[14]ミクロネシア

1.概   説

 ミクロネシアは、47年以来、マーシャル、パラオ、北マリアナとともに、米国を施政権者とする国連の太平洋諸島信託統治地域の一部を構成していたが、86年に米国との自由連合盟約を結び自由連合国家に移行した。この自由連合盟約の下では、防衛、安全保障について米国が権限と責任を有する一方、財政支援を行うこととなっている。91年には国連に加盟した。
 2003年3月に連邦議会選挙が実施され、議員による互選の結果、5月にウルマセル大統領が選出された。
 ミクロネシアは、米国との自由連合盟約が2001年10月に終了し、2003年に改訂された。この結果、米国は2023年まで毎年92百万ドル以上の財政支援を行うとともに、信託基金が創設されることとなった。経済面では、ミクロネシアは農業(コプラ)と漁業を除き見るべき産業は存在していない。国内の生産性は高くなく、生活必需品の多くを輸入に依存している。連邦歳入の約5割は自由連合盟約に基づく米国からの財政援助であるが、同盟約の改訂に伴う援助の段階的削減が予想されるため、アジア開発銀行の指導の下、政府部門の縮小、民間セクター育成等経済構造改革に努めている。
 我が国との関係では、古くは14年以来45年まで我が国が南洋群島の一部として国際連盟よりの委任統治を行っていたという歴史的関係に加え、民間漁業協定が締結されているように漁業関係でのつながりも深く、国造り、経済開発における我が国経済協力への期待は大きい。
 99年1月に、ネナ大統領(当時)がPIF議長として訪日し、また、2000年4月(第2回「太平洋・島サミット」)、2001年3月(公式実務訪問)、及び2002年1月(非公式訪問)にファルカム大統領が訪日している。また、我が国からは、2001年9月に森前総理がミクロネシアを訪問した。

(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標

2.我が国の政府開発援助の実績とあり方
(1) 基本方針
 ミクロネシア連邦は、歴史的に我が国と深いつながりがあり、従来から親日的である。経済的自立に向けて我が国の援助への期待が高まっている。また、我が国はミクロネシア連邦との間に民間漁業協定を締結しており、我が国水産業界とも密接な関係がある。こうした状況に鑑み、我が国は、水産無償を中心に、港湾、電力等インフラ整備分野での無償資金協力と研修員の受入等の技術協力を行ってきている。
(2) 2001年度の実績
(イ) 無償資金協力
 2000年度より継続して「ヤップ州道路整備計画」を実施している。
(ロ) 技術協力
 研修員受入れ、青年海外協力隊の派遣等を行ってきており、2000年8月より漁業・海事専門学校に対するプロジェクト方式技術協力「漁業訓練センター計画」を3年計画で実施し、水産分野の人材育成に寄与することを目指している。
(ハ) その他
 援助協調については、ADB主催によりこれまで4回の支援国会合が開催された。ミクロネシアがADBの助言に基づき構造調整を行っていることから、我が国としてもADB等国際機関や主要援助国と調整を図りつつ支援を行うことが効果的である。2001年度の支援ではないが、我が国はこうした考えに基づき、この内第3回支援国会合を、98年2月に東京で開催し、各国・機関間の調整に貢献している。

3.政府開発援助実績
(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績
(3) 年度別・形態別実績
(参考1)2001年度までに実施済及び実施中のプロジェクト方式技術協力案件
(参考2)2001年度実施草の根無償資金協力案件
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