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- 1.世界福祉構想
- (1)OECD社会保障担当大臣会議(国別報告書の作成)
昨年のリヨン・サミットにおいて橋本総理が提唱した「世界福祉構想」の一環として、我が国は、OECD加盟国が自国の社会保障政策の現状、問題点等に関する国別報告書を作成し、98年6月の第3回OECD社会保障担当大臣会議において、本報告書に基づき社会保障分野における経験と知識を共有することを提案した。現在OECDにて作業中。
- (2)東アジア社会保障担当閣僚会議(フォローアップ)
「世界福祉構想」の一環として、昨年12月、沖縄において、東アジア諸国の参加及びG7各国、国際機関等のオブザーバー参加を得て「東アジア社会保障担当閣僚会議」を開催。本会議では、我が国より保健医療・福祉制度、途上国の社会開発に対するODAにつき発表するとともに、参加各国より社会保障制度に関する知見や課題を紹介。本会議のフォローアップとして、今年度高級事務レベル会合を開催する予定。
- 2.環境に関するイニシアティブ
- (1)21世紀に向けた環境開発支援構想(ISD)
- (A)東アジア酸性雨モニタリング・ネットワーク
- 東アジアにおける酸性雨の測定データその他関連情報を共有するため、参加国間でネットワークを構築。98年3月に第1回政府間会合を開催するとともに、各国の実情を踏まえたODAによる支援(研修、専門家派遣、関連機材供与等)を実施。
- (B)大気汚染・水質汚濁・廃棄物対策
- 途上国の汚染源対策の推進のため、タイ、インドネシア、中国の環境センターを通じた途上国自身の対処能力強化及びこれらセンターの相互連携、資金・技術協力による支援、アジア生産性機構(APO)の活動を支援。
- (C)地球温暖化対策セミナー
- JICAの「地球温暖化対策セミナー」を通じ、アジア太平洋諸国に対し気候変動枠組み条約に関する科学的、技術的知見の最新情報を提供するとともに、我が国の対応策を紹介することにより、これら諸国の責務の遂行を支援。
- (D)生物多様性保全構想
- インドネシア生物多様性センターを拠点として、東アジア地域の自然環境に関する情報を収集、データベースを作成するとともに、同地域におけるモデル・プロジェクトとして生物多様性施策策定を実施(ワークショップ、第三国研究を通じた専門家レベルのネットワーク化支援)。
また、中南米及びカリブ地域における生態系の保全体制を日米が協力して2000年までに整備(NGO等の公園管理・環境教育等のプロジェクトの支援継続、アジア太平洋地域への拡大のための努力継続)。
- (E)サンゴ礁保全ネットワーク
- サンゴ礁保全研究のためのセンターの設置を検討し、アジア・太平洋のサンゴ礁資源の豊富な国(インドネシア、フィリピン、パラオ等)を中心とした研究ネットワークの構築を目指す(沖縄等でのサンゴ礁保全研修コースにおける研修生受入、ワークショップ開催、日米コモンアジェンダの「国際サンゴ礁イニシアティブ」の枠組みの活用等を念頭)。
- (F)持続的な森林経営の推進・砂漠化防止協力の強化
- 国際熱帯木材機関(ITTO)への積極的な貢献を継続し、「ITTOの西暦2000年目標」への努力を継続することに加え、植林分野における協力として、地域住民の参加、NGOとの連携を得つつ、インド、タイ、ネパール等でのプロジェクトをモデルとして他の国々への波及を図るとともに、「緑の推進協力プロジェクト」(セネガル、ニジェール等)を強化。
- (G)環境意識向上の政策対話
我が国は、89年より環境に関する政策対話調査団(環境ミッション)を派遣し、昨年5月に北京において官民の協力による「日中環境協力総合フォーラム」の第1回会合を開催するなど政策対話を行ってきたが、引き続きかかる努力を継続・強化。
- (H)環境教育
途上国の環境対処能力の向上のためには環境意識の向上が重要であるとの認識の下、草の根無償資金協力の弾力化を通じた途上国の環境教育プログラムの推進を支援するとともに、「環境のための地球規模の学習及び観測計画(GLOBE)」との連携をも視野に入れ、また本年度中に、アジア太平洋諸国の行政官、専門家等による「ユネスコ環境教育セミナー」を開催。
- (2)地球温暖化防止総合戦略(グリーン・イニシアティブ)
気候変動問題の究極的な解決のためには、今後世界のCO2排出量を大幅に削減する必要がある。例えば、CO2の濃度を産業革命前の2倍に安定化させるためには、先進国のCO2排出量を1990年の一人当たり3.5トン(炭素換算)から2100年までに1.0トン以下にまで減らすことが必要である。
