外務省 English リンクページ よくある質問集 検索 サイトマップ
外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
トップページ 外交政策 G7 / G8
G7 / G8

ケルン・サミット
(成果とわが国の主張)

平成11年6月24日


1.ケルン・サミットの成果

(1)首脳がG8の役割の重要性を再確認

 コソヴォ紛争の解決、グローバリゼーションへの対応等に関し、G8がリーダーシップを発揮したことを踏まえ、今後の国際社会の諸問題の解決に当たり、G8が果たし得る役割を首脳が再確認。

(2)G8の結束を再確認(一連の対露支援)

(イ)対露非核化支援の表明。
(ロ)ロシアの債務問題への対応。
(ハ)ロシアの長期的な社会的、構造的、経済的改革に関するG8における対話の強化。

(3)コソヴォ問題への対応に成功

 空爆開始以降、ロシア、日本といった非NATO加盟国を含めたG8というユニークな枠組みが政治的解決への道筋を模索。その結果、G8外相会談を経てミロシェヴィッチの譲歩による空爆の停止を達成し、サミットにおいては、より長期的問題である難民帰還・復興支援のあり方、南東欧地域の安定化について有意義な協議。

(4)グローバリゼーションへの対応に成果

(イ)世界経済に関する明るいメッセージを発出。
 「我々が、昨年バーミンガムで会合して以来、世界経済は大きな課題に直面してきた。しかし、我々は、市場のコンフィデンス及び世界経済全体の成長見通しの最近の改善に満足しつつ留意する。」(G7首脳声明、冒頭部分)
(ロ)国際金融システムの強化に関し、一定の成果(透明性、CCL等)。IMF改革、ヘッジファンドへの対応についても前進あり。
(ハ)途上国との関係では、「ケルン債務イニシアティブ」を成功裡に発出。
(ニ)次期ラウンドに関し、「広範かつ野心的な新ラウンド交渉を立ち上げることを要請」するとの首脳の政治的決意を表明。
(ホ)教育に関し、「ケルン憲章」を発出。今後各国の教育のあり方に大きな影響。

2.わが国の主張

(1)世界経済の議論では、日本経済に関し、総理より、雇用情勢を中心に状況は依然極めて厳しいことを説明し、その上で雇用対策として既に11年度予算までに約1兆円の措置を講じているが、今般5000億円を超える補正予算を編成することを決断したことを紹介。これに対し、各国より高い評価を得るとともに最近の好ましい動きの定着への期待が表明されたことは、今後の我が国経済の信認を得る上でも非常に有意義。

(2)総理よりは、アジア経済、特に中国経済、インドネシア経済について説明。中国のWTO加盟について各国の加盟交渉を促したことは、近く予定される総理の訪中との関係でも有意義。また、インドネシアに関し、インドネシアの総選挙が公正に実施されたとのゴー・シンガポール首相(ASEAN議長国)の評価を紹介し得たことは、アジアからの唯一の出席国として、G8における存在意義の上でもアジア諸国との関係でも意義があった。

(3)重債務貧困国に対する債務救済については、我が国より、重債務貧困国を長期的自立に導くため、困難な国内状況の中で、最大のODA債権国でありながら思い切った措置を講じたが、これは我が国にとって決して容易な決断ではなかったことを率直に伝達し、公平な負担の原則を主張。右主張が認められたことは成果。

(4)教育に関し、総理より、グローバル化時代の「読み書きそろばん」(外国語教育、コンピューター等を自由に操る能力の育成)、学生、教員の国際交流の促進、生涯学習の重要性を説明した上で、グローバル化した時代の教育は、単に知識や技能を身につけるだけでなく、文化の多様性に対する理解や尊敬の念を育むことを重視する必要があるとの視点を紹介。右が「ケルン憲章」(教育に関する特別文書)に盛り込まれたことは、我が国独自の知的貢献。

(5)コソヴォ問題では、総理より、今後の和平履行への人的貢献や、復興・難民帰還支援等、引き続き積極的に関与していく姿勢を打ち出し、またコソヴォ問題が世界的意味合いを持つとの認識から、(A)紛争予防・解決に向け安保理改革への取組が急務、(B)世界の安定と発展のため中国の建設的関与の確保が重要、である旨指摘。今後の和平履行のあり方、復興・難民帰還支援、南東欧諸国支援等を中心に有意義な意見交換が行われた。

(6)不拡散については、総理より、我が国の対ロシア非核化支援策(総額2億ドル相当のプロジェクトに協力)を説明するとともに、北朝鮮について、(A)我が国を含むG8諸国のKEDOへの貢献、(B)ミサイル再発射が行われないようG8各国が協調して強い警告を発することの重要性、(C)開発・輸出を含むミサイル活動全般の中止を求める必要性、等につき発言。各国より、我が国の対ロシア非核化支援策への評価、北朝鮮のミサイルへの懸念、等について発言あり。G8の協調した取組の重要性が確認されたことは有意義。

(7)グローバル化時代のG8の重要性(例:コソヴォ紛争解決に果たしたG8の役割)を再確認。来年の九州・沖縄サミットへの期待が表明された。



BACK / 目次

外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
外務省