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17 ロンドン サミット

議長声明(仮訳)

1991年7月16日

  1.  我々は、ジョン・メージャー議長の下、今次サミット会合の第一日を成功裡に終えた。我々は、二つの宣言を発出した。

  2.  政治宣言は、国際秩序及び多数国間の取組みを強化する旨の我々共通のコミットメントという主題を強調するものである。我々は、国際連合を、例えば緊急災害時の救済活動の分野において、一層効率的かつ実効的なものにするよう、幾つかの考えを打ち出した。我々は、湾岸戦争を受けて、特に中東問題を取り扱うものである。(この関連で、我々は、アサド・シリア大統領のブッシュ大統領に対する最近の回答を歓迎するとともに、これによって、直接交渉につながる会議の開催へと進む途が開かれることを希望する。我々は、同地域を再び訪問するジム・ベーカーが、どこまでも成功を収めるよう祈念する。)我々は、また、中欧及び東欧諸国における民主主義の再生に言及するとともに、ユーゴースラヴィアにおける憲法体制に係る現下の混乱に言及する。我々は、変貌を遂げたソ連が確たる意志をもって国際社会に回帰するであろうという見通しを掲げているが、この問題につき、我々は、明日、ゴルバチョフ大統領の見解を聴取する。我々は、南アフリカにおける改革の持続と成功のためには、アパルトヘイト撤廃後の同国にとって経済成長の回復が政治的に必要であることを強調する。我々は、人質問題につき前進をもたらし、また、テロリズムに対する闘いを粘り強く続けていく必要性を強調する。

  3.  第二の宣言は、通常兵器の移転並びに核兵器、生物兵器及び化学兵器の拡散を取り扱っている。この宣言は、いずれかのグループや組織の排他的な役割を主張することなく、これらの重要な問題の様々な側面を結び付け、進むべき一つの道を示すものである。湾岸戦争により、我々すべてが我々の責任に言及すべき緊急性を切実に感ずるようになった。通常兵器については、我々は、国際社会が透明性、協議及び行動の三原則を実施することを提案する。我々7ヵ国は、国際連合の下での武器登録制度に関する我々の提案を強力に支持する。

  4.  我々は、他の外交問題についても討議した。

  5.  我々は、国際協力の新しい精神が、アジアにおいても欧州におけると同様に十分に表れることを希望する。北方領土問題の解決を含む日ソ関係の完全な正常化は、このことに大きく寄与するであろう。我々は、ASEAN拡大外相会議、アジア・太平洋経済協力(APEC)などのこの地域における既存の多数国間の枠組みが、対話と協力を通じて安定を確保する上で重要な役割を果たしていることを認識する。

  6.  我々は、中国が、イラクによる侵略に対抗するに当たり、あるいは他の地域問題について、国際的な連合に協力してきたことを歓迎する。我々は、同国における人権をめぐる状況につき依然として真剣な懸念を有するが、同国において経済・政治改革の一層の進展が見られることを希望する。過去一年間に、中国の人々との接触が再び行われてきており、この傾向は継続されるべきである。米国が中国に対する最恵国待遇を無条件に延長することは、これらの目標の達成に資することになろう。

  7.  我々は、南北朝鮮が国際連合に加盟すること及び両国間のハイレベルの対話が間もなく再開されることを期待する。北朝鮮が引き続き原子力保障措置協定の署名と履行を怠っていることは、依然として重大な懸念を呼ぶ問題である。

  8.  我々は、カンボディアにおける、平和、独立、民主主義及び完全な人権尊重を可能とする包括的解決を歓迎するであろう。アフガニスタンについても、我々は、同様の結果を期待する。我々は、また、ビルマ(ミャンマー)において完全な民主主義への回帰が見られることを希望する。我々は、モンゴルが政治・経済改革に向けて前進を続けていることを歓迎する。これは、一層の支援を行うに値するものである。

  9.  南アフリカについては、既に、政治宣言との関連において言及したところである。アフリカの他の地域については、我々は、幾つかの国において飢餓のおそれがあることについて、当然のことながら、大きな懸念を抱いており、明日の経済宣言には、このことが反映されることとなろう。我々は、民主主義、法の支配及び完全な人権尊重に向けた動きを支持する。アンゴラにおける平和合意を歓迎する。我々は、エティオピアにおける和平への努力を奨励する。モザンビーク及びソマリアについても同様である。

  10.  中南米における民主主義の強化とともに、健全な経済政策に向けた一層の前進を歓迎する。我々は、エル・サルヴァドル及びグァテマラにおける平和的解決に向けた交渉が成功することを希望する。我々は、また、キューバが、政治上及び経済上の支配的な潮流から著しく外れたままでいることをやめるよう希望する。

  11.  サイプラスについては、我々は、国際連合事務総長が合意の枠組みを策定しようとして継続している努力を支持する。当事者が、現在の機会をとらえて現実的な提案を提示するならば、国際連合安全保障理事会決議第649号が想定する、サイプラスの二つの社会・二つの地区による永続的解決に向けた前進の真の希望が生まれ得るであろう。

  12.  以上述べたところから、我々が広い範囲にわたって討議を行ったこと及び我々の間に広範な合意があることが明らかであろう。そして、政治宣言に述べられているとおり、我々は、これらの問題のうち、少なくとも若干のものについては、向こう数ヵ月間のうちに我々すべてによる新たな努力の手応えが得られるものと考え、挑戦の志と希望とを、より多くの諸国と分かち合うものである。
 
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