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G7 / G8


G7議長声明
(仮訳)


1998年5月15日

1.G7諸国の元首又は首相及び欧州委員会委員長は、本日5月15日に会合し、世界経済及び金融情勢並びに世界金融システムを強化するに当たって我々が直面する課題について議論した。

世界経済

2.我々は、我々自身の経済における最近の動向及び世界のその他の地域における経済の動向について議論した。我々自身の経済において、我々は、持続的なインフレなき成長を達成するために協力する。そのような成長及び安定は、我々自身の経済にとってのみならず、世界の他の経済、特にアジアの回復しつつある経済にとっても、かつてないほど重要である。

3.我々はまた、我々自身の経済の各々が直面する課題が依然として異なっていることに意見の一致をみた。

4.我々は、5月2日になされた欧州経済通貨統合の創設に関する決定を歓迎する。我々は、国際通貨システムの安定に寄与する成功裡のEMUに期待する。健全な財政政策及び構造改革の継続に対する欧州連合諸国のコミットメントは、EMUの長期的成功並びに成長及び雇用に関する見通しの改善にとっての鍵である。

5.我々は、世界のすべての国が我々諸国の成長及び安定に関心を有していることを認識する。同様に我々は、その他の諸国の経済の持続的成長及び安定に関心を有している。我々は、アジア危機によって影響を受けた新興市場における健全な政策の実施の進展に勇気づけられる一方、ここ数日の出来事は事態が依然として脆いことを示している。特に、我々は、健全な経済及び金融政策の追求による世界の安定のためになされた貢献を歓迎する。更に、いくつかの新興国及び移行国によるそれらの経済政策を強化するための迅速な行動は、波及効果の制限に役立っている。すべての国における健全なマクロ経済政策、開かれた市場及び継続的な構造改革は、世界の長期的安定にとって不可欠である。最近の経験は、良いパブリック・ガヴァナンスの重要性をも強調する。

世界金融システムの強化

6.グローバリゼーションは、すべての国及び人々に莫大な経済的利益をもたらす力を有している。しかしながら、アジアの金融危機は、世界金融システムに潜在的な弱さと脆弱性があることを明らかにした。特に我々は、そのような危機が起こった場合の深刻な人的及び社会的影響を認識している。したがって、我々は、世界の金融構造を強化し、そのような危機が将来再発する危険を減少させ、また、それが起こった場合の衝撃に対してより強靱なシステムを構築するために措置をとることが緊急に必要であると考える。

7.これまでのサミットもまた、世界金融システムを強化する方途に取り組んできており、これは、改革のプロセスの継続とみなされるべきである。個々の国にとって、もし安定を達成しようとするならば、健全な経済政策、開かれた市場及び良い統治を追求することが不可欠である。同時に我々は、これらの健全な政策を促進し、将来の失敗を防止するために支援し、かつ、危機が起こった場合に対応するに当たって、国際金融機関(IFIs)が果たす中心的役割を確認する。それらの対応は、最近の諸問題に取り組む上で極めて重要であったし、我々は、将来におけるそれらの役割を強化する方法を見いださねばならない。

8.我々は、世界の金融構造を強化するための方途に関する我々の蔵相の報告を歓迎し、承認する。彼らの構想の中で、我々は、以下について特に重要と考える。

9.我々は、我々の蔵相に対し、新興市場及び他の諸国と協力し議論しつつ、国際金融機関及び民間セクターと共にこれらの構想を推し進めるよう求める。我々はまた、我々の蔵相に対し、既存の世界的な議論のためのフォーラム、特にIMF暫定委員会においてより深くかつより効果的な対話が可能となるよう同フォーラムを如何に拡充できるかについて更に検討するよう求める。我々は、これらすべての問題に関する確固たる提案が本年後半に決定のために提出されることを希望する。また、我々は、我々の蔵相に対し、その進展に関し遅滞なく報告するよう要請する。

ウクライナ

10.我々は、ウクライナと力強い財政及び経済改革を実施するために協力するとの我々の決意を新たにした。我々は、ウクライナ政府及び議会がIMFと拡大信用供与ファシリティーについて合意するために必要な措置をとることを期待する。

11.我々は、G7とウクライナとの間の了解覚書(MoU)の完全実施に対する我々のコミットメントを再確認した。加えて、我々は、石棺実施計画の資金調達に関し、主要な努力を行っている。我々は、MoUの下で計画されたG7及び他の国際的なドナーからの資金調達が、2000年までに予定通りチェルノブイリの閉鎖が行われるか否かにかかっていることに留意する。チェルノブイリ第3号炉の安全性については既に懸念が生じている。

12.我々は、エネルギー・セクターに対する財政復興計画を採択するとのウクライナ政府の決定を賞賛する。我々は、ウクライナ政府がエネルギー・セクター及びその他のセクターへの投資を財政的に実行可能なものとするのに必要な根本的な改革を実施することを期待する。財政復興計画が実行されるに伴い、我々は、EBRDがクメルニツキ第2号炉及びロブノ第4号炉(K2/R4)プロジェクトのレヴューを速やかに完了すると共に、EBRDの財政の健全性の要請を尊重しつつ、成功裡の融資パッケージに実質的に貢献することを期待する。このことは、他の資金調達と同様、もちろんウクライナ政府がMoUの下での約束を履行するか否かにかかっている。


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