我が国は、以下の点を踏まえて、ODA大綱に則りモンゴルへの援助を実施することとしている。すなわち、90年以降、モンゴルが民主化及び市場経済化に向けた改革を進めていること、モンゴルの安定と経済発展は、周辺地域における政治的・経済的安定にとって重要なものであること、内陸国であるとともに、市場経済への経済体制の移行期にあり、経済基盤の未整備、貧富の差の拡大等の課題があることから、援助需要が大きいこと等である。
我が国の援助は、89年度までは、技術協力として研修員受入れ、専門家派遣、機材供与、また、資金協力として教育、広報用の機器を中心とした文化無償援助にとどまっていたが、モンゴルの民主化の進展を受けて、90年度以後両国の経済協力関係に大きな進展が見られた。一方でモンゴル側においても実施体制の強化等の援助吸収能力の一層の向上が重要である。なお、我が国が国際的な対モンゴル支援環境情勢に積極的なイニシアティブを発揮していること、及び我が国が対モンゴルトップドナーであるという事実等のモンゴル国内における認知度は極めて高く、モンゴル政府側からも再三にわたり、謝意表明がなされているところである。
モンゴルにおける開発の現状と課題等を踏まえ、我が国は97年3月に経済協力総合調査団をモンゴルに派遣し、モンゴルの経済・社会開発計画等を踏まえ、重点分野の選定及び各重点分野における我が国の中長期的な対モンゴル援助方針について協議を行った。こうした政策対話等を踏まえ、我が国は以下の分野を援助の重点分野としている。
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(a) エネルギー
エネルギー供給の回復を図るための現有施設のリハビリテーションへの協力、発電所の安定操業、炭坑の生産性向上や経営改革、構造改善等に資する協力。
(b) 運輸
鉄道については鉄道路線、設備の充実等への協力、道路については幹線道路整備等既存施設の改修、主要都市の公共交通サービスの改善等への協力。その際には十分な大気汚染防止策を図る。
(c) 通信
通信網整備への協力、通信網を支える人材育成のための専門家派遣・研修員受入れ等の協力。
(ハ) 農業・牧畜業振興
長期的農業計画の策定、協同組合の運営体制・農畜産物流通体制の整備に関する協力及び農業技術の開発・普及等に関連する協力。
(ニ) 基礎生活支援(教育、保健・医療、水供給)
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(a) 教育
教育施設改善及び教員能力向上等の充実に向けた協力。高等教育の質の向上及び基礎的な職業教育への協力。
(b) 保健・医療
基礎的医療機材整備、医師・看護師の再訓練及び育成の実施に資する援助、母子保健への協力。将来的な医療体制の整備への協力。
(c) 水供給
既存施設整備、拡充及び水質改善の推進による水供給の安定化への協力。
(2) 2001年度の実績
(イ) 有償資金協力としては、91、92年度に商品借款を供与して以降、93年度から97年度まで毎年プロジェクト借款を供与してきた。2001年度には、2001年2月のエンフバヤル首相の訪日の際、ウランバートル第4火力発電所改修計画(II)に対する円借款の供与が行われたが、2001年度は新規円借款の供与は行われていない。
(ロ) 無償資金協力は、90年度からの一般無償援助の再開、91年度からのノンプロジェクト無償の実施等、大幅に拡充された。過去5年間は、50~60億円程度で推移。2001年度は、食糧援助やノンプロジェクト無償のほか道路、鉄道、電力、教育等を中心に約55億円が供与された。
(ハ) 技術協力においては、モンゴルの民主化・市場経済化を人材育成等のソフト面で促進することを目的に、研修員受入れ、専門家派遣、機材供与の各スキームを同国独自の需要に合致させる形で実施しているほか、青年海外協力隊及びシニア海外ボランティアの派遣やNGOと連携するスキームを併せ実施しており、協力内容の拡充を図っている。2001年度は、無償資金協力によって建設された日本・モンゴル人材協力センターに対し、市場経済化を支える人材の育成と両国の相互理解の促進を目的とした技術協力プロジェクトを開始した。開発調査は2001年度において市場経済化支援、道路及び電力等の分野で5件が実施された。
(ニ) なお、2000年から2001年の冬季にも雪害が発生し、約340万頭の家畜が死亡し、更に影響が拡大するおそれがあったため、約3億円の緊急無償援助(通信機材の購入のため)を追加的に行い、また12億円のノンプロジェクト無償を供与した。
(ホ) 援助協調としては、主要ドナー国及び国際機関が参加したドナー会合が毎月開かれている。また、暫定版貧困削減戦略書(PRSP)が2001年9月に策定され、2002年内の最終版作成に向けた作業が進められた。
(ロ) 無償資金協力は、90年度からの一般無償援助の再開、91年度からのノンプロジェクト無償の実施等、大幅に拡充された。過去5年間は、50~60億円程度で推移。2001年度は、食糧援助やノンプロジェクト無償のほか道路、鉄道、電力、教育等を中心に約55億円が供与された。
(ハ) 技術協力においては、モンゴルの民主化・市場経済化を人材育成等のソフト面で促進することを目的に、研修員受入れ、専門家派遣、機材供与の各スキームを同国独自の需要に合致させる形で実施しているほか、青年海外協力隊及びシニア海外ボランティアの派遣やNGOと連携するスキームを併せ実施しており、協力内容の拡充を図っている。2001年度は、無償資金協力によって建設された日本・モンゴル人材協力センターに対し、市場経済化を支える人材の育成と両国の相互理解の促進を目的とした技術協力プロジェクトを開始した。開発調査は2001年度において市場経済化支援、道路及び電力等の分野で5件が実施された。
(ニ) なお、2000年から2001年の冬季にも雪害が発生し、約340万頭の家畜が死亡し、更に影響が拡大するおそれがあったため、約3億円の緊急無償援助(通信機材の購入のため)を追加的に行い、また12億円のノンプロジェクト無償を供与した。
(ホ) 援助協調としては、主要ドナー国及び国際機関が参加したドナー会合が毎月開かれている。また、暫定版貧困削減戦略書(PRSP)が2001年9月に策定され、2002年内の最終版作成に向けた作業が進められた。
3.政府開発援助実績
(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績
(3) 年度別・形態別実績
(参考1)2001年度までに実施済及び実施中のプロジェクト方式技術協力案件
(参考2)2001年度実施開発調査案件
(参考3)2001年度実施草の根無償資金協力案件
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