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(仮訳)
G8外相会合総括
(2000年7月13日、宮崎)
- 我々G8外相は、2000年7月12日及び13日に宮崎において会合した。我々は、将来の様々な課題について議論し、以下の結論を得た。
- 我々は、急速なグローバリゼーションが進むこの時代において、平和並びに民主主義、法の支配、人権及び開放的な経済という根本的原則に対する永続的なコミットメントが引き続き不可欠であると信じる。我々は、すべての人々の尊厳、福祉、安全及び人権が確保される環境の創造を通じた人間の安全保障に対するコミットメントを再確認する。
- このためには、主権国家、国際機関、地域機関及び市民社会の間の協力の強化が必要である。来る世紀において国際連合が枢要な役割を引き続き果たすことが重要である。我々は、ミレニアム・サミットの準備における国連事務総長の指導力を歓迎する。
地球規模の問題
紛争予防
- 我々は、地球社会全体において「予防の文化」を推進し紛争予防イニシアティブを発展させるために持続的な努力を行うとの、1999年12月のベルリンにおけるコミットメントを再確認する。我々は、「包括的アプローチ」を追求することの重要性を強調する。このアプローチは、紛争の発生を防止する紛争前の段階から紛争の再発の防止を確保する紛争後の段階まで、政治、安全保障、経済、金融、環境、社会及び開発面の諸政策の中から、統合された形で選択するものである。したがって、我々は、武力紛争が発生する潜在性を有する世界中の地域を引き続き注意深く監視する。我々は、紛争予防における国連の主導的役割を強調するが、紛争予防の主たる責任は当事者にあると認識する。
- ベルリンでの会合をフォローアップするため、我々は、以下の措置を承認する。これらの措置は、本日公表される別文書において詳述される。
我々は、すべての関係者による一層の努力を奨励する。また、我々は、引き続き緊密に協力し、女性の役割の支援、サイバー犯罪との闘い及び紛争予防のための企業市民の在り方に関する原則の策定を含め、紛争予防のための効果的措置を更に特定することにコミットする。
- 武力紛争の手段を制限するために、小型武器の野放しのかつ非合法な移転及び情勢の不安定化を招くその蓄積に対処すること。また、2001年の国連会議において具体的な成果を達成すること。 - 武力紛争の潜在的要因の除去に資するように開発政策を策定するよう確保すること。 - 武力紛争に関与する者の資金源となるようなダイヤモンドの不正取引、特にアフリカの紛争地帯からのものに対処すること。 - 児童の兵士としての使用を終わらせることを含め、武力紛争の児童に対する影響について取り組むこと。 - 紛争予防の重要な要素として国際文民警察(CIVPOL)の重要性を取り上げること。
軍縮、不拡散及び軍備管理
- 我々は、国際的な不拡散体制の維持及び更なる強化の必要性を強調する。我々は、核兵器不拡散条約(NPT)の普遍的な適用及び完全な実施に引き続きコミットしている。同条約は、グローバルな核不拡散のための礎石であり、核軍縮を追求するための不可欠な基礎である。我々は、2000年NPT運用検討会議の成功を歓迎し、同会議において得られた結論の完全な実施を呼び掛ける。我々は、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准国数の増加を喜ばしく思う。我々は、同条約の未署名国及び未批准国、特にその批准が同条約の発効のために必要な国に対し、遅滞なく署名及び批准を行うよう呼び掛ける。
- 我々は、拡大脅威削減イニシアティブ並びに欧州連合(EU)その他による軍備管理及び不拡散に取り組むための同様の努力に対する国際社会の関心を歓迎する。特に、我々は、防衛目的のためもはや必要でなくなった兵器級プルトニウムについて、その安全な管理及び処分に関する調整されかつ統合された計画のために必要な多数国間のアレンジメントの確立に向けて協力することにコミットし、他の諸国に対し、我々と共にこの努力を支持するよう呼び掛ける。
- 我々は、対弾道ミサイル・システム制限条約(ABM条約)を、戦略的安定性の礎石として、また戦略攻撃兵器の更なる削減の基礎として、その規定に従って維持し強化する中で、第二次戦略兵器削減条約(START I)の早期発効及び完全な実施並びに第三次戦略兵器削減条約(START II)の可能な限り早期の締結が実現することを期待する。
