90年9月の複数政党制導入の決定に基づき、91年1月、複数政党制の下、初の国民議会選挙が実施され、「民主主義のための運動」(MPD)が勝利を収めた。また、同年2月、独立以来初めて直接投票による大統領選挙が実施され、MPD支持のモンテイロ候補が現職大統領を破って選出され、同年4月に新政府が発足した。政権交代は極めて模範的かつ平和裡に行われ、国際社会からも西アフリカにおける民主主義の成功例として高く評価された。95年12月の国民議会選挙においてMPDが引き続き勝利を収め、96年2月の大統領選挙ではモンテイロ大統領が再選されたが、2001年1月の国民議会選挙ではカーボヴェルデ・アフリカ独立党(PAICV)が勝利し、同年2月の大統領選挙においてもペドロ・ピレスPAICV候補がMPDの候補を破り当選した。
外交面では、善隣友好、非同盟を基本とする現実路線を堅持している。近年は、近隣諸国との関係強化に努めるとともに、経済協力、外国投資誘致の観点から、先進諸国との関係を強化している。
経済面では、農業・漁業が主要産業となっている。しかし、島国であることに加え火山性で起伏の多い地形や乾燥気候による降雨不足のため、農業生産、飲料水、電力の確保は困難な状況にある。食糧の自給率は15%程度と低く、外国からの食糧援助に依存している。同国の外貨獲得源は本国在住人口を上回る在外移民からの送金、海上・航空の交通に係る中継地収益であるが、慢性的財政赤字を補うには程遠い。国家開発計画においては、経済成長促進、貧困撲滅、民間部門活性化、地方分権化等に重点が置かれている。
我が国は、カーボヴェルデからマグロ等を輸入し(2000年輸入額5.5万ドル)、同国に自動車等を輸出している(同輸出額405万ドル)。