[14]ミクロネシア

1.概  説

(1) ミクロネシアは、1947年以来、マーシャル、パラオ、北マリアナとともに、米国を施政権者とする国連の太平洋諸島信託統治地域の一部を構成していたが、86年に米国との自由連合国家に移行した。
(2) ミクロネシアは4州で構成され、言語、習慣等を異にしていることもあり、紳士協定により大統領は再選の場合を除いて、輪番制によることとしているなど、各州の利益のバランスを保つことが必要となっている。自由連合盟約の下で防衛、安全保障についてのみ米国が権限と責任を有している。91年には国連に加盟した。96年7月、オルター大統領が脳卒中で倒れ、97年5月ネナ副大統領が正式に大統領に就任した。その後、99年3月の連邦議会選挙を受け、ファルカム大統領が選出された。
(3) 経済面では、ミクロネシアは農業(コプラ)と漁業を除き見るべき産業は存在していないため、自由連合盟約下で米国からの資金援助に依存している。この援助が継続する自由連合盟約期間(86年から15年間)の間に経済的自立を達成することを最大の目標に置いている。
(4) 我が国との関係では、古くは1914年以来1945年まで我が国が南洋群島の一部として統治していた経緯があり、この歴史的関係に加え、漁業関係でのつながりも深く、国造り、経済開発における我が国経済協力への期待は大きい。
 95年11月にはオルター大統領が訪日し、97年10月には日・SPF首脳会議にネナ大統領が、97年12月の気候変動枠組条約第三回締約国会議(COP3)及び98年1月の対ミクロネシア支援国会合にファルカム副大統領が各々出席するため訪日している。98年8月には、長谷川前駐豪大使を団長とする政策対話ミッションをミクロネシアに派遣し、二国間関係の強化に努めた。99年1月に、ネナ大統領がSPF議長として、2000年4月(太平洋・島サミット出席)及び2001年3月には、ファルカム大統領が訪日している。

(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標

2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

 ミクロネシアは従来より親日的であることに加え、米国との自由連合盟約関係終了を2001年に控え、経済的自立の達成に向けて、我が国への期待が高まっている。また、我が国との間に民間漁業協定を締結しており、我が国水産業界とも密接な関係がある。
 無償資金協力では、98年度に、「オカト港湾整備計画」「コスラエ州零細漁業支援施設改善計画」を実施し、99年度から「ポンペイ州タカティック漁港整備計画」を実施している。技術協力では、研修員受入れ、青年海外協力隊の派遣等を行ってきており、2000年8月より漁業・海事専門学校に対するプロジェクト方式技術協力を開始している。
 ミクロネシアがADBの助言に基づき構造調整を行っていることから、我が国としてもADB等国際機関や主要援助国と調整を図りつつ支援を行うことが効果的である。98年1月には、ADB主催の支援国会合を東京で開催している。
 また、99年10月には、プロジェクト確認調査団を派遣し、個別プロジェクトに関する協議を行うとともに、援助重点分野、今後の援助の方向性等について意見交換を行った。

3.政府開発援助実績

(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績

DAC諸国、ODA NET
国際機関、ODA NET
(3) 年度別・形態別実績
(参考1)99年度までに実施済及び実施中のプロジェクト方式技術協力案件
(参考2)99年度実施草の根無償資金協力案件
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