政治宣言(仮 訳)
1989年7月15日
人権に関する宣言
1789年、人間及び市民の権利が厳粛に宣言された。40年程前には国連総会において世界人権宣言が採択され、その後これが更に発展・法典化されて、今や市民的及び政治的権利に関する国際規約及び経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約において具体化される。
我々は、自由、民主主義の原則及び人権に関する我々のコミットメントを再確認する。我々は、法の支配こそが、すべての市民の権利と自由を公平に尊重し、保護すると共に、人間の精神が自由と多様性の中で発展し得る環境を提供するものであるとの我々の信念を再確認する。
人権は、正当な国際的関心事である。我々は、人権と基本的自由が普遍的に尊重されることを奨励し、促進することを改めて確約する。
将来を展望すると、人権の促進にとり好機とともに脅威も存在する。従って、我々は、人権の国際的な基準を支持するとの確固たるコミットメントを誓約するとともに、この国際的基準を再確認し更に発展させるとの意思を確認する。
我々は、思想、良心及び宗教の自由並びに意見及び表現の自由を保護すべきことを強調する。これらの自由がなければ、他の権利を十分に実現することはできないからである。
我々は、また、法の支配と意見の多様性を尊重すべきことを強調する。これらがなければ、国民を代表する政府も民主主義も存在し得ないからである。
我々は、多元的な社会における結社の自由も同様に重要であると信じる。
我々は、身体の保全及び尊厳についての個人の権利は保障されねばならないと考える。我々は、すべての形態の拷問を憎悪し、非難する。
我々は、すべての人類が互いに友愛の精神をもって行動しなければならないと信じる。
我々は、すべて人は、単独で又は他の者と共同して財産を所有する権利及び機会平等の権利を有すると信じる。極度の貧困及び社会からの排除は、その状況に置かれた人々の尊厳を侵すものである。苦境ないし貧困状態にある人々に対しては支援が与えられねばならない。
我々は、児童、障害者及び高齢者の権利は特別の保護を必要とすることを強調する。
我々は、人間の尊厳が維持されるためには、人間科学の発達、例えば遺伝学や臓器移植の分野でなされた進歩が、すべての人権に則って応用されねばならないと考える。
現在の世代たる我々は、将来の世代が健全な環境を受け継ぐことを確保する義務を負う。
我々は、法の支配、不偏の正義及び真民主的な制度がなければ、これらの権利及び自由を適切に保障することはできないとの信念を再確認する。