化」(経済の国際化に伴う競争と変革の激化)
冷戦終了に伴う市場経済の拡大、新興経済国の台頭、情報通信の急速な発達、自由な貿易・投資の流れの拡大等の「グローバル化」の積極的効果を一層増大するための政策につき議論すると共に、「グローバル化」に伴い生じ得る問題への対応を検討することとなろう。
2.サミットの焦点は大きくいって4つ
(1)経済政策協調
(2)国連改革
(3)地球規模問題についての協力
(4)政治問題への対処
3.経済政策協調
- (1)
- 雇用と成長(マクロ経済)
経済政策の目標はインフレなき持続的成長。各国ともマクロ経済政策に制約があるため、構造政策に焦点が当てられることになろう。
- (2)
- 開発
先進国と開発途上国の「新たなグローバル・パートナーシップ」の考え方を国際的に浸透させるため、開発目標を含む新たな開発戦略について議論されることになろう。
- (3)
- 国際金融システム強化
金融危機防止策や、国際金融機関の機能強化、重債務低所得国への対応等につき議論されよう。
- (4)
- 貿易・投資
12月のWTOシンガポール閣僚会議の成功に向けた強い決意を表明することになろう。
4.国連改革
国連が21世紀の課題に応え得るようにするため、機能強化のための改革や、節約資金の再投資を含め、経済社会面の活動の効率性の一層の向上のための具体的方策につき議論されることになろう。
5.地球規模の問題
環境、原子力安全、テロ、エイズ等の地球規模の問題が取りあげられるだろう。
6.政治面の議論
政治面では、経済がグローバル化して、国際関係が緊密化する中、世界的な安全と安定の確保のための枠組みを如何に構築するかが全体を流れるテーマ。軍縮・不拡散や地域紛争処理等、冷戦後の諸問題に対する取組みのあり方が討議されることとなろう。
具体的な議題は、サミット直前の国際政治状況によって大きく左右されることになるが、ロシア情勢(大統領選挙との関係)、ボスニア情勢(秋に選挙を控えた和平プロセスの推進)、中東和平(イスラエル選挙を踏まえた和平プロセスの推進)等が主要な議題となろう。また、アジア太平洋情勢では、朝鮮半島、中国等も討議されよう。
また、CTBT交渉が重要な局面にさしかかっており、地雷の規制等の面でも国際的な取組の進展が見られることから、不拡散・軍縮問題も例年同様重要である。
7.その他
- (1)
- ロシアの取り扱い
ロシアにおける改革を支援していくためにも、ロシアを国際的な枠組みに取り込んでいくことが重要。サミットでのロシアの取り扱いも、そのような全体的な枠組みの中で位置づける必要がある。今回のサミットでは、地球規模の問題に関するロシアとの対話が強化される。(国際経済問題の議論については、当面G7間で行うことにつき、コンセンサスがある。)
- (2)
- 国際機関の長との意見交換
サミット終了後、開発問題を中心に、ガリ国連事務総長、ウォルフェンソン世銀総裁、カムデシュIMF専務理事、ルジェロWTO事務局長とサミット参加首脳との意見交換が予定されている。