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G8森林行動プログラム(仮訳)実施進捗状況報告書個別報告書
ドイツI. はじめに
この報告書は、1998年5月英国のバーミンガムでのG8外相会議で決定された「G8森林行動プログラム」のドイツのおける実施状況をまとめたものである。この行動プログラムの実施と同時に、ドイツは「森林に関する政府間パネル(IPF)」報告書に含まれる「行動提案」をも実施した。 さらに、ドイツは、「森林に関する政府間フォーラム(IFF)」や欧州森林保護閣僚会議やバルト海地域アジェンダ(バルト海21)など専門フォーラムにおける、持続性可能な森林経営に関する対話に引き続き参加する。ドイツは、生物多様性条約の枠組み内で、森林生態系の生物多様性の分野における活動を支援する。具体的には、「森林に関する政府間パネル(IPF)」や「森林に関する政府間フォーラム(IFF)」の結論を考慮し、IFFの実施中の作業に寄与することをを目的とした作業プログラムを支援する。
II. モニタリングと評価
ドイツは
- 森林の多様な形態、さまざまな機能を考慮しつつ、国内の森林の広域調査を実施している。第一回目の連邦森林現況調査では、1987年10月1日の期限までに、森林面積、樹木種類別分布、成育品種、森林構造、森林開放度などに関する情報を提示した。第二回目の連邦森林現況調査は2002年に予定されている。二回目調査では、第一回調査のパラメーターを凌ぐものとなり、成長、伐採および生態学的パラメーターに関する、追加情報、トピック別情報を提示することになろう。
- 以下の三つのアプローチを含む広範な観点から森林の状態を評価している。
- ドイツ全土を網の目に区分けした調査。森林の範囲および森林の状況の発展に関する地域別情報を提供する。(欧州水準による「レベルIのプログラム」と指定。)
- 森林生態系とそれに影響を与える要素間の因果関係に関する集中調査。
(「レベルIIのプログラム」)- 森林生態系への調査。
- 各連邦州の森林モニタリングプログラムにより、さらに森林の状態のモニタリングを行っている。
- 国連食料農業機関(FAO)の世界森林資源評価(FRA2000)の一連の質問に全面的に協力し、データをFAOに送付した。
- 可能なかぎり、国内の調査プログラムすべてにおいて持続可能な森林経営のための基準と指標を考慮する。
- 関心を持つすべてのグループや組織がリモートセンシングデータや技術へアクセスができるような枠組み条件を策定した。
- 国内の森林政策の基本的問題、および二国間技術協力の枠組みのなかで開発途上国における持続可能な森林経営の基本的問題にかかわる人材育成策を支援する。
- 技術・資金協力の枠組みのもと、インドネシアの総合火災管理プロジェクトを促進する。1996~97年度の東カリマンタンにおける森林火災防止・管理のための助言や基盤整備にかかわる通常業務に加えて、このプロジェクトは災害救援に大きく貢献した。臨時の助言サービスもこの関連で資金協力した。
III. 国家森林プログラム
ドイツは
- 森林の多機能にわたる重要性に鑑み、連邦森林法のもとで、すべての森林保有者に対して森林保全、必要な場合は森林の拡大、持続可能性を基本にした適切な管理の確保を義務づけた。この持続可能性の原則はすべての森林保有者および国民に受け入れられている
- 1997年度の連邦政府国家森林報告書においてドイツの林業部門の状況についての発表を始め、経済的、社会的、生態的重要性の面から森林を評価した。 連邦政府はこの報告書のなかで連邦政府林業政策の目的と実施手法を策定した。
- 州レベルの森林法における、地域の実情を考慮に入れた、森林の多機能性を保護し、発展させるための持続可能性の原則、及び適切な管理原則を採択した。
- 「農業構造の改善および沿岸保護」のための自由裁量の対策プログラムを策定している。このプログラムでは、構造的なハンディの克服および持続可能性を基本にした多機能林の保護において、連邦政府と州が合同で民間および地域の森林保有者を支援する。
