[8]カメルーン
1.概 説
92年3月複数政党制下で初の国民議会選挙が実施されたのに続き、同年10月大統領選挙が実施された(ビヤ大統領再選)が、その後野党との対立が続き、民主化プロセスは一時後退した。しかし、97年10月主要野党がボイコットする中で実施された大統領選挙において、圧倒的多数で再選された同大統領は、政治的緊張緩和を図るべく、有力野党との連立政権を発足させることに成功し、政治的安定が続いている。
外交面では、非同盟路線を基調とし、旧宗主国である英仏両語圏諸国との関係強化を図るとともに、友好国との協力の多様化を推進している。また、カメルーンは中部アフリカ諸国経済共同体(CEEAC)等の地域経済機構の主要メンバーでもある。
経済面では、第1次産業がGDPの約29%、労働人口の約49%、輸出額の約50%を占めている。また、減産傾向にある石油部門は、GDPの10%以下であるが、財政収入の約25%、輸出額の約35%を占めている。80年代後半以降、同国の経済は悪化していたが、94年1月の通貨(CFAフラン)切下げにより、同国の経済は好転し始め、2000年の実質GDP成長率は5.5%となっており、2001年以降も成長が見込まれている。
我が国は、カメルーンから木材、実綿等を輸入し(2000年輸入額526万ドル)、同国に自動車等を輸出している(同輸出額2,152万ドル)。
(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標
2.我が国の政府開発援助の実績とあり方
(1) カメルーンに対する政府開発援助の基本的考え方
我が国は、従来、基礎生活分野、行政分野等での研修員受入れ等の技術協力、教育分野等の基礎生活分野を中心とする無償資金協力、インフラ整備に対する有償資金協力を供与してきた。今後とも、同国の民主化努力の進展を注視しつつ、我が国の援助を検討していく。ただし、カメルーンは拡大HIPCイニシアティブの適用を受けており、現在新規円借款の供与による協力は困難である。
(2) 2001年度の援助実績
2001年度までの我が国の援助累計実績では、有償資金協力138.69億円、無償資金協力122.43億円(以上交換公文ベース)、技術協力25.95億円(JICA経費実績ベース)の協力を行っている。2001年度は、無償資金協力10.30億円(交換公文ベース)、技術協力1.95億円(JICA経費実績ベース)を行った。
無償資金協力については、教育分野のほか、草の根無償資金協力も実施している。
技術協力については、研修員受入を中心に協力を実施したほか、保健医療分野への協力としてユニセフとのマルチ・バイ協力による機材供与を行った。
3.政府開発援助実績
(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績
(3) 年度別・形態別実績
(参考)2001年度実施草の根無償資金協力案件
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