- 我々は、核兵器用核分裂性物質生産禁止条約について、5年以内の終結を目指した交渉の即時の開始に合意するよう軍縮会議に求めるNPT運用検討会議の最終文書を歓迎する。我々は、この目標を実現するために協力することにコミットする。我々は、生物兵器禁止条約を実効的に強化する議定書に関する交渉を2001年の可能な限り早い時期に終結させるため、他の諸国と共に最大限の努力を行う。我々は、第5回化学兵器禁止機関締約国会議において呼び掛けられたとおり、国際社会がロシアの化学兵器廃棄計画に対する資金手当ての水準を高めることの必要性について合意する。
- 我々は、ミサイルの拡散を引き続き深く懸念しており、国際社会に対し、今後ともこの問題に多数国間で取り組むよう呼び掛ける。我々は、この問題に対処するための努力を継続する。この点に関し、ミサイル輸出管理レジーム(MTCR)の堅持は鍵となる役割を果たす。
- 我々は、また、世界各地においてかくも多くの罪のない市民に対して被害を与えてきた対人地雷の惨害や大量の対人地雷の貯蔵の存続を引き続き懸念している。我々は、オタワ条約の下での努力を含め、このような地雷の全廃を目指す努力を支援する決意であり、地雷の除去、人道的な地雷除去活動及び貯蔵地雷廃棄並びに地雷対策のための技術開発における今日までの進展を歓迎する。我々は、これらの活動を今後とも奨励する。
テロリズム
- 我々は、実行者の動機のいかんを問わずあらゆる形態のテロリズムと闘うコミットメントを新たにする。我々は、我々の政府及び国民をこの闘いにコミットさせる。すべての国、集団及び個人は、国連安保理決議1269に従って、テロリストに対する逃げ場の提供も、支援の供与も、犯罪行為の容認もあってはならないことを認識しなければならない。我々は、我々の専門家の作業を歓迎し、彼らに対し、G8諸国の間のテロ対策に関する実践的な協力を向上させる努力を継続するよう奨励する。我々は、更に、テロ対策に関する国際的な協力が国際的なテロリズムを打破する上で引き続き鍵となる要因であることを強調し、同様の考えを有する他の諸国とこの目的のために引き続き緊密に協力する。我々は、すべての政府に対し、国連安保理決議1267に基づく制裁を厳格に遵守するよう呼び掛けるとともに、すべての国に対し、タリバーンの支配下にあるテロリストのキャンプを閉鎖すべく努力するよう呼び掛ける。
- 我々は、すべての国に対し、テロ対策に関する12の条約の締約国となること、特にテロリストによる爆弾使用の防止に関する条約及びテロリズムのための資金の供与の防止に関する条約について、これらが発効して速やかにかつ効果的に実施されるようその締約国となることを呼び掛ける。我々はこの目的のための議論を行っている。我々は、いかなる形態であれ人質をとる行為を断固として非難する。我々は、航空保安についての懸念を改めて表明し、ハイジャックに関するG8のワークショップを10月に開催するとのイニシアティブを歓迎する。我々は、また、テロリズムに関する実効的な包括的条約について交渉するとのイニシアティブを支持する。
戦争犯罪者
- 我々は、世界中で生じている国際人道法の重大な違反を引き続き深く懸念している。戦争犯罪者が処罰を免れる状態を終了させることは、平和と和解への重要な一歩である。我々は、既存の国際刑事裁判所の取組を支持し、これに全面的に協力するとともに、可能な限り広範な国際的支持を得た実効的な国際刑事裁判所の設立を期待する。
国連改革
- ミレニアム・サミット及びミレニアム総会が開かれる本年、国連が直面する諸課題にかんがみ、我々は、国連憲章上国際の平和及び安全の維持に主要な責任を有する安全保障理事会を含む国連システムを改革し、強化し、その効率性を改善することに対するコミットメントを再確認する。我々は、国連に対し、人道的支援及び開発援助の分野において、関係機関と他の主体との間のパートナーシップ及び協調を強化するよう奨励する。我々は、また、国連が効率的な予算措置及び加盟国間の衡平な財政的貢献を伴った健全な財政的基礎の上に運営される必要性を確認する。我々は、すべての国連加盟国に対し、これらの目的の達成に向けて有意義な貢献を行うよう呼び掛ける。