- 各州個別の対策を通して、州レベルでの連邦政府・州の合同対策プログラムをさらに拡充した。
- ドイツにおける公有林の生物多様性の保全と持続可能な利用の戦略を連邦政府・州間の協力で策定した。
- いわゆる「6か国イニシアティブ」に参加し、先進国と開発途上国の間での国家森林プログラムについての経験の交流に大きく貢献した。その手法をとりまとめた「実践者向けガイド」を策定、改定し、1999年5月、IFF3において発表した。
- 州との協力のもと国家森林プログラムを詳細化している。
- 開発協力のパートナー諸国が持続性可能な森林経営および国家森林プログラムの手段に与える優先順位を考慮する。パートナー諸国のこれらの政策優先順位の設定は、次第に重要になっている
- 再検討のため、また適切であれば、選抜されたパートナー諸国(例えばインドネシア、エクアドル、ベトナム)におけるドイツの森林関連開発協力プログラムを再調整するため、新たな成果(6か国イニシアティブ、国家森林プログラム、部門間評価)を使用する。また、現行の林業部門の促進対策のよりよい調整のためにも使用する。
- さまざまな方法による持続可能な森林経営を促進するための国際的イニシアティブを支援する。たとえば、これらには、ITTO2000年目標(インドネシア、マレーシア)を達成するためにパートナー諸国を支援するための二国間の促進措置、助言サービスおよび国際プログラム(UNDP世界森林プログラム)との調整、信託基金の提供(例えば、森林部門における世界自然保護基金と世界銀行の協力プログラム、IUCN、IIED、WRI/森林フロンティア計画)などが含まれる。開発協力の関連プロジェクト間での情報の水平交換という枠組みのなかで、これらの点は継続的に強化、改善されている。
- 熱帯雨林の保全および持続可能な経営のための世界最大のプログラムである「ブラジル熱帯雨林保全パイロット・プログラム(PPG7)」の第一期におけるもっとも重要なドナー国(基金の40%を負担)となっている。
- 例えば、すべての種類の森林に関する法的文書などの国際的取決め及びメカニズムの考え得る内容の特定と合意形成へ向けた努力など、IFFのマンデートに積極的に貢献する。
IV. 保護地域
ドイツにおいては、
- 一般的に森林はすべて、連邦森林法に基づいて保全されている。森林保有者はすべて、森林の多機能にわたる重要性ゆえ、森林を保全しなければならない。必要に応じて森林は拡大され、持続可能な方法で適切な管理がなされなければならない。この持続可能性の原則はすべての森林保有者および国民に受け入れられている。
- 基本的には二つの法的根拠によって特別保護森林地域が創設されている。
- 自然保護法。ドイツにおいては、自然保護の責任は州にある。連邦政府はその自然保護法を通じて一般的な枠組みを提供する。この枠組みの範囲内で、州はさまざまなタイプの保護地域、すなわち、自然保護地域、国立公園、生物保護地域などの指定ができる。より大規模な保全単位の多くは森林である。最大限の保護がこれらの森林地域の中心ゾーンでなされている。これらのゾーンにおいては、原則として森林の商業利用はすべて禁止されている。
- 森林・林業法。これも州の管轄で、連邦政府はその連邦森林法を通じて一般的な枠組みを提供する。この枠組みの範囲内において、州はたとえば保護森林区やリクリーエション林を指定する。
- 全森林面積の約65パーセントは保護地域にあり、何らかの特別保護を受けている。全森林面積の約5パーセントは森林保護区か自然保護区や国立公園内の森林地区にある。これらの地区の森林は、その使用を厳しく制限したり、禁止する保護法の対象である。完全に商業使用の対象外となっている森林面積は約83,000ヘクタール(全森林面積の0.8パーセントで、森林保護区や自然保護地域の中心ゾーンが主なところである)。
- 保護区域がまたがる国同士では国境を越えた協力がなされている。森林の密集した四つの保護区では、ドイツ国外にまたがり国境を超えた協力関係が維持されている。
