1.政治・経済・社会情勢
- 93年の民政移管以降、民主化、経済構造改革を比較的着実に進展させている。その結果、経済構造改革を実施するサブ・サハラ・アフリカ諸国の中では改革が比較的順調に進んでおり、開発のモデルケースともなりうる。
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一人当たりGNP(98年)と
GDP成長率(90-98年平均)
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実質GDP成長率
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390ドル、4.2%
(世銀資料)
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93年 5.0%、94年 3.8%、95年 4.5%、96年 3.5%、
97年 4.2%、98年 4.6%、99年 5.5%(IMF資料)
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2.開発上の課題
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(1) 農村地域を中心に貧困が深刻であり、ガーナ政府は「人間中心の開発計画」をテーマに95年1月、長期経済・開発計画である「ヴィジョン2020」を発表した。一人あたりのGDPを500ドルに引き上げ、年平均8%の経済成長による2020年までの中進国入りが大目標。主要課題は、農業部門の開発、基礎的生活基盤の改善(基礎教育、保健・医療、安全な水の供給)、マクロ経済の安定化、産業育成、基礎的経済インフラ整備、人材育成等である。
3.我が国の対ガーナ援助政策
- (1) 対ガーナ援助の意義
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良好な二国間関係、民主化、経済構造改革への主体的な取り組み、地域の中心国としての重要性、大きな援助需要を踏まえ、対アフリカ援助の重要拠点の一つとして支援していく。
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(2) ODA大綱原則との関係
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総じて望ましい方向に向かっている。
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(3) 我が国援助の目指すべき方向
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経済成長に加え、従来以上に貧困対策や社会開発側面を重視し、経済社会開発の支援を進めていくことが重要。特に貧困削減が最大の課題であることを踏まえ、基礎的生活基盤の改善に関する援助を優先的に実施していく。
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(4) 重点分野・課題別援助方針
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(イ) 農業開発
(ロ) 基礎的生活分野( 教育、 保健・医療、 安全な水の供給)
(ハ) 経済構造改革
(ニ) 産業育成
(ホ) 経済インフラ整備( 運輸、 その他)
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(5) 援助実施上の留意点
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援助受け入れ体制・能力の強化、 債務問題への対応、 セクター・プログラム・アプローチ、 南南協力推進
4.援助実績
- (1) 我が国の実績(支出純額、単位:百万ドル)
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有償 |
無償 |
技協 |
合計 |
供与先順位 |
99年(暦年) |
25 |
58 |
19 |
102 |
16位 |
99年(暦年)までの累計 |
733 |
402 |
185 |
1,320 |
19位 |
- (2) DAC諸国からの実績(支出純額、98年(暦年)、単位:百万ドル)
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二国間総額 |
1位 |
2位 |
3位 |
375 |
日本 149 |
英国 65 |
デンマーク 35 |
- (3) 国際機関のODA実績(支出純額、98年(暦年)、単位:百万ドル)
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国際機関総額 |
1位 |
2位 |
3位 |
324 |
IDA 245 |
CEC 33 |
AfDF 15 |
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