国連平和維持
- 我々は、世界の平和及び安定の維持に枢要でますます大きな役割を果たしている国連平和維持に対する支持を再確認する。我々は、国連平和維持の制度及び能力について、その実効性を改善するため包括的に検討する必要性が最近の事態によって明確になったと信じる。我々は、国連事務総長がこの問題に関する報告書の作成を指示したことを歓迎し、同報告書に基づき国連平和維持活動の改善に向けて議論が行われることを期待する。我々は、これらの議論がミレニアム・サミットにおいて開始されるべきであると信じる。
民主主義
- 我々は、民主主義に対するコミットメントを再確認し、民主主義、人権尊重及び基本的自由の間の肯定的な相互作用を強調する。我々は、また、民主的プロセスと経済成長の相互に補強し合う互恵的な利益に留意する。我々は、この点に関し、最近のワルシャワ会合において参加国が重要な意見の交換及び経験の共有を行ったことを歓迎する。我々は、また、民主的プロセスを擁護しより多くの国がこの道を選択するよう奨励するための他のイニシアティブ、特に国連の支援を得て12月にコトゥヌにおいて開催される「新生・復興民主主義国」の会議による貴重な貢献を認める。
犯罪
- 国際的な犯罪活動は、国内的にも国際的にも人々の平和な生活並びに社会的、経済的及び政治的な安定をますます脅かしている。したがって、我々は、国連国際組織犯罪条約及び関連議定書の本年末までの採択を呼び掛ける。腐敗もまた、民主的な制度及び説明責任、経済発展並びに国際協力を損なうものである。我々は、経済協力開発機構(OECD)贈賄防止条約の批准及び効果的な実施を呼び掛ける。
環境
- 国際社会は、1992年のリオでの地球サミット以来持続可能な開発に関し多くのことを達成したが、更になすべきことがある。我々の政府は、「リオ+10」の準備に当たりすべての地域及び利害関係者と引き続き協力する。我々は、環境に関する多数国間条約におけるコミットメントの開発途上国による実施を支援するため、能力構築の必要性について引き続き取り上げる。
- 我々は、G8森林行動プログラムの実施報告書を歓迎し、我々の専門家に対し、2002年に進捗状況に関する最終的な報告書を提出するよう指示する。我々は、森林に関する新たな国際的取決めについての提案を含む森林に関する政府間フォーラム(IFF)の成果を歓迎し、IFF及び森林に関する政府間パネル(IPF)において合意された行動提案を実施するためにイニシアティブをとることに合意する。我々は、国連食糧農業機関(FAO)、国際熱帯木材機関(ITTO)及び他の関係国際機関の間の一層の協力を期待する。
- 我々は、違法伐採との闘いを含め、持続可能な森林経営に関するコミットメント及び実行を再確認する。我々は、また、1990年のブラジル熱帯雨林パイロット・プログラム、国際モデル森林ネットワーク、持続可能な森林経営のための基準及び指標に関するいくつかの進行中のプロセス並びにマングローブを保護するために行われているITTOの作業がこの目的のために果たす重要な貢献に留意する。
- 我々は、世界水フォーラムの取組を歓迎する。水資源の問題に対処するための協力は、地域的な緊張緩和に役立ち、紛争予防に寄与し得る。我々は、また、国連環境計画(UNEP)、国連開発計画(UNDP)、国連教育科学文化機関(UNESCO)、世界銀行等の国際機関及びフォーラムにおいて、国際的な水資源の問題に取り組む。
- 我々は、残留性有機汚染物質に関する法的拘束力のある文書についての交渉を本年末までに終結することを求める。
- 我々は、また、正確な海洋学的観測を通じて地球の環境変化を予測する能力を高めるARGO計画の意義を強調する。我々は、自然災害の影響を緩和するために情報を迅速かつ効果的に共有することの必要性を強調する。
地域問題
東アジア
- 東アジアでは、様々な不安定化要素が未だに存在している。すべての未解決の問題が平和的にかつ武力による威嚇又は武力の行使なく解決されることが最も重要である。我々は、この地域において信頼醸成措置を実施することの重要性を強調し、地域全体における平和及び安定の一層の促進のために国際社会が全面的に支持するよう呼び掛ける。