- ブランデンブルグの国立公園「Unteres Odertal」は、ポーランドとドイツの国際公園「Unteres Odertal」の一部。
- チェコ共和国の「ババリア森林国立公園」と「スマバ国立公園」。
- サクソニーの国立公園「サチシシェ・シュバイツ」とチェコ共和国の保護景観地区(および計画中の国立公園である)「ラブスク・ピスコヴェッチェ」。
- ラインランド・パラティナテの生物保護区「ファルザーワルト」とフランスの生物保護区「ボスジェ・ドゥ・ノード/ファルザーワルト」。
サクソニーの場合は、その国境を越えた協力は、サクソニーとチェコの間における環境協力の協定に法的根拠がある。その生物保護区「ファルザーワルト」と「ボスジェ・ドゥ・ノード」の間の協力は、将来的には、国境を越えた生物保護区「ボスジェ・ドゥ・ノード/ファルザーワルト」の創立に到達することが意図されている。
- 森林生態系の保護と穏やかな開発を目的とした自然林保護区の制度は州が制定している。この制度は連邦レベルで調整がはかられ、たえず改善されている。これらの森林生態系の開発は、今後の森林経営のための有益情報を確保するため詳細にわたってモニターされている。州によって指定された各種のタイプの森林保護区は676を数える。平均面積は36ヘクタール以上。全森林面積の0.24パーセントを占める。
- 連邦政府と州は、森林部門でも生物多様性を確保し、維持するため一層の改善策をはかっている。これには、とりわけ、可能な場合には管理下にある森林地域全体にわたり自然林管理に類似したものが含まれる。一部の地域においては、さらに保護の程度を強化した森林地域を創設する試みがなされている。
- 保護地域に対する助成は、ドイツ開発協力によって給付されている。ドイツ開発協力では、熱帯林の保全と持続可能な管理を扱う多くのプロジェクトを支援している。保護地域および緩衝ゾーンの管理はここ数年、注目を浴びている。
- 現在のところ、二国間の技術協力及び/もしくは資金協力を通じて、森林および生物多様性の保護ため150以上のプロジェクトが促進されている(提供資金は約150億マルク)。IUCN,WWF, WRI,IIEDなどの国際的な非政府組織との取決めによる資金枠組みのもと、呼応する措置が追加的に促進されている。たとえば、ペルーやボリビアなどの一部の国においては、二国間の債務救済あるいは債務スワップの可能性が探られている。
V. 民間セクター
ドイツは
- 民間(および地域社会からなる)森林保有者に対してさまざまな方法で、森林の持続可能な経営のための補助金や奨励金を支給している
- 民間の林業企業に対しては特定の財務規定により持続可能な森林経営を促進している。
- 新しい州において、購入者との長期契約による大規模な森林地域の民営化において、適切で持続可能な森林経営を確保している。
- 森林部門の優先目的である持続可能な開発については、民間の林業企業の間でのコンセンサス形成を期待できる。連邦政府、州、民間部門の三者が、目的の達成のより透明性のある説明の可能性について集中的な対話を行い、その目的をさらに精緻化している。
- 開発途上国における林業分野における技術協力の各種プロジェクト(たとえばエクアドル、マレーシア、インドネシア)への民間部門による責任ある参加のための枠組み条件の改善を支援する。熱帯林・熱帯木材分野で、1998年に連邦政府が開始した認証に関する部門プロジェクトは、このトピックと密接に関係している。
VI. 違法伐採
ドイツは
- その法制度、コントロール、土地所有形態および森林保有者による伝統的な森林経営のおかげで違法伐採の影響を受けていない。
- 助言あるいは促進活動のより広義の概念の一端として、違法木材の使用をチェックするための技術・資金協力の枠組み内での法的、行政的枠組み条件の改善、現行の森林政策、部門別計画、森林保全に支援されたコントロールの技術的可能性の改善を推進している(インドネシア、象牙海岸、中央アフリカ、ブラジル、コスタリカなど)。
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