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中東和平については、昨今の衝突が憂慮される点で認識が一致し、ミッチェル報告書の実施の必要性を始めG8ととして力強いメッセージを出すこととなった。田中大臣からは、パレスチナの経済状況の改善が平和と安定の前提であり、そのために我が国は食糧支援や緊急雇用創出等の援助を行っている旨述べた。
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マケドニアを中心とするバルカン情勢については、軍事的な解決はあり得ず、時間がかかるが政治的な解決が必要であり、そのためにG8として支援していくとのメッセージを発出することで一致した。なお、田中大臣からは、ユーゴ訪問を踏まえ、国境不変更、少数民族の権利保護、対外債務の削減等に関するユーゴ側の立場をG8に伝えて欲しいとの要請があったことを紹介した。
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朝鮮半島情勢については、田中大臣より、金大中大統領の包容政策を支持するとともに、北朝鮮がミサイル問題や核兵器開発問題等の安全保障上の懸念や拉致問題を含む人道・人権上の問題に建設的に対応する必要があることを指摘し、各国の賛同を得た。
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アフリカについては、国際社会が直面する種々の課題が凝縮されており、各国が取組を強化することで一致した。田中大臣からは、アフリカの問題を解決するため、国際社会は対等なパートナーとして協力しなければならないこと、そのために我が国は「開発支援」と「紛争予防・難民支援」を車の両輪として対アフリカ協力を推進する考えであり、その一環として本年12月にTICAD閣僚レベル会合を開催することを紹介した。
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紛争予防については、一昨年のベルリン特別外相会合、昨年の宮崎外相会合に引き続き議論され、「紛争予防における女性の役割の強化」と「企業と紛争予防」についてG8として取り組むべきことで一致した。また、「紛争と開発」の文脈で、「水資源」及び「DDR(武装解除、動員解除、社会復帰)」の重要性につき、認識が一致し、来年のカナダにおけるサミットに繋げることとされた。
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G8と市民社会については、グローバル化が進む中で市民社会とどのようにつきあうかとの点について、忌憚のない意見交換が行われた。
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軍備管理・軍縮・不拡散については、各国より、既存の多数国間の枠組みの重要性などを巡り活発に意見交換が行われた。その中で、田中大臣より、包括的核実験禁止条約(CTBT)の重要性を指摘し、9月に開催される同条約の第二回発効促進会議への各国の積極的な対応を期待する旨発言した。 |