- この観点から、我々は、6月の韓国と北朝鮮との間の史上初めての首脳会談を暖かく歓迎し、更なる対話と地域における緊張緩和を期待する。我々は、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)を含め、「合意された枠組み」の実施に対する支持を改めて表明する。我々は、韓国の包容政策に対する支持を再確認する。我々は、国際社会との対話に向けて北朝鮮がとった最近の動きを歓迎する。この関連で、我々は、安全保障、不拡散、人道及び人権の諸問題をめぐる国際的な懸念に対する建設的な対応を期待する。
- 我々は、インドネシアにおける民主的な進展を歓迎し、同国の民主的及び経済的改革努力への支持を継続するとのコミットメントを再確認する。インドネシアの領土的一体性の重要性を想起し、我々は、アチェ、マルク、イリアン・ジャヤ及び他の地域の情勢の安定化に向けたインドネシアの努力を全面的に支持するとの決意を有する。また、我々は、最近のアチェ人道的戦闘休止に関する共同了解を歓迎する。
- 我々は、東チモールの独立と国造りに向けた国連及び他の主体からの支援を賞賛し、東チモール人によるこのような努力に対する支持を継続するとの確固たるコミットメントを改めて表明する。また、我々は、地域の他の諸国に対し、我々に加わるよう要請する。
南アジア
- 我々は、インドとパキスタンの間の緊張の度合いを深く懸念している。我々は、両国に対し、情勢の悪化につながるいかなる行動も自制し、ラホールの精神に基づき可能な限り早期に対話を再開するよう呼び掛ける。
- 我々は、更に、インド及びパキスタンの双方に対し、核実験を再開しないとの一方的誓約を継続することを含め、不拡散・軍縮体制の強化に向けた国際的な努力に加わるよう呼び掛ける。我々は、両国に対し、CTBTの署名及び批准を行い、国連安保理決議1172において国際社会が明示した不拡散に関する目標を達成するために更なる措置をとるよう呼び掛ける。
- 我々は、また、スリ・ランカにおける紛争の継続を懸念している。我々は、この紛争の平和的解決を促進する努力を支持する。
中東和平プロセス
- 中東においては、国連安保理決議242及び338並びにマドリッド及びオスロでの諸合意に基づき包括的和平を達成する真の機会が存在する。我々は、この目標に向けて和平プロセスを前進させるための当事者の努力に対する強い支持を再確認する。我々は、紛争を平和的に解決するとの継続的コミットメントが重要であるとの考えを改めて表明する。
- 我々は、国連事務総長により検証され国連安保理により確認されたとおり、国連安保理決議425に従って最近イスラエル軍によるレバノンからの撤退が行われたことを歓迎する。南レバノンにおける平和及び安全を維持するための実効的な権限の回復を確保することはレバノン政府の責任である。これらの目標の達成がこの地域のインフラ及び開発のニーズに応える同国政府の能力にもかかっていることを認識し、我々は、同国政府のこのための努力を支持することにコミットする。
- イスラエルとパレスチナの間の和平に関する三者首脳会談にかんがみ、我々は、両当事者に対し、シャルム・エル・シェイク合意に定められた9月13日の目標期日までに最終地位合意に達するために交渉を加速するよう呼び掛ける。我々は、国際社会に対し、そのような合意が達成された際の当事者による当該合意の実施を支援するための努力に加わるよう要請する。
- 我々は、多国間協議での進展は二国間交渉と連関しこれを支えるとの認識に立ち、多国間作業部会の活動を再開することの重要性を強調する。
イラク
- 我々は、イラクに対し、関連する国連安保理決議を完全に遵守するよう呼び掛ける。国連安保理決議1284をすべての面において実施することの重要性を強調し、我々は、イラク政府に対し、すべての面において国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)及び国際原子力機関(IAEA)に協力するよう呼び掛ける。イラク国民の窮状を引き続き懸念し、我々は、イラクにおける人道面での状況を改善するための協調的努力を呼び掛ける。我々は、地域のすべての国家の領土保全に対するコミットメントを再確認し、地域の安定及び安全の重要性を強調する。
イラン