このため、我が国は、気候変動問題の究極的な解決に向け、地球温暖化防止総合戦略(グリーン・イニシアティブ)の下、「グリーン・テクノロジー」の開発・普及並びに「グリーン・エイド」による途上国への技術移転を進めることを各国に呼びかける。
- (A)グリーン・テクノロジー
- 先進国は、地球温暖化防止のための「グリーン・テクノロジー」を開発し、その普及を進める。具体的には、産業・民生・運輸部門における省エネルギー技術の開発・普及、太陽光発電等の非化石エネルギーの導入促進、世界的な植林・森林保全等の推進、CO2の海洋貯留技術等の革新的なエネルギー・環境技術の開発を推進する。
- (B)グリーン・エイド
- 先進国は、今後、その経済成長とともに、CO2の排出量の増加が見込まれる発展途上国において気候変動問題への主体的・積極的な取り組みが行われるよう、グリーン・テクノロジーの発展途上国への移転・普及を図る。具体的には、ODAや民間協力のエネルギー・環境分野での活用、発展途上国における人材養成、発展途上国の対処能力の向上のための基盤整備、省エネルギー技術等のインベントリ提示等の情報提供を推進する。
- (C)グリーン・イニシアティブの実施
- グリーン・イニシアティブは、二国間・多国間協力、国際エネルギー機関等の国際機関などを通じて実施される。また、民間が本イニシアティブの実施に大きな役割を果たすことが期待される。
- (3)油濁事故防止
本年1月のナホトカ号油流出事故を受け、(A)油濁関連条約の締結、(B)北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)等の油濁防止のための地域協力の推進、(C)老齢船に対する寄港国による監督の強化や基準の見直し等、IMOによる再発防止策の検討を提案。
- 3.開発・アフリカに関するイニシアティブ
- (1)新開発戦略の着実な実施
リヨン・サミットで合意された「新たな開発のためのグローバル・パートナーシップ」の考え方を具体的行動に移していくため、我が国は、途上国との政策対話を強化するとともに、新興ドナー国を含むドナー国や国際機関に呼びかけ、援助の現場における援助協調、南南協力等を推進している。タンザニア、エティオピア等アフリカのいくつかの諸国において、具体的な進展が見られつつある。
- (2)人造り協力:アフリカ開発に関する教育・研究機関間の国際的ネットワーク
アフリカ開発においては、アフリカにおける人的・制度的能力を高めることが重要との認識に立ち、アフリカ開発に必要な人材育成のための各国の関係研究機関間の連携強化の方策として国際的ネットワークの構築の検討を提唱。
- (3)「南南協力に関する国際会議」構想
アフリカ開発に際しては、アジアを中心とする新興ドナー国の資源の投入、開発経験の共有、技術の移転が重要であるとの観点から、本年6月、バンコクにおいて、アジア諸国、アフリカ諸国、援助国、関係国際機関の参加を得て「第2回アジア・アフリカ・フォーラム」を開催。更に、新開発戦略におけるグローバル・パートナーシップ促進の観点から、南南協力(特にアジアとアフリカ間の地域間協力)に積極的な新興ドナー国政府の高級実務者を明年日本に招聘し、「南南協力に関する国際会議」を沖縄において開催する。
- (4)第2回アフリカ開発会議(TICAD II)
我が国は、93年に国連、GCAとの共催で第1回アフリカ開発会議(TICAD I)を開催し、東京宣言を採択。TICADⅠから5年目に当たる来年は、東京宣言の進捗状況をレビューするとともに、新開発戦略の基本的考え方を踏まえ、具体的成果を目指すべく、第2回アフリカ開発会議(TICAD II)を開催する予定。本年11月にはそのための準備会合の開催を予定しており、サミット参加国の積極的参加・貢献を要請。
- (5)民活インフラ
昨年秋のIMF・世銀総会において、我が国は、アジアをはじめとする新興市場国のインフラ整備に民間資金を活用するために世銀グループがどのような貢献ができるか検討することを提唱。これを受け、本年9月の香港におけるIMF・世銀総会において、世銀より、民間資金フローの促進のための世銀グループの保証機能の活用策等について報告される予定。
- (6)「開発に関する沖縄会議」
我が国は、93年の東京サミット以来先進国と開発途上国が協調して開発に取り組む「新たなグローバル・パートナーシップ」の考えを提唱してきているが、この新たな開発戦略の議論を国連においても推進すべく、7月末に沖縄において「開発に関する沖縄会議」を開催する。本会議は第2回アフリカ開発会議の準備プロセスの一環でもある。
