G8外相会合
(第一日目ワーキング・ディナーの概要)
平成15年5月22日
1.地域情勢
(1) |
北朝鮮
(イ) |
複数の国より北朝鮮の核開発に対する強い懸念が表明され、北朝鮮に対し、全ての核兵器開発計画を検証可能かつ不可逆的な形で撤廃すること、また、事態をエスカレートさせるような行動をとらないよう国際社会が一致して求めていくことで認識が一致した。
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(ロ) |
川口外務大臣からは、拉致問題は日本国民に対する重大な犯罪行為であり、この解決は日朝間の最大の懸案事項の一つである旨説明し、その速やかな解決に向けてG8各国の理解と協力を引き続き得たい、また、北朝鮮の問題は生物・化学兵器、麻薬の輸出、人道上の問題等を含む包括的な形で、平和的に解決することが重要であるとの認識を述べた。
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(2) |
イラン
イランの原子力活動に対する強い懸念が各国より表明され、その透明性の向上、さらには追加議定書の締結が不可欠であるとの認識が共有された。
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(3) |
コロンビア
麻薬テロリズムともいうべきコロンビアの問題に対処していくため、ウリベ大統領の取組を国際社会が一致して支援していくことの重要性が多く指摘された。
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2.国際安全保障
(1) |
テロ対策
テロの脅威は引き続き現実のものであり、途上国のテロ対策(キャパシティ・ビルディング)、テロに関する情報交換等の面で国際協力を継続・強化していくことの重要性につき認識が一致した。
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(2) |
小型武器問題
川口外務大臣より、小型武器は、紛争を長期化させ、紛争後の援助活動も困難にする深刻な問題である旨強調。本問題に対処していく上で、2003年7月に開催される国連小型武器中間会合(日本が議長国)が重要であり、G8としても同会合を支持していくことを訴え、各国の理解を得た。
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(3) |
大量破壊兵器の不拡散(IAEA保障措置予算の増額問題)
北朝鮮やイラクの問題で国際的不拡散体制の信頼性が脅かされる中、核不拡散体制を強化するため、IAEA保障措置を強化することが必要であり、そのための予算の増額の必要性につき概ね一致した。
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