- 我々は、2月の国会選挙及び5月の国会(マジュリス)開会を含むイランにおける民主的な進展を歓迎する。我々は、イランが、すべての者に対して普遍的に認められた法の基準を適用することを確保し、言論の自由、法の支配及び人権に対する尊重を強化することを期待する。我々は、国際社会との積極的な関係の発展に向けたイランの努力を歓迎し、イランとのより拡大された対話を期待する。我々は、高い人的及び財政的コストを払って国境において薬物取引と闘うイラン当局の真剣な努力を認める。我々は、イランに対し、中東和平プロセスの更なる進展及びこの地域におけるテロリズムの抑止のために建設的な措置をとるよう呼び掛ける。我々は、イランに対し、IAEAとの間で保障措置に関する追加議定書に署名するよう呼び掛ける。G8は、イランに対し、大量破壊兵器及びその運搬のためのミサイルを開発しないこと並びにこれらの拡散を防止することに全面的に協力するよう呼び掛ける。
アフガニスタン
- 我々は、アフガニスタンにおける和解に向けた最近の提案を歓迎する。我々は、すべての当事者に対し、包括的な平和と安定に向けて更なる努力を行うよう呼び掛ける。アフガニスタンの領域、特にタリバーンの支配下にある領域に起因する人権侵害、麻薬取引及びテロリズムに関する国際社会の懸念の高まりを認識し、我々は、すべての国に対し、国連安保理決議1267を完全に実施し更なる措置を検討するよう呼び掛ける。
バルカン
- 我々は、国連安保理決議1244の完全な実施に引き続きコミットしている。秋の実施が提案されているコソヴォ地方選挙が周到に準備され成功裡に実施されることが、民主的で多民族の社会を確立する上での重要な一歩となる。我々は、コソヴォの諸民族、特にセルビア系住民及びロマ系住民が選挙に自由に参加することを奨励しこれを可能にするようあらゆる努力を行う。我々は、国連安保理決議1244に定める目標を達成するための国連コソヴォ暫定行政ミッション(UNMIK)及び国際安全保障部隊(KFOR)による努力に対する支持を再確認し、すべての当事者に対し、これらの組織と全面的に協力するよう求める。我々は、UNMIKがその任務を全うするために必要な資源が与えられる必要性を強調する。我々は、EUが果たす役割を認識し、欧州安全保障・協力機構(OSCE)、他の諸国及び非政府組織(NGO)による貢献を歓迎する。我々は、共同暫定行政機構がすべての当事者の全面的な参加を得て効果的に機能することを期待する。また、我々は、セルビア系コソヴォ人の代表が同機構に再び参加することが重要であると考える。コソヴォにおける安定、平和及び繁栄は、人権、法の支配及び民主主義に対する尊重が条件となる。我々は、コソヴォにおいて政治的責任を有するすべての者に対し、すべてのコソヴォ人が、民族のいかんを問わず、自由、安全並びに国際的支援及び必要不可欠な公共サービスの利益を享受できるよう努めることを呼び掛ける。
- 我々は、民主的なユーゴースラヴィア連邦共和国が実現し、それによって同国が国際社会に再び編入され、この地域全体の安定に貢献するためにふさわしい役割を果たすことができるようになることを期待する。我々は、ユーゴースラヴィア連邦共和国憲法の改正の動機及びそれがもたらし得る影響を大いに懸念している。我々は、ベオグラードの政府に対し、暴力の一層の激化につながり得るいかなる行動も自制するよう呼び掛ける。我々は、また、反対勢力に対し、ユーゴースラヴィア連邦共和国の平和的で民主的な発展に貢献するよう呼び掛ける。我々は、ユーゴースラヴィア連邦共和国における報道の自由に対する最近の制約に強く反対する。我々は、モンテネグロにおいて民主主義の確立が進行していることを歓迎し、その民主的に選ばれた当局に対する支持を改めて表明するとともに、同当局に対し自制を継続するよう求める。
- 我々は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナにおける平和のためのデイトン合意の完全な実施に向けたコミットメントを改めて表明し、同国内のすべての関係者が、市民も政府関係者もともに、自らの責任を受け止め自らの未来を担っていくよう引き続き奨励する。我々は、民主主義と改革に向けたクロアチアの大きな進展を歓迎し、クロアチア当局に対し、そのような努力を継続するよう奨励する。我々は、アルバニアに対し、民主主義の進展及び法の支配の尊重の面で更に努力を継続するよう奨励する。