- 4.テロ対策に関するイニシアティブ
- 人質事件に重点を置いたテロ対策の強化
- 在ペルー日本大使公邸占拠事件の教訓も踏まえ、次の様な人質事件に重点を置いたテロ対策の強化が重要。
- (A)人質事件に対処するための能力強化に関する協力
サミット参加国の間で、二国間協力をベースに、人質事件に対処するための能力強化に関する協力を進める。我が国としては、各国との協力を進めつつ、警察当局が保有している特殊部隊(SAT)の能力向上のために、装備・資機材面での充実及び実践的な訓練の実施を図っていく。
- (B)情報交換の緊密化
テロの脅威が存在する国においてサミット参加国の在外公館間の情報交換を緊密化。
- (C)地域協力の推進
テロ対策の実効を挙げるためには、途上国も巻き込んだ地域協力が重要。サミット参加国が関連地域で積極的な役割を果たしていくべし。
我が国は、アジア太平洋における地域協力の推進に努力。昨年12月にはアジア太平洋テロ対策セミナーを東京で開催。
更に、ASEAN諸国との間でテロ対策に関する協力を強化すべく、最近、日本とASEAN間のテロに関する情報交換ネットワークを構築し、また、ASEAN諸国のテロ対策担当局長を招聘し、日・ASEANテロ対策協議を本年秋に東京で開催予定。
- 5.その他のイニシアティブ
- (1)雇用に関する国際会議
94年3月のデトロイト雇用会合、昨年4月のリール雇用会合を踏まえ、本年秋、神戸にて、G7各国の参加、国際機関等のオブザーバー参加を得て「雇用に関する国際会議」を開催する予定。本会議においては、①若年者の雇用、②構造変化に対応した企業・個人の挑戦、③高齢者の雇用に焦点を充てて議論する予定(本会議に先立ち、本年4月に準備会合を開催)。
- (2)アジアの新興市場国の金融市場の安定に関する東京対話
リヨン・サミットの合意を受け、新興市場国における金融市場の安定について検討が行われてきたが、今後新興市場国側の積極的な参加を促進するため、アジアの新興市場国とIMFなど関係国際機関の対話を行う場として、これらの国・機関のハイレベルの関係者の参加によるセミナーを本年中に東京で開催。
- (3)アジア・太平洋地域マネー・ローンダリング対策の強化
95年12月に東京で行われた第3回アジア・太平洋マネー・ローンダリング・シンポジウムの場において、アジア・太平洋地域の資金洗浄対策の一層の推進を図るべく、「アジア・太平洋マネー・ローンダリング対策グループ」の設立に合意、本年2月、13カ国の参加を得て同グループが正式に発足。本年度中を目途に同グループの第2回年次総会を我が国で開催することを検討中。対策の強化に積極的に貢献を行う所存。
- (4)アジア原子力安全会議
昨年4月の原子力安全モスクワ・サミットにおいて我が国より提唱し、11月にアジア地域9カ国の参加、G7及びロシア、国際機関等のオブザーバー参加を得て、「アジア原子力安全東京会議」を開催。本会議の成果として、原子力安全の諸原則の確認、原子力安全分野での国際的枠組みへの参加の呼びかけ、域内協力の推進等を骨子とする議長サマリーを採択。次回会合は韓国の主催により本年秋に開催されることになっているところ、我が国としても引き続き積極的な貢献を行う所存。
- (5)軍縮・不拡散
我が国は、「包括的核実験禁止条約」締結のための国会承認や「特定通常兵器使用禁止条約の地雷等に関する改定議定書」締結手続を了した。また、昨年のリヨン・サミットに続き、普遍的で実効的な国際条約の実現に向け努力し、さらに、国連軍備登録制度や、小火器の移転問題等、我が国がこれまでイニシアティブを発揮してきた分野でも、専門家レベルでの意見交換を一層活性化するよう訴えている。
- (6)対人地雷に関する東京会議
人道的な地雷除去活動、関連技術の開発、犠牲者に対する支援の分野については、本年3月に「対人地雷に関する東京会議」を開催し、各分野のガイドラインを作成したところ、これらを積極的に推進していく。
- (7)国際犯罪
我が国は、リヨン・グループ(国際組織犯罪上級専門家会合)において、犯罪組織による銃器の不正取引を防圧することを目的としたサブ・グループの議長を務め、8カ国間の法執行機関間で協力を強化する合意を得るなど、重要な成果を上げた。リヨン・サミット以来の「40の勧告」実施に向けた成果を踏まえ、かかる取り組みが他の国々も広がっていくよう、サミット参加各国が努力する必要を訴えている。
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