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平成11年4月
日本における構造改革の進展政府における構造改革への取り組み:
民間への介入からルール作り、ソーシャル・セーフティーネットの整備へ●政府の市場への介入の終焉
中央省庁等改革基本法(第44条)
- 規制の在り方について、事前の規制から民間の自由な意思に基づく活動を重視した規制に転換
- 市場原理にゆだねることができる場合における経済活動に対する規制は廃止するとともに、その他の規制についても目的に照らし必要最小限のものとする
- 国際的な整合性の確保 等
(1)需給調整の廃止
- 運輸部門
- 国内航空:平成11年度に需給調整を廃止する予定。これに伴い、路線毎の免許制から、安全面の審査を中心とした事業毎の許可制へ移行。
- タクシー事業、国内旅客船事業:遅くとも平成13年度までに需給調整を廃止
- 大店法:経済的規制から立地に際し周辺の生活環境を保持するための制度へ移行(98年5月)
(2)護送船団方式(業界全体での調整、不況カルテル、金融機関の横並びの指導等)からの脱却
(3)規制緩和
・免許制から許可制、許認可制から届け出制への転換等●グローバライゼーションに対応したルール作りと透明性の向上
(1)国際会計基準の導入
(連結財務諸表の導入、時価会計、年金債務の負債計上等)(2)金融システム改革
(3)公正取引委員会の強化
- 独占禁止法の改正:不況カルテル、合理化カルテル制度の廃止、適用除外法の廃止等
公正取引委員会の審査体制の充実 平成7年度事務総局定員520名、うち審査部門220名 平成11年度事務総局定員558名、うち審査部門260名 ●新産業、ベンチャー企業等を興しやすい環境の整備
- 新規開業・成長支援:
- 新規開業者の資金調達支援(無担保、無保証人融資制度の貸付対象を拡充(平成10年10月)等)、店頭市場改革の推進(株式の店頭公開前規制の見直しの証券業協会における早期の検討)等
- 技術支援(新技術開発のための補助金、委託費の中小企業車への支出機会の拡大、大学、国立試験研究機関の技術と研究能力を活用した研究開発の推進等)
- 既存企業を核とした産業活性化・企業内起業の支援:
- 株式交換・株式移転制度の導入による分社化、持株会社等企業組織の変更の円滑化(今国会での商 法改正を目指す)、事業毎の独立性を高める企業分割の法制化の検討に着手、連結納税制度の検討開始等
- 異業種進出に対する支援
- 異業種進出に伴い労働者を雇用した中小企業への助成等
●人材移動の円滑化・雇用対策
- 人材移動の円滑化:
- 労働者派遣事業の対象拡大、有料職業紹介の取り扱い職業拡大
- 確定拠出型年金制度の導入等転職が不利にならないよう制度の見直しの推進
- 人材の質的向上:
- 「教育訓練給付」制度による個人主導の能力開発の支援(98年12月~)
- 雇用不安の解消:
- 職業訓練期間中の失業給付の延長、中高年を雇い入れる事業主への助成等
●税制の改革
- 法人課税の国際水準並み(実効税率40%)への引き下げ(実施済み)
- 連結納税制度の導入をはじめ、経済構造改革に対応した各種税制の見直しが今 後の課題。4月下旬より政府税制調査会が再開の予定。
民間における構造改革の動き
●企業経営の視点の変化
- 時価総額=企業価値を重視した経営
- キャッシュフローを重視し、資本効率を高める経営
- カンパニー制の導入や分社化による事業毎の採算の明確化
- 経営陣の責任の明確化
←1993年6月の商法改正により、株主代表訴訟が容易に。●過剰設備、過剰雇用への対応=リストラ
- 過剰設備85兆円(経企庁)/95兆円(日経)、過剰雇用560万人(日経)との試算もあり
- 7割を超える企業が常勤従業員の過剰感を有し、約6割の企業が雇用調整を実施。
- 日石三菱が合併に伴い精油所を閉鎖
- NECが連結人員を今後3年間で1万5千人削減し、不採算事業やグループ会社を整理・再編
- 日産は今後5年間に生産能力を25%削減予定 等
●終身雇用制の崩壊/人材の流動化
- 9割以上の企業で今後、能力主義的処遇の重要性が高まると考えている。
- 既に7割強の企業で中途採用を実施、6割近い企業で人材派遣を受け入れ。
●産業の再編(M&A、合併、企業グループや系列を超えた提携)
- 金融界や自動車業界での再編
- 日立製作所によるシリコン・ウェハー事業の信越化学工業への売却
- 富士通と日立がプラズマ・ディスプレー・パネル(テレビ等の次世代ディスプレー)事業を統合
●株式持ち合いの解消
- 3割の企業が、近年株式持ち合い関係は弱まったとしており、6割の企業が、今後株式持ち合い関係は弱まると見ている。
日本経済の低迷と構造改革
●現在の日本経済の低迷は、循環的要因ばかりでなく、不良債権処理の遅れによる金融の機能不全や過剰設備、過剰雇用の蓄積といった構造改革の遅れによる先行き不安感が特徴。
●このため、日本は、官民ともに否応なしに構造改革を迫られている。
●設備投資、雇用と言った指標は、構造改革の進展に伴い、日本経済は短期的には更に悪化するとみられるが、さらに、構造改革が進み、経済が活性化(企業活動の回復、新産業の登場等)するとともに、回復すると考えられる。
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