- 南東欧における安定と持続的な発展は、この地域における政治的、経済的、社会的及び文化的な協力関係を強化し、それによって民族間の調和を促進する努力にかかっている。我々は、特に、効果的な地域協力に資する安定協定の文脈において、個々の国、国際機関及び地域機関がこの目的の達成を支援するために過去一年間に行った様々なイニシアティブや進展を暖かく歓迎する。我々は、また、この地域における一層の経済改革努力に期待し、この面での支援を継続する。
サイプラス
- 我々は、首脳がサイプラスにおける包括的解決の達成に向けた国連事務総長の努力に対し強い支持を改めて表明するよう提言する。
アフリカ
- 政治的安定が開発の前提条件であるとの認識の下、我々は、アフリカにおける武力紛争の継続を引き続き深く懸念している。我々は、アフリカにおいて「予防の文化」が推進されることを特に求め、これに貢献する。我々は、アフリカ統一機構(OAU)、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)、南部アフリカ開発共同体(SADC)、政府間開発機構(IGAD)、近隣のアフリカ諸国及び他の主体が、国連と協力しつつ、紛争の発生を防止し、個々の紛争、特にスーダンにおける長期にわたる破壊的な内戦の平和的解決を促進するために発揮しているイニシアティブを賞賛する。アフリカの様々な国において現在発生している危機を懸念し、我々は、すべての当事者が、特に大湖地域、アンゴラ及びシエラ・レオーネにおいて、関連する和平合意及び国連決議を完全に履行するよう呼び掛ける。我々は、先月アルジェにおいて署名されたエティオピアとエリトリアとの間の休戦合意を歓迎し、エティオピア及びエリトリアにおける和平合意を促進するためのあらゆる努力に対する全面的な支持を再確認する。
- 我々は、法の支配、良い統治及び民主主義を促進するためのアフリカの努力を支持する。我々は、また、衡平な成長を通じて貧困を削減し、貿易及び投資の自由化及び促進を含む手段により完全なパートナーとして国際経済に参加するためのアフリカの人々の努力を支持することにコミットする。我々は、感染症及び寄生虫症、特にエイズ、結核及びマラリアと闘い、これらの病気が及ぼす深刻な経済的及び社会的な影響に対処する努力に参画する。我々は、セネガルにおける民主主義の定着が選挙によって証明されたこと、更にギニア・ビサオ及びニジェールにおいて民主主義が回復したことを歓迎するとともに、国際社会に対し、ナイジェリアにおける改革努力を一層支援するよう呼び掛ける。我々は、ジンバブエにおける深刻な情勢が法の支配、民主主義及び人権を基礎として公正かつ早期に解決されるよう呼び掛ける。我々は、また、コモロ及び象牙海岸において早期に民主主義が回復されるよう呼び掛ける。我々は、それぞれ干ばつ及び洪水の被害を被ったアフリカの角及び南部アフリカ諸国に対する国際的な支援の必要性を認識する。
コロンビア
- 我々は、地元社会の希求とニーズを勘案しつつ、安定的かつ永続的な平和並びにコロンビアにおける禁制作物の栽培及び取引の終止の基礎を築くための同国政府の計画及びイニシアティブを全面的に支持する。我々は、すべての当事者に対し、国際人道法の諸原則を尊重し、この紛争の終結について交渉するよう呼び掛ける。我々は、同国の非合法武装集団の資金源を絶つため、資金洗浄、武器の密輸及び薬物の不法製造に利用可能な化学原料物質の密輸と闘うとのコミットメントを再確認する。
ペルー
- 我々は、ペルー政府に対し、米州機構(OAS)と協力し、特に司法、治安部門、選挙手続及び報道の自由の面での改革に関する勧告を実施するよう奨励する。
非同盟運動(NAM)、G77及びタイとの対話
- 我々は、NAMのトロイカ三ヶ国(南アフリカ、コロンビア及びバングラデシュ)、G77の議長国(ナイジェリア)並びにタイ(国連貿易開発会議第10回総会(UNCTAD X)及び東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国)の外相と会談し、共通の関心事項である様々な地球規模の問題について議論した。我々は、このパートナーシップを将来にわたり維持することに価値があると考える。
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