われわれは、より持続的かつ均衡のとれた経済成長を推し進める一つの力である国際貿易を拡大するとのわれわれの決意を再確認する。われわれは、共同の努力を通じて、開放的な国際貿易体制を維持し、かつ強化する。われわれは1978年7月13日にジュネーヴにおいて公表された多角的貿易交渉東京ラウンドに関する了解の枠組みのなかで述べられている進展を評価しかつ支持する。もっとも、かかる了解の枠組みのなかにおいても、いくつかの困難でかつ重要な問題が未解決になっている。
この史上最大の交渉を成功裡に妥結することは、単に1980年代にわたる主要な貿易自由化プログラムを意味するばかりでなく、非関税措置に関してガットにおいてかつてない最も重要な進歩がなされることを意味するものとなろう。かくして、ガットの規則、特にセーフガードに関するものは、世界貿易制度の弱体化を避け、かつ先進国、開発途上国を問わずすべての貿易国に利益をもたらすような形で次の十年の要請に一層則したものとされるであろう。多くの分野における協議及び紛争処理の新しいメカニズムの創設により、国際貿易制度において、従来より相当に高い程度の衡平及び規律が達成されることとなろう。ガット規則の統一的適用が肝要であり、われわれは、この方向に出来るだけ速やかに進むであろう。
交渉のすべての分野において、首脳会議参加諸国は開発途上国と一層緊密に協力して行きたいと考える。われわれは、たとえば、特別かつ異なった取扱いを通じて開発途上国の必要を十分考慮に入れ、かつ、世界貿易制度の利益及び義務に対する開発途上国の一層の参加をもたらすような健全かつ均衡のとれた結果がすべての参加国に対して確保されるよう努力する。
昨年のロンドン首脳会議においてわれわれは世界貿易の保護主議への道をしりぞけた。われわれは東京ラウンドに新たな活力を与えることに合意した。われわれの交渉者はその約束を履行してきた。今日、われわれは、われわれの交渉者に対し、他の参加国と協力して、残された問題を解決し、細部にわたる交渉を1978年12月15日迄に成功裡に完了する任務を与える。