[7]オマーン

1. 概   説

(1) 70年のカブース国王の即位以来、原油収入を基盤とした経済社会開発を進め、民生の向上に努めている。
 外交面では、現国王即位後、積極的に諸外国との間に国交を開いて友好関係の促進を図り、GCC(湾岸協力理事会)諸国との協力を軸に、先進諸国との関係強化にも努めている。更に、中東和平問題についても、湾岸諸国中初めて中東和平多国間協議の1つである水資源作業部会をホストし、「中東淡水化協力センター」を誘致する等積極的に貢献している。
(2) 経済面では、WTO加盟(2000年10月)及び2001年から開始された第6次5カ年計画を契機に国内経済のグローバル化、民間部門の育成等を目標としている。依然として石油依存の経済構造にあるものの、将来の主要外貨収入源として天然ガスに期待が寄せられ、また、製造業の拡充をはじめとする非石油産業の発展を目指している。
(3) 我が国は、オマーンから原油等を輸入し(2001年輸入額2,866億円)、同国に対し自動車、鉄鋼等を輸出しており(同輸出額762億円)、我が国は同国にとって最大の貿易相手国である。我が国にとって、同国は第6位の原油供給国であり(2001年シェア5.6%)、ホルムズ海峡を経由せずに輸入できるメリットがある。90年10月には海部総理(当時)、94年11月には皇太子・同妃両殿下が同国を訪問し、97年2月にはファハド副首相が来日した。。

(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標

2. 我が国の政府開発援助の実績とあり方

(1) オマーンに対する政府開発援助の基本的考え方
 我が国は、オマーンの一人当たりGNP水準が高いため一般無償資金協力を実施していないが、我が国との漁業関係に鑑み、水産無償資金協力を2000年度に実施した。また、一般技術水準、政策企画技術の向上等の援助需要が依然として大きいことから、鉱工業、環境等の分野において研修員受入れ、専門家派遣、開発調査等の技術協力を行っている。今後とも、同国の技術水準の向上を支援するため、技術協力の実施を検討していく方針である。
(2) 2001年度の援助実績
(イ) 総論
 2001年度のオマーンに対する援助実績は技術協力の4.18億円(国際協力事業団(JICA)経費実績ベース)であった。2001年度までの援助実績は、無償資金協力は10.69億円(交換公文ベース)、技術協力121.93億円(国際協力事業団(JICA)経費実績ベース)である。

3. 政府開発援助実績

(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績
(3) 年度別・形態別実績
(参考1)2001年度までに実施済及び実施中のプロジェクト方式技術協力案件
(参考2)2001年度実施開発調